【Bunnmei ブログ】

 

在シリアのイラン大使館空爆の報復として、イラン革命防衛隊は13日、イスラエルの特定の標的に対して数十の無人機(ドローン)とミサイルを発射したと発表しています。それに対してイスラエルによる「大規模」な報復攻撃計画が報道されています。イスラエル国民は――平時になれば訴追されるので――戦火の継続を目指して暴走しているネタニアフ政権をいまや打倒すべきです。

 

■「戦火の拡大を望まない」と言いながら応酬が止まらない

 

イラン革命防衛隊(IRGC)は、シリアとイラク、レバノンそしてイエメンにも関連施設を持っていると報じられています。具体的な施設の数や場所については公には明らかにされていませんが、アメリカは2024年2月にシリアとイラク領内にあるイラン関連の85以上の標的への攻撃を実施したと報告しています。

この米国による「イラン報復」は、今年2月2日、米兵3人が死亡したヨルダンの米軍基地攻撃への報復として、シリアとイラク領内にあるイラン関連の標的への攻撃を実施したものでした。

その際アメリカ中央軍(CENTCOM)は、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊」や関連する民兵組織を標的にした空爆ののち、ジョー・バイデン米大統領は声明で、「我々の対応はきょう始まった。今後も、我々が選ぶ時期と場所で継続する」と戦火の拡大も辞さないとを述べています。米軍とイスラエルは連携しながら中東での戦争拡大を示唆しています。

 

一般報道では「米国もイランも戦火の拡大を望んでいない」と楽観的ですが、双方の希望が戦争の様相を決定するわけではありません。クラウゼヴィッツ将軍の言うように戦争は全面戦争に転化する内在的力が働くと考えられます。それを阻止するのが関係諸国の政治力です。しかし、イスラエル政府はすでに述べたように、ネタニアフ首相が訴追逃れのためにも、あるいは極右大臣たちが「約束の地」を今こそ実現しようと戦争拡大にまい進していることは明らかです。であるならば、同盟国である米国もまた戦火の拡大に引きずり込まれる可能性は小さくありません。最後にイランですが、指導部の抑制的思惑は別としてイラン革命防衛隊はイスラエルにより有力者が多数殺害されています。関係者の報復動機はまだまだ強いでしょう。あるいはイスラエルの報復の深刻さ次第です。イラン政府が、激高している好戦的世論をどれだけ抑えられるか不明です。

 

今回は直接的には、イスラエルによる在シリアのイラン大使館空爆に対して、イランが反撃したことから始まりましたが、イスラエルによる大規模な報復の応酬は、上記したイラン関連施設のあるイラク、シリア、イエメン、レバノンあるいはヨルダンも巻き込む可能性があります。中東全体に広がる可能性があります。かりに、イラン本土の核施設攻撃などがあればさらに中東だけの戦争にとどまらない可能性があります。

 

■多数の米国基地を撤去し、空母派遣を直ちに中止せよ

 

イスラエル極右軍事政権の暴発を制御するのであれば、まず何よりも米国がイラクやシリアに不当な形で軍事基地を持ち、さらに米国が派遣している空母艦隊とさらに莫大なイスラエル軍事支援を撤回すべきなのです。イスラエルの中東諸国に対する度重なる大胆な攻撃は、米軍基地の存在や去年より空母まで中東に出動させイスラエルを守り続けていることが背景にあります。今回のようなイスラエルによるイラン大使館空爆は、事実上の米・イスラエル連合作戦です。イスラエルの戦火拡大を糾弾します。そして同時に米国は不法駐留軍を置いているシリアと、撤退を求められているイラクから一刻も早く退くべきです。

 

米国とイスラエルによる戦火拡大を糾弾する! 米軍は中東から撤退せよ | ワーカーズ ブログ

 

■不当、不適切な米軍の中東駐留

 

2024年2月現在は約2,500人の兵士が駐留しアメリカが主導。しかし、参加国は減る一方です。2020年以来イラク政府は米軍(多国籍軍)完全撤退を求めています。しかし、米国は段階的な撤退を主張し、話し合いが続いていました。

 

米軍駐留のシリア基地に攻撃「親イラン武装組織」の実態に迫る | ワーカーズ ブログ 


米軍基地を攻撃するイスラム系武装組織(米国やマスコミではイラン系武装組織と報道されています)の多くが、実態はイラク国内におけるアメリカ軍の存在をイラクの主権侵害と見なしており、その撤退を求めている人々です。米軍の存在が今では中東における戦争の危機に油を注ぐ状況が続いています。

(了)

 

 

イスラエルは、イランによる攻撃に対して「大規模な対応」を計画していると、イスラエルの民放テレビ局チャンネル12が14日早朝、イスラエル高官の発言として伝えた。ガザで2日撮影(2024年 ロイター/Hannah McKay)

イスラエル、対イランで「大規模な対応」計画

=地元TV (msn.com)

[エルサレム 14日 ロイター] - イスラエルは、イランによる攻撃に対して「大規模な対応」を計画していると、イスラエルの民放テレビ局チャンネル12が14日早朝、イスラエル高官の発言として伝えた。

 

イラン報復攻撃、ドローンとミサイルを発射…イスラエル国内の標的「命中」と主張も真偽不明 (msn.com)

 

破壊された建物のがれきを撤去する消防隊員(1日、シリア・ダマスカスで)=AP© 読売新聞

 

 【テヘラン=吉形祐司】イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は14日未明(現地時間)、シリアのイラン大使館領事部ビルが1日に空爆を受けた報復として、イスラエルに向けてドローン(無人機)とミサイルを発射したことを明らかにした。声明はイスラエル国内の標的に命中したとしているが、真偽は不明だ。

 

 

 

イランからのミサイル イスラエルに着弾 政府高官「今後大規模な反撃する」

 | TBS NEWS DIG

イランは13日、イスラエルに対してドローンやミサイルを発射し、大規模な報復攻撃に踏み切りました。イスラエル側は反撃する可能性を示唆していて、事態の更なる激化も懸念されます。

イランによる攻撃の開始から6時間半ほどたちましたが、テルアビブ市内では現在も上空を飛行するイスラエル軍のジェット機の音が聞こえるなど、緊張した状態が続いています

攻撃開始の一報は現地時間午後11時ごろでしたが、その後市内では、不安げな表情でシェルターに避難する住人の姿が目立ちました。