大変な出張〜 その2 | 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
〈前回の続き〉

【不満足感を最小にする】

前回からの続きを書きたいと思います。通常、我々が行動を選択する時、様々な判断基準があると思いますが、この時、私の脳裏に浮かんだのは、今回の講習会に関わる人の「不満足感を最小にする」ということでした。

この講習会に関わる人というと参加者、アスリート道場のスタッフ、そして私です。そして、審判講習会に私と共に同行した審判長です。

しかしながら、歩けないのであれば仕方ありません。先ずは、関係者に連絡し、事情を説明しました。アスリートのスタッフは、中止を勧めてくれました。

しかし、それでは、講習参加者、審判長、私の不満足感が残る可能性がありました。講習会参加者も審判長もスケジュールを調整して待っていたはずです。それが中止となれば、たとえどんな理由があるにせよ、不満足感の因子は残ると考えました。また、それらの因子が不満足感という結果をもたらす可能性は予測できませんが、充分な指導、パフォーマンスが出来ないことによる不満足感の現出に関しては、ある程度の予測は出来ると考えました。

そして、そのような可能性は、なるべく参加者が喜ぶように指導することで抑えることができる、また、指導の不充分な点は、次回の講習会を無料参加にすることで、納得してもらえると考えたのです。つまり、予測できない不満足感の現出の可能性をなるべく少なくしようと考えたのです。

いうまでもなく、どのような指導をしても、参加者が満足するとは限りません。そして、すべてを予測することは不可能です。しかし、実際に指導を行い、相手が不満足感をもったのなら、その原因を分析し、次回の指導の糧にすることも出来ます。また、原則として約束を土壇場になって、破るというのは、責任感の乏しさとして相手に映る可能性が高いのです。

ゆえに、私は、あらゆる手を尽くし、約束の履行に努めたのでした。皆さんはどのように考えるでしょうか。

私も再度、このようなことがあれば、すんなり降参するかもしれません。また、話すことも出来ない、動くことも出来ない状態ならば、仕方ありません。それに、今回の受講者がどのように感じたかも本当のところは分かりません。

今回、身にしみたのは、複数の予定を入れるのは、やめた方が良いということです。私に秘書やスタッフが大勢いるのならともかく、現在の私には、フリースタイル空手プロジェクトだけでも大変な負担です。今後、計画には余裕を持たせた方が良さそうです。(とは言うものの、のんびりやってては結果は出せないというのが私の経験値に刻み込まれているので、その思い込みをなんとかしなければなりません。大変だあ・・・。性格を変えるのは。)

振り返ってみれば、今回のようなことは、これまでもあったように思いますが、かなりいい加減に対応していたように思います。(若い時は、責任感が欠如していたのかもしれません・・・笑い)
しかし、今回のように真面目に考えた場合、しんど過ぎます。もうこのようなことが無いようにしたいと思います。
本当に大変な出張でした。(終わり)