【管理人の一言】
イラクのイスラム抵抗運動は、複数の武装勢力から構成される連合組織です。2014年に結成され、イラク国内におけるアメリカ軍やイスラエル軍に対する土着の抵抗活動を行っています。
主な構成勢力は以下の通りです。
- カタエブ・ヒズボッラー: イラク国内で最も強力なシーア派民兵組織の一つ。イランの支援を受けている。
- アサーイブ・アッ・ハッ卜: イラク国内で活動するシーア派民兵組織。イランの支援を受けている。
- バドル旅団: イラク国内で活動するシーア派民兵組織。イランの支援を受けている。
- ナジャバ旅団: イラク国内で活動するシーア派民兵組織。イランの支援を受けている。
これらの勢力は、イラク国内におけるアメリカ軍やイスラエル軍の存在をイラクの主権侵害と見なしており、その撤退を求めています。とはいえ、彼らは穏健派から過激派まで多様であり、ゆえに別々の組織と政党を形成しています。
また、イスラエルとのパレスチナ紛争においてもパレスチナ側を支持しており、イスラエルに対する攻撃も行っています。
イラクのイスラム抵抗運動は、イラク国内の政治情勢にも大きな影響を与えています。2018年に行われたイラク総選挙では、同組織が支持する政党連合が勝利しました。彼らは一枚岩ではないけれども、政治的な傾向として連帯して国政にも議会を通じてますます大きな影響力を持っています。このような事実から考えれば、米国・イスラエルの描き出すような「イランの手先、イランの手足」「イラン系武装勢力」というような単なる軍事的組織ではありません。さらにイランに対して隷属的関係ではなく、中東各地の地元民衆にそれなりに根差して政治や民衆救済を実行している、そのような組織として認識する必要があると思われます。
アフガニスタンのタリバンを想起してください。彼らは民衆に根差しているからこそ米国の不当な軍隊の居座りや腐り果てた当時の傀儡カブール政権に反発してきたのです。
米国は教訓を忘れたのかそもそも学ばなかったのか、イラクをはじめ中東各地に基地を点在させイスラエルを「防衛」しています。米軍はジェノサイド・イスラエルの支援など止めて本国に帰るべきなのです。(了)
イスラエル軍および米英軍は 中東での軍事行動のエスカレーションをやめよ
米軍駐留のシリア基地に攻撃、6人死亡 親イラン組織が犯行声明
トラックで銃を構える民兵組織「シリア民主軍」(SDF)のメンバー=シリア北部カミシュリで2019年3月30日、ロイター© 毎日新聞 提供
米軍が駐留しているシリア東部デリゾールの基地で4日夜、無人航空機(ドローン)による攻撃があり、AP通信などによると、米軍が支援するクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)のメンバー6人が死亡した。米兵の被害は伝えられていない。ヨルダンで米兵3人が死亡したドローン攻撃に関与したとされる親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」が犯行声明を出した。