社会人基礎力はなぜ必要?定義・構成する能力や鍛え方をご紹介 | トータル・トレンド ~まことのブログ~

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仕事では、様々な人と関わることになります。

そのため、社会人は人と仕事をするために、社会人基礎力を身に付けることが求められています。

そもそも社会人基礎力とは何か、どうすれば鍛えられるのか気になっている人もいるでしょう。

今回は、社会人基礎力が求められる理由や構成する3つの能力、鍛える方法についてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

■人と仕事をする上で求められる社会人基礎力とは

社会人基礎力は、経済産業省が2006年に提唱した概念で「多様な人々と仕事するために必要な基礎力」と定義されています。

提唱された当時、企業と学生の間で必要となる能力水準の意識に差が生じていました。

そこで、企業と学生の認識の違いを埋めるために、社会人基礎力が定義されました。

また、人生100年と言われる時代になったことで、ますます社会人基礎力を身につけることが求められています。

なぜなら、長い人生の中で変化していく環境・ライフステージに対応していくためには、学び続けながら自らを振り返り、スキルをアップデートしていく必要があるからです。

社会人基礎力は、人と仕事をする上で普遍的に求められるスキルであり、能力やスキルを発展させていくための土台と捉えることができます。

土台がしっかりしていれば、学習を通じて新しいスキル・知識をアップデートすることができ、変化に対して柔軟に対応できるようになるというわけです。

 

■社会人基礎力に求められる能力と能力要素

社会人基礎力は、アクション・シンキング・チームワークの3つの能力で構成されています。

さらにこの3つの能力は、細かい能力要素で構成されているのが特徴です。

ここで、社会人基礎力に求められる能力・能力要素についてご紹介します。

 

・アクション

アクションは、“一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力”と定義されています。

たとえ失敗しても、諦めずチャレンジする力が社会人には必要です。

アクションには、主体性・働きかけ力・実行力の3つの能力要素が含まれています。

 

◎主体性

主体性とは、自ら進んで物事に取り組む力のことです。

この能力がある人は周りからの指示をただ待つのではなく、自分でやるべきことを見極め、自主的に取り組めます。

 

◎働きかけ力

働きかけ力とは、他者に働きかけることでその人を巻き込む力のことです。

仕事の多くは自己完結できず、他の誰かと協働しなければなりません。

働きかけ力のある人は、特定の目的に向かって周りの人を動かすことができ、協力しながらビジネスを展開できます。

 

◎実行力

実行力とは、設定した目的に向かって確実に行動する力のことです。

ここで言う実行力とは、自ら決めた目標を達成するために行動を起こすことを指します。

そのため、人から言われたことだけを実行したり、無計画で動いたりすることではない点に注意しましょう。

実行力がある人は、目標達成後も継続して目標を立てて行動できます。

また、もしも失敗しても目標があるからこそ、諦めずに取り組み続けることが可能です。

 

・シンキング

シンキングは、“疑問を持ち、考え抜く力”と定義されています。

課題の解決や物事を改善するためには、日頃から問題意識を持ち、課題を見つけることが求められます。

そして、どうすれば解決できるのかという疑問を持ち、その答えを考える力が必要です。

シンキングには、課題発見力・計画力・創造力の3つの能力要素が含まれています。

 

◎課題発見力

課題発見力とは、現状を分析して目的や課題を明確にする力です。

すでに発生した問題を解決するのではなく、発生前に課題を見つけ、対処する力を指します。

課題発見力がある人は、自ら情報収集や分析ができ、他の人からも積極的に意見を求められる力があります。

 

◎計画力

計画力とは、課題を解決するためのプロセスを明確にして、準備する力のことです。

この能力がある人は、発見した課題を解決する中で最善のプランや取り組みを考えることができ、それに向けて準備を進めることができます。

また、準備を進める際は予定通りに事が進んでいるのか、進捗の管理に徹底することも重要です。

 

◎創造力

創造力とは、新しい価値を生み出す力のことです。

より良い商品やサービス、ビジネスなどを生み出していくためには、今までにない価値を創出しなければなりません。

創造力がある人は、先入観や常識にとらわれることなく、独自の発想でユニークなアイデアを生み出せる力があります。

 

・チームワーク

チームワークとは、“多様な人々とともに、目標達成のために協力する力”と定義されています。

個人で上げられる成果には限界があるため、より大きな成果を上げるためには多様な人の協力が求められるので、組織の中で働く上では欠かせない能力です。

チームワークには、発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力の6つの能力要素が含まれています。

 

◎発信力

発信力とは、自分の意見を相手にわかりやすく伝える力のことです。

社会人基礎力における発信力では、聞き手が求める情報が何かを理解し、事例やデータなどを使いながら丁寧に説明することが求められます。

 

◎傾聴力

傾聴力とは、相手の意見にしっかり耳を傾ける力のことです。

この能力を持つ人は、相手が話しやすい環境をつくり、タイミングを見て質問をするなど、意見の内容を引き出すことに長けています。

ただ単に話を聞くのではなく、内容の確認や質問などを通して相手の意見を正しく理解する力が求められます。

 

◎柔軟性

柔軟性とは、意見や立場の違いを理解する力のことです。

仕事では多様な人と関わることになり、様々な人と連携していかなければなりません。

うまく連携するためには、意見や立場の違いを理解し、相手を尊重して受け入れることが求められます。

 

◎情況把握力

情況把握力とは、自分と周りの人々や物事の関係性を把握する力です。

複数人で仕事をする場合、自分の役割を的確にとらえた上で、その役割に徹しなければなりません。

そのためには、自分やチームの関係性を理解する力が求められます。

 

◎規律性

規律性とは、人との約束や社会のルールを守る力のことです。

最低限のルールやマナー、約束を守れないと、チームワークを乱すことになります。

状況に合わせて、社会のルールを遵守した発言や行動をとることが大切です。

 

◎ストレスコントロール力

ストレスコントロール力とは、ストレスの発生源に対応する力のことです。

多様な人と関わる仕事では、様々な負担がかかりやすく、ストレスの溜め込み過ぎは身体に影響が出てしまいます。

この能力がある人はストレスの原因を発見して、自力で取り除くことに長けています。

また、ストレスを抱え込まない工夫や発散する努力しているのも特徴です。

 

■「人生100年時代の社会人基礎力」で重視される3つの視点

経済産業省は、2018年に「人生100年時代の社会人基礎力」として社会人基礎力を再定義しています。

再定義された社会人基礎力では、自分自身の振り返りを重視し、目的・学び・統合の3つの視点でバランスを取る必要性が示されています。

ここで、新たに追加された3つの観点についてご紹介しましょう。

 

・目的

社会人基礎力における目的とは、自己実現や社会貢献のためにどう行動するかという視点です。

人生100年時代でキャリアを切り開いていくには、社会でどう活躍したいのかイメージし、どんな行動や学習をしていくのか決める必要があります。

この視点では、社会人基礎力のアクションが重要となります。

 

・学び

社会人基礎力における学びとは、時代の流れに対応するために、自分は何を学ぶべきかという視点です。

これからの時代は、新たな価値の創出が求められるので、社会人は働きながら常に学び続ける姿勢が重要となってきます。

新しい価値を創造していく上でも、学習を繰り返して知識やスキルをアップデートしていく必要があるのです。

 

・統合

社会人基礎力における統合とは、どのように学ぶかという視点です。

単純に新しい知識・スキルをインプットして終わらせるのではなく、今までの体験や磨かれた能力、キャリアを組み合わせて学習していくことが求められます。

また、目標達成に向けて多様な人たちの能力を組み合わせ、視野を広げていくことも新しい社会人基礎力では重視されています。

 

■社会人基礎力を高める方法

目まぐるしく変化する環境の中で活躍していくためには、社会人基礎力の向上が求められます。

ここで、社会人基礎力を鍛える方法をご紹介しましょう。

 

・自己分析して能力を客観視する

社会人基礎力を鍛えるためには、自分の能力・性質・強み・弱みなどを客観的に把握することが大切です。

まずは自己分析を行い、自分の能力や強み、不足している要素などを洗い出してみましょう。

また、身近な相手から客観的な意見を聞くのもおすすめです。

自己分析では気付けなかった強みや弱点が見つかり、伸ばす能力や身に付けるべき能力がより明確になります。

 

・苦手を克服しつつ得意を伸ばす

自己分析で自分の能力を客観視できたら、苦手の克服を目指しましょう。

苦手なことが多くても、一つずつ地道に克服することが大切です。

いきなり完璧を目指そうとすると挫折する可能性があるため、苦手克服のために意欲的に取り組むことが重要です。

また、自分の優れている能力をさらに伸ばしていく努力もしましょう。

 

・思い込みをやめて物事を考える

思い込みがある状態で物事を考えようとすると、これまでの経験を元に物事を考えてしまい、問題を見落としてしまう可能性があります。

社会人基礎力の一つである課題発見力では、主観や先入観を除いた上で、想定される課題を見つけ、対応していく力が求められます。

そのため、前提を疑って物事を考えることを意識してみましょう。

 

・アウトプット量を増やして発信力を高める

相手に意見をわかりやすく伝えるために発信力を高めるためには、アウトプット量を増やすのがおすすめです。

人から聞いた話や自分の目で見たもの、学んだことなどの情報を人に伝える機会を増やすことで、発想力を向上させることが可能です。

発想力が鍛えられれば、周囲の人から「自分の意見を言わない人」「何を考えているのかわからない人」というイメージを持たれにくくなるメリットがあります。

 

・ストレスの解消に努力する

社会人基礎力にはストレスコントロール力が含まれるので、ストレス解消の努力をすることも大切です。

ストレスの原因を根本的になくすことは難しいでしょう。

しかし、自分自身でストレスを解消し、溜め込まないようにすることで心身の不調を軽減することができます。

運動や趣味に打ち込むなど、何でも良いので自分にとってのストレス発散方法を見つけ、定期的に発散していきましょう。

また、睡眠時間が少ない人はストレスを溜め込みやすいと言われています。

仕事やプライベートが充実していても、睡眠時間をしっかりとることもストレスコントロール力の向上に有効です。

 

・研修や講座を活用する

自分の苦手分野や不足している能力を身に付けたいのであれば、研修や講座を活用するのもおすすめです。

独学でも学習は可能ですが、プロの指導を受けた方が理解しやすく、スムーズに能力を伸ばすことができます。

個人向けの講座であれば、気軽に利用することが可能です。

無料体験を用意しているサービスもあるので、積極的に参加して、自分に合った講座を探してみてください。

また、会社でもスキルアップやキャリアアップ支援として、研修や講座を実施していることもあります。

そのような制度があれば、積極的に参加することをおすすめします。

 

・普段から社会人基礎力を意識して生活する

普段からアクション・シンキング・チームワークの3つの能力を意識しながら生活をするのもおすすめです。

社会人基礎力は一夜にして身に付くものではないので、日々の行動や経験、学習を通じて鍛えていく必要があります。

仕事以外にも日常生活では3つの能力が役立つ場面は多いので、常に意識して行動・思考することを心がけてみましょう。

 

 

社会人基礎力は、社会で活躍する上で基礎となる能力です。

新社会人だけではなく、今の時代を生きるすべてのビジネスパーソンに必要不可欠な能力となっています。

そのため、どんな能力が必要になるのか理解し、自分はどの程度の能力を備えているのか把握しておきましょう。

見直す中で足りない能力があれば、社会でどう活躍したいか、何をどう学ぶか考えた上でスキルの取得を目指してみてください。