女子サッカーと兵法について その2 | 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
女子サッカーと兵法について その2

昨日、宮間選手について書いたが、少し訂正したい。戦略の基本原則としては昨日述べた通りだが、今回の女子サッカーに限って言えば、金メダルを取れた可能性が高く、戦略的にも間違っていなかったように思う。


また、これ以上のチームワークが作れるだろうかとも思える程、佐々木監督、澤選手、大儀見選手、川澄選手などなど、チームワークが抜群だった。そして技術力があった。

宮間選手の「違う点で勝負する」とは、おそらく空手で言えば、技を出す「タイミング」「精度」、そして「防御力」を徹底的に鍛えあげるということではないだろうか。また、それらの能力を競技において発揮するには、それらの能力を活かす全知全能の連携が必要である。その部分が、先述した監督を初めとする全選手のチームワークの部分だ。

今回に限って言えば、日本女子サッカーは決勝で勝てた。それがならなかったのは、審判が悪かった部分が大きい。審判は、ゴール前での相手国の反則をとらなかった。

私の体験だが、身体を壊し、体力面にハンディを背負って臨んだ空手の世界大会で、私は体力面の不安材料を技術力の強化と戦い方の質を上げることで乗り切った。

私の場合の戦い方の質とは、無駄を極力無くすというものだ。言い換えれば、動きや技の効率を可能な限り上げるということだ。

話をなでしこジャパンに戻せば、2点の失点は誤算だったに違いない。
しかし、審判がまともであれば、金の可能性もあったのではないか。

とにかく、なでしこジャパンの技の精度(澤のボール回しの上手さが光る)は高く、相手の隙をつく集中力もすばらしかった。

あえて言いたい。今回のなでしこジャパンは最高だった。宮間選手自身がそのことをよく知っていたのだ。ゆえにとても悔しかったと思う。