【ジョー山中さんのこと】
ロック歌手のジョー山中さんが8月7日に亡くなられた。
私はジョー山中さんとは付き合いはなかったが、10年以上前、知人を介して3回程、お会いしたことがある。また、ジョー山中さんは極真空手の歌を作ってくれたこともある。
ジョー山中さんにお会いした時のことである。いつもは挨拶をする程度だったが、都内の飲み屋でお会いしたとき、少しお話ができた。
ジョー山中さんは私より10歳以上年上で、有名人なので私は遠慮していたら、ジョーさんの方から色々話しかけてきてくれた。
話の中、「子供はいますか」と聞かれたように記憶している。丁寧で優しい尋ね方だったように記憶する。
その時は「息子が一人います」というように私は答えた。(今は娘もいる)
すると、僕にも息子がいてという話になり、ジョーさんは僕に1本のテープをくれた。
私はそのテープを帰りの車中で聞いた。(断っておきますが、飲酒運転はしていませんので)
そのテープの中身は、「ララバイ オブ ユー」だった。私はその歌がとても気に入り、何百回と聞いただろうか。
私は好きになると、繰り返し同じものを求める傾向がある。歌しかり食べ物しかりである。しかし、食べ物の場合は、繰り返し同じものを食べると食傷のようになり、しばらく食べられなくなることがある。
歌はそのようなことはない。もちろん、しばらくしたら飽きるが、いつまでもその歌が好きなことには変わりない。
しばらく、その歌を聴かなかったが、ジョーさんの訃報を聞いて、ジョーさんの歌が聞きたいと思っていた。
昨日、蔦屋でジョーさんのCDを見つけ購入した。そして、その歌が宇崎竜童さんの作曲、阿木陽子さんの作詞だということを知った。更にその歌は、映画の挿入歌だということも知った。
そんなことはどうでも良い。私は久しぶりにその曲を聴いた。すると、その時のジョーさんとの出会いの時が思いだされ、「どうしてジョーさんのコンサートやライブに行かなかったのだろう」とあらためて後悔の念が湧いた。
実はジョーさんにお会いしてから、ずっとライブに行きたかった。忙しさにかまけて後回しにしていた。
ジョーさんの生い立ちは、ジョーさんの周りの人に聞いた。ジョーさんが私にその歌のテープをくれたのは、「良い父親になってね」というメッセージだったと、始めから感じていた。おそらく間違いはないと思う。そして、その優しさと悲しみが私には伝わった。
それは不幸な生い立ちを(一般的に)を経験したジョーさんだからこそのメッセージのように考えていた。
「ララバイ オブ ユー」の歌詞に「~友達になれたらいい」「~人はみんな一人なのだと、それを知って欲しいのさ」というフレーズがある。
私にも息子が一人いるが、その歌を聴いて以来、父と子であっても、人と人として、心の友になりたいと考えている。
これまで私は、職業のみならず社会的地位など、実に様々な人達と会い、接する機会を得た。その中でも特にジョー山中さんは「好きだ」と私が感じた人の一人だった。
亡くなってしばらくしてから訃報を聞いた。献花もできなかった。大変、残念に思っているが、ジョーさんのこととジョーさんの歌はずっと忘れない。
謹んで、ご冥福をお祈りします。
追伸
皆さん「ララバイ オブ ユー」聞いてみてください。また「人間の証明」、名作です。また「戦う男達に捧げる歌」これも良いです。その他にも良い曲があります。