【是々非々】千葉市の特別養護老人ホームについて | 嶽正義 チバを盛り上げる!

【編集前記】

「保育園落ちた日本死ね!!!」に代表されるように、待機児童問題が深刻化しています。
この問題につきましては、千葉市も決して他人事ではありません。

本市の待機児童数は平成26年度から「0」が続いています。
保育所入所・待機児童数(平成27年4月1日現在)
これは大変評価できる数字ですが、一方で希望する保育園に入園できない保護者もいます。
居住地から遠くの保育園が空いていても、保護者の方からしてみたら有り難みをあまり感じられません。
理想はあくまでも、居住地から離れていない近場の保育園に入園させることでしょう。
待機児童問題については、また後日改めて書かせていただきます。

◆千葉市の特別養護老人ホームについて


待機児童問題も深刻ですが、特別養護老人ホームへの待機者問題も深刻です。
特に今後は益々の超高齢化社会。
現在でも1,700人以上の待機者数を抱えている千葉市
待機者数を早い段階で減らしていかないと、大変なことになると思われます。
今回は日本共産党千葉市議団 吉田直義議員の質問への保健福祉局次長の答弁を書き起こします。

【答弁:保健福祉局次長】

特別養護老人ホームについてお答えします。
まず過去5年間の待機者数の推移についてですが、各年1月1日現在の待機者数は、平成24年は2,014人25年は1,836人26年は1,969人27年は2,160人28年は1,777人でございます。
また今後の見通しについては、高齢化の進展に伴い、要介護高齢者も増加していくことから、当面は特別養護老人ホームの待機手段の改善は難しいものと考えております。

次に千葉市介護保険事業計画における、特別養護老人ホームの整備目標値・整備状況、そして今後の計画についてですが、現行の第6期介護保険事業計画では、平成27年度から29年度までの3年間で、649人分の整備を目標値としておりまして、現時点で169人分の整備が完了し、現在320人分の整備を進めているところでございます。
また今後の計画については、現在策定中の中長期的な高齢者施策の指針におきまして、平成37年度までに2,169人分を整備していく方針とする予定でございます。

次に特別養護老人ホームの整備用地確保の状況と、国・県・市の私有地を計画的に確保していくことについてですが、現時点で轟町の機動隊跡地以外に特別養護老人ホームの整備用地として確保している保有地等はございません。
特別養護老人ホームなど、介護サービス基盤の整備用地につきましては、事業者自らが確保することを基本としておりますが、今後、国有地等の利活用の紹介がある際には、待機者の状況や、介護保険事業計画との整合性など、必要性を総合的に精査し、整備用地として確保することについて検討してまいります。

次に特別養護老人ホーム入所者に対する市独自の補助制度を実施している自治体はあるのかについてですが、入所者に対する市独自の補助制度については、政令市では横浜市の他に、川崎市でも実施しているものと承知しております。
また本市独自の補助制度については、介護保険制度の存続の為には、所得に応じて一定の負担をしていただく必要があること、また所得の低い方には居住費と食費の自己負担を軽減する全国一律の制度があることから、本市独自の補助制度を導入することは考えておりません。


まず私は保健福祉局次長が、

「当面は特別養護老人ホームの待機手段の改善は難しい」

と認めてしまっていることに本市の介護保険事業計画の見通しの暗さを感じてしまいます。
誰もが健康で長生きしたいと思っていても、時にどうにもならない時もあります。
その時に満所でどこの特別養護老人ホームにも入れないようでは大変です。
実際の市民の声としても、既に何年も空所になるのを待っているという人の話しも聞きます。

介護は介護する方もされる方も大変な苦労と心労がかかります。
”老老介護”の話しも現実の話しとして、年を経る毎に深刻度を増してきています。
今から市の方でも、国有地や空き地の確保を急ぎ、整備用地として確保しておくことが大切。
そうでなければ何時まで経っても、待機者数は横ばいのまま。

特別養護老人ホームが出来る事に反対をされる方も実際にいらっしゃいます。
反対される方の気持ちも決して分からないわけではありません。
しかし政令市でもある本市に多数の介護難民が出るのは如何なものでしょうか。
親の介護をする為に離職したり、住み慣れた町から出て行かなければならないかもしれません。
そういう人たちを少しでも減らすことも行政の役割なのではないでしょうか。
保健福祉局次長の答弁を聞くと、「特養落ちた千葉死ね!!!」なんて人が出ても不思議ないです。
本市の財政が厳しいのは百も承知。
ですがもう少し福祉に予算を掛けないと、老後が心配だという市民が増えていくことになると思います。
市民の不安を軽減する為にも、整備用地の確保も喫緊の課題だと私は認識しています。