TTの足回りを新調しました。その実力を確かめるべく、奥多摩方面へテストドライブに出かけました。 青梅ICを降りて「ジロー珈琲」で約1000円の今どき貴重なモーニングを平らげたら、いよいよテストランの本番です。R411からT45へと繋ぐ、いつもの奥多摩ルートへと滑り込みます。

 

 

みずがめ座にとっての快走路とは、道幅の広さではなく「前走車がいないこと」。御嶽駅近くで巧妙にR411へスイッチし、小河内ダムの先でついに待望のクリアラップを確保しました。

 

曲率の小さいコーナーが連続するステージで、新しい足回りの真価が試されます。マイペースで旋回していく限り、狙ったラインを寸分の狂いもなく正確にトレースしていく感覚。絶対的なスピードはともかく、極めて「精度」の高いドライビングが楽しめます。劇的に高まったその挙動を体感し、高額な出費に対する評価は満足ということになりそうです。

 

 

新緑に包まれた柳沢峠では、やや霞みつつも見事な富士山を拝むことができました。駐車場を埋める登山客の姿や自転車乗りの若者を見ながら、かつて古い自転車でこの過酷な峠を越えた若き日の自分を思い出し、ふと懐かしさが込み上げました。

 

 

雁坂トンネルを抜け、栃本集落の静かな旧道を噛みしめながら秩父方面へ。 道中、Google マップ上では開通しているように見えた「大滝トンネル」は実際はまだ工事中。災害時の暫定開放の実績をAIが誤認して「フライング開通」させてしまったようです(Gemini談)。正真正銘の供用開始は2027年度とのことでした。

 

 

今回のシェイクダウンにおけるもう一つのハイライトは、埼玉ー群馬県境をまたぐ矢久峠への挑戦でした。 藤倉集落で県道282号が途切れ、そこから先は路面がやや荒れた林道へと変わります。車高調を入れたスポーツカーにとっては下回りを擦るリスクのある「きわどい罠」の連続でしたが、細心の注意を払えばクリアできそうです。最低地上高のテストとしてはお誂え向きのタフなステージでした。

 

 

最後は甘楽町へ続く、トリッキーな狭隘区間を抜け、ひっそりと佇む「こいのぼりのさと」を通過してR254に出たところで今回のテストランは終了。素晴らしい仕上がりを見せてくれた新しい足回りですが、大きな入力があった際に、何度かフェンダーの奥からタイヤが擦れる音が耳に届きました。これを気にしてのドライブは楽しめないので、何らかの対策を行うつもりです。

旅の二日目の朝。昨夜のバイキングであれほど満たされたはずの胃袋が、朝にはしっかり空腹を告げていました。健康的に一日を始められることに感謝しつつ、まずは朝湯で体を目覚めさせます。

 

 

大型ホテルゆえの賑わいの中、ふと客層を観察すると面白いことに気づきました。女性客が友人同士で華やかに旅を楽しむ一方で、男性客はほぼ夫婦か家族連れのみ。定年後の男性は引きこもりがちという説を裏付けるような、静かな格差を垣間見た気がします。

 

 

朝食バイキングでは「和食スタイル」が常で、今回もそうしました。でも、目に止まった魅力的なフレンチトーストを前に我慢の限界を越えました。一通り和食を平らげた後に詰め込んでしまう自分の「貧乏性」に苦笑いしつつ、心ゆくまでホテルの味を堪能しました。

 

 

天候の崩れを読み、称名滝の見学をキャンセルして早めの帰路へ。ホテル滞在が目的だったやぎ座も、この「撤退」には二つ返事で賛成してくれました。一晩かけて 100% まで回復したEX30CCに乗り込みます。 宿の 3 kW 普通充電器は、昼過ぎから一晩かけてようやく満タンになるスピード。夕方着であれば 80% 程度で妥協せざるを得なかったでしょう。充電料金は約 3,000 円。かつての「EV=爆安」の時代は終わりましたが、このパワーと静粛性を考えれば、依然として魅力的なコストパフォーマンスです。

 

 

帰路はR148を南下し、白馬からR406へ。 白沢洞門からの日本アルプスは、5月にしては雪が少なく、今年の季節の足早さが感じられました。道中の「旅の駅 鬼無里」で目にした充電器は、クモの巣が張るほど使用頻度が低い状態でした。老朽化と利用率の低さが透けて見え、地方のEVインフラの厳しさを痛感します。

 

 

しかし、今回の旅最大の収穫は長野市街から菅平へと続くK34、急勾配と、激しいヘアピンが続く峠道で訪れました。 これまで漫然と「標準」にしていた設定を、初めて「パフォーマンス」モードへ切り替えてみたのです。その瞬間、EX30CCは別の生き物へと変貌しました。 前輪への駆動力分配が明確になり、コーナーでの安定感と登坂の力強さが劇的に向上しました。「市街地はレンジ、高速は標準、ワインディングはパフォーマンス」 この使い分けを知らずして、ツインモーターを半年以上、宝の持ち腐れ状態にしていたことが、もったいないやら恥ずかしいやら。

 

 

往復 500 km の旅。 目的地に充電設備があるという条件さえ整えば、EX30CCはガソリン車と同等、いやそれ以上に快適な「旅車」になり得ます。当然、ファーストカーとしても、十分に使えるでしょう。 やぎ座の満足度を高めつつ、自分自身もEX30CCの真の実力を発見できた今回の小旅行。まさに一挙両得、最高のフィナーレとなりました。

世間の桜騒ぎが落ち着きを見せ始めた5月。みずがめ座EX30CCのステアリングを握り、富山県・宇奈月温泉へと向かいました。 動機は極めてシンプル。やぎ座がテレビで見た「ホテルのバイキング」に心を射抜かれたからです。自身の自由なソロツーリングを継続するためには、こうした家庭内のニーズを看過してはなりません。GW明けの平日、混雑を避けて「ミッション」を開始しました。

 

 

今回の裏テーマは、EX30CCが一般的な家庭での、「ファーストカー」としての使用に耐えうるかの検証です。 関越道からR17、そしてR253のワインディングへ。山坂道でのパワー不足は微塵も感じさせず、アクセルへの追従性は見事の一言。しかし、ブレーキのタッチやステアリングの落ち着きのなさを鑑みるに、「ワインディングをご機嫌に飛ばす車ではない」という性格を再確認することとなりました。

 

 

道中、儀明の棚田で見事な水鏡と新緑に目を奪われ、糸魚川では「地すべり」が産んだ月不見池の不思議な風景に好奇心が刺激されました。ただ、人の気配が薄い場所だったので、車を降りて数分歩く際には、熊クマの存在が頭をよぎる……これもまた、現代の里山観光のリアルですね。

 

 

黒部川を渡る愛本橋で見た、雪解け水の驚異的な透明度。立山の恵みをそのまま海へと運ぶその流れに、富山の水の豊かさを実感します。 宇奈月温泉に到着後、まずは宿にEX30CCを預けました。急速でなくとも、宿に充電設備があるのは、EV旅において何よりの安心材料です。ここまで約60%のバッテリーを消費しましたが、翌朝には再び100%で出発できる――この無駄のなさは、EVでの旅行の理想形でしょうね。

 

 

午後は黒部峡谷鉄道(トロッコ列車)へ。 能登地震の影響で終点までは行けませんが、猫又駅までの折り返し運転でもその険しさは十分に伝わります。凄まじい騒音と振動、タイトな座席。乗り心地など度外視されたその「作業用」の延長線上にある旅は、ある意味で非常に贅沢です。

 

 

折り返し地点の猫又で、冬季は丸一日かけて歩いて施設を守るという関西電力の方々の過酷な労働に思いを馳せました。私たちが享受する「持続可能なエネルギー」は、こうした現場の執念の上に成り立っている。そんな当たり前の事実に、襟を正す思いでした。

 

 

宿に戻り、お待ちかねのバイキングへ。 正直なところ、テレビで見たほどの華やかさではありませんでしたが、スタッフの洗練されたホスピタリティと、予想を上回るクオリティのデザート類に、やぎ座みずがめ座も十分に満足しました。それにしても、TVスタッフの映像って、大したものですね。