12/17 おはクラ放送後の呟き | マーシー山本教授のゆるゆるクラシック日記

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マーシー山本のお仕事の報告やクラシック音楽の豆知識をお届けします。

今日はベートーヴェン作曲の

交響曲第9番ニ短調合唱付きの

第3楽章のホルンパートの役割と

フォーメーションについてお話しします。


ベートーヴェンが書いた

オリジナルのホルンパートは

1st.2ndのコンビでの対のセットで

書かれています。

 

3rdは4つのホルンパートの中で

1番出番が少なく

他のパートとは対ではなく

独立しています。

 

4thも独立したパートですが

ソロ箇所が沢山出てきます。


今日では4番の奏者が

オリジナル通りに演奏する事が多いのですが

マーシーが現役の頃(1990年代以前)は

4番パートにソロが多いので

1st奏者が担当するのが普通でした

 

その場合は下記の2つの方法が基本でした。


其の① 
1st奏者が4thを担当

2nd奏者はそのまま2ndを担当

3rd奏者は1stを担当

4th奏者は3rdを担当


其の②

1st奏者が4thを担当

2nd奏者は3rdを担当

3rd奏者は1stを担当

4th奏者は2ndを担当


①のフォーメーションは

3rd奏者が1stを演奏するので

理にかなっています。

 

その理由はホルンのパートの役割は

1番高い音域を担当が1st、

その次に高いパートが3rd、

その次が2nd、

1番低い音域を担当するのが

4thと役割が決まっています。


そうすると1stが4thを担当するので

3rdが1stを担当します。

 

4thは1番出番の少ない末席を

務めることになります。

 

しかし、ホルンの通常の並び方は

前例に1st.2nd 、

後列3rd.4thと前後で並びます。

 

そのため2ndの後ろに

1stがいる配置になり

非常に演奏しづらいのです。

 

その理由は2nd奏者は

普段は1st奏者のベルの横にいるので

いつも1stの音やリズムを聴いて

音量などがよく聴こえるので

アンサンブルしやすいのです。

 

しかし、その1stパートが

後ろにいると音は聴こえづらく

息遣いや身体の動きも

分かりづらいために

②のフォーメーション

(4thが2ndを担当する)

になります。

 

1st.2ndパートを

後列の3rd4thが受け持ち

3rdパートを前例の2ndが受け持ちます。


そのフォーメーションをする為に

楽譜パートの楽譜をコピーして

楽譜に貼り付けなければなりません。

 

奏者が変わるたびに

フォーメーションが変わるため

色々なコピー譜面が楽譜に

挟み込むことになるのです。


時代が移り現在では

ベートーヴェンの書いた

オリジナル通りのパートで

演奏されています。


ではどうしてベートーヴェンは

4th奏者に独立したソロの多いパートを

要求したのでしょうか?


その疑問はまたの機会に

お話しさせて頂きます。

 

今回の動画

https://youtu.be/GwmxnFDRGpE