宿のご主人の言葉はとりあえず嘘ではなく、そこまで寝苦しい夜にはなりませんでした。が、やはり最近の暑さはこんな自然豊かな場所ですらエアコン設置の必要性を感じさせます。農村の朝ごはんというイメージの食事を平らげて自宅に向かって出発しました。基本は帰るだけですが、1本だけ、富山・岐阜県境を抜ける山道を走ります。

 

 

 この道、R471の楢峠区間は冬季閉鎖期間が長いのはもちろん、ちょっとした雨などでも通行止めになり、開かずの国道としても有名な道路です。今回は事前情報で通行できそうだったのでチャレンジしてみます。通常は多少遠回りになっても整備されているR41を通るので、ここを通る人は仕事、釣りなどの人か、私のような変なマニアしかいないと想像できます。

 

 

 途中の分岐点で、工事による時間通行止めの看板がありました。寝耳に水の情報ですが、通行止め地点はここから11 km先で、8:30から工事開始のようです。時計を見ると8:10。通常なら間に合うと意を決して先に進みました。問題の場所は8:25くらいに通過できましたが、工事を始める気配はありませんでした。日曜日だったので休みだったのでしょうか?

 

 

 この道はかなりハードでした。対向車とのすれ違いを危惧することは多々ありますが、それ以前にこの道幅で自車が通れるのか?と心配になるレベルの道です。しかも舗装は荒れまくりで、もはや半未舗装と言った方が適切です。私は全国の「酷道」と言われる道はほぼ走破していますが(酷道区間限定で)、国道でこのレベルの道には出会ったことがありません。個人的に栄えある酷道1位を進呈しましょう。

 

 県境部分は道路が広く、平らになっているのでここで一休みしていると岐阜方面から飛騨ナンバーのハスラーがやって来て、富山方面へ走り去っていきました。今回、ここで出会った唯一の「動いている車」でした。狭い場所で出くわしたらと思うとぞっとします。そんな道を「制覇」して人里に下ると、さすがにホッとしましたね。

 

 

 飛騨古川の町中にあるファミリーマートでコーヒーブレイクです。重労働?後のコーヒーは五臓六腑にしみわたりますね。そう言えば、昨日から一匹のバッタが住み着いています。姿が見えないこともありますが、時々思い出したようにボンネットの上に出てくるのです。生息条件としては最悪に近いだろうに、なぜにそんな長時間と思いますが、ここまで道中を同行してくるともはや戦友ですので、追い払うことはできませんでした。

 

 

 その後は上高地から松本に抜けて無事自宅に帰りつきました。やはり最大の敵は暑さで、人にも車にもかなり厳しかったです。もうこの時期はツーリングオフシーズンにしてもいいくらいですね。そうそう、帰宅すると小さな戦友はいなくなっていました。どこかで自然に帰ったのでしょう。