今日はベートーヴェン作曲の
交響曲第9番ニ短調合唱付きの
第3楽章のホルンパートの役割と
フォーメーションについてお話しします。
ベートーヴェンが書いた
オリジナルのホルンパートは
1st.2ndのコンビでの対のセットで
書かれています。
3rdは4つのホルンパートの中で
1番出番が少なく
他のパートとは対ではなく
独立しています。
4thも独立したパートですが
ソロ箇所が沢山出てきます。
今日では4番の奏者が
オリジナル通りに演奏する事が多いのですが
マーシーが現役の頃(1990年代以前)は
4番パートにソロが多いので
1st奏者が担当するのが普通でした
その場合は下記の2つの方法が基本でした。
其の①
1st奏者が4thを担当
2nd奏者はそのまま2ndを担当
3rd奏者は1stを担当
4th奏者は3rdを担当
其の②
1st奏者が4thを担当
2nd奏者は3rdを担当
3rd奏者は1stを担当
4th奏者は2ndを担当
①のフォーメーションは
3rd奏者が1stを演奏するので
理にかなっています。
その理由はホルンのパートの役割は
1番高い音域を担当が1st、
その次に高いパートが3rd、
その次が2nd、
1番低い音域を担当するのが
4thと役割が決まっています。
そうすると1stが4thを担当するので
3rdが1stを担当します。
4thは1番出番の少ない末席を
務めることになります。
しかし、ホルンの通常の並び方は
前例に1st.2nd 、
後列3rd.4thと前後で並びます。
そのため2ndの後ろに
1stがいる配置になり
非常に演奏しづらいのです。
その理由は2nd奏者は
普段は1st奏者のベルの横にいるので
いつも1stの音やリズムを聴いて
音量などがよく聴こえるので
アンサンブルしやすいのです。
しかし、その1stパートが
後ろにいると音は聴こえづらく
息遣いや身体の動きも
分かりづらいために
②のフォーメーション
(4thが2ndを担当する)
になります。
1st.2ndパートを
後列の3rd4thが受け持ち
3rdパートを前例の2ndが受け持ちます。
そのフォーメーションをする為に
楽譜パートの楽譜をコピーして
楽譜に貼り付けなければなりません。
奏者が変わるたびに
フォーメーションが変わるため
色々なコピー譜面が楽譜に
挟み込むことになるのです。
時代が移り現在では
ベートーヴェンの書いた
オリジナル通りのパートで
演奏されています。
ではどうしてベートーヴェンは
4th奏者に独立したソロの多いパートを
要求したのでしょうか?
その疑問はまたの機会に
お話しさせて頂きます。
今回の動画