こんにちは。
アマシオクリニック院長/アマソラクリニック形成外科 専門医 塩崎です。
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皆さまこんにちは。 アマシオクリニック院長 アマソラグループ形成外科専門医の塩崎です。
「鼻中隔延長/鼻整形の本当のところ」を語る本シリーズ。カロリー高めです。
今回は第3回。応用編です。
前回の記事は↓
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「鼻中隔延長のほんとのところ」。
①鼻中隔延長 基本編 ② 鼻中隔延長 誤解/リスク編 ③鼻中隔延長 応用編 の全3回です。
本日は最終回 ③鼻中隔延長 応用編 です。
(↑鼻中隔延長を含む鼻フル手術 術後8ヶ月の経過です。形が綺麗に維持されているのがわかると思います。
鼻が高くなるだけで、中顔面全体が綺麗に見えます。)
<前回のおさらい>
「ほとんどの日本人の鼻整形の患者さんで、鼻中隔延長が必要」
なぜなら、鼻整形の目的を叶えるために、鼻中隔延長が最も適しており、生理的だから。
が、やはり誤解を含むリスクも色々言われている施術です。「ちゃんとした」先生のところで
受けましょう。
👩「今までのお話で、鼻中隔延長のことはわかったけど、先生は鼻中隔延長に傾倒しすぎじゃないですか?」
そう、他の手術も色々あるんです。でもメニューだけ見ても何をするのがイメージが湧かない。
鼻整形のわかりにくさはこの辺からきてるんだと思うんですよ。
そんな、「鼻中隔延長以外で、鼻先を高くする、鼻先を小さくする施術」についてお話ししましょう。
メジャー所は下3つでしょう。
①(切らない)鼻尖縮小術
②鼻尖形成+耳介軟骨移植
③L字プロテーゼ オステオポールなどの鼻先異物
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①(切らない)鼻尖縮小術
基本的には論外に近い施術です(いきなり)。少なくとも鼻整形を専門にしている医師で、これを推している先生というのは見たことがありません。
このように糸を引っ掛けて鼻の軟骨をぐいっとつぶす、、わけですが。
なるほど鼻先は小さくなると思います、が、ここで考えてみてください。
「粘土で丸い球を作って、ぐいっと押しつぶしたらどのような形になるのか?」
👩「パンケーキの形になる!!🥞」
その通りです。
皮膚と軟骨の剥離もなし、軟骨の減量もなしで糸で締め上げれば、鼻先は必ず潰れて、上側が丸くなります。
これをポリービーク変形(polly beak=オウムのクチバシ のような形になる)と言います。
(↑鼻尖縮小の模式図。下から見て鼻先が小さくなっても、横から見たらオウムのくちばしになります🦜)
ぶっちゃけた話アジア人の鼻整形の手術って、いかにこのポリービーク変形を避けるか、、ということが重要なんですよ。
なので、ポリービーク必発のこの手術、すでに存在意義が破綻していると思ってます。
それだけでなく、極太のナイロンで軟骨を皮膚ごと締め上げるので、術後に傷を開いてみると、鼻翼軟骨が裂けている(!)
ことがままあります。こうなると鼻そのものが破壊されているので、修正そのものがかなり難しくなります。
👩「切らない鼻尖縮小どころか、軟骨が切れている、、、」
②鼻尖形成+耳介軟骨移植。
👩「これは結構ありなんじゃないですか?鼻尖形成だけで格好良い鼻を作る先生たくさんいますよ?鼻中隔延長よりもリスクが少ないんでしょ?」
良い観点です。が、この目線は間違い。
なぜなら、「鼻中隔延長 VS 鼻尖形成+耳介軟骨移植」の比較というのはそもそも成り立ってないんですよ。
正確には「鼻中隔延長+鼻尖形成+耳介軟骨移植 VS 鼻尖形成+耳介軟骨移植」なんですね。
すなわち、「鼻尖形成+耳介軟骨移植」というのは基本的にどちらの施術でも行われていて、
前者では鼻中隔延長を「行う」、後者では「行わない」という違いとお考えください。
👩「じゃあ、その二つの違いって具体的には??」
初回の記事を読みましょう(↑1番上のリンク)。
「土台を補強する」「鼻尖の位置を任意に変える」「鼻先をしっかりシャープにする」希望があるなら前者。
希望がない(あるいは必要ない)なら後者です。
もうわかりますよね。「鼻中隔延長の必要がない」なら、「鼻尖形成+耳介軟骨移植で『十分』」という言い方が正しいのです。
👩「ストラット法とか、なんとかグラフトみたいな名前の術式は?いかにも良さそうですけど。。」
「鼻中隔延長ほどの変化、補強を要しない」患者さんで、鼻尖形成をした際に、補強として用いる術式とお考えください。
一般的に耳介軟骨でストラット(=支柱)を作ることが多いです。
鼻中隔延長のような「鼻中隔軟骨そのものを強くする」術式ではなく、鼻柱の間に細い軟骨を差し込みます。
(耳介軟骨は柔らかいので、決して補強力に優れた方法とはいえない。延長する効果にも乏しい。)
もう1回同じことを言ってしまうと、
●「土台を補強する」「鼻尖の位置を任意に変える」「鼻先をしっかりシャープにする」希望があるなら鼻中隔延長すべき。
● 上記の希望がない(あるいは必要ない)なら鼻中隔延長なしで。+(補強として頼りないが)ストラットを行う。
って感じ。鼻中隔延長の補強力と、ストラットの補強力では雲泥の差です。
なんていうか、三匹の子豚のお話の
わらの家=ストラット 木の家=耳介軟骨による鼻中隔延長 レンガの家=肋軟骨による鼻中隔延長 かな。
(いや、ストラットは家のうちにすら入らないかもしれない、、目的が違うから。。)
👨⚕️「決して悪い施術ではないですが、『条件が良くて』『希望がマイルド』ならば選択肢になる」
くらいの言い方と思っています。
言い換えれば、
「皮膚が薄い、土台が強い、元々ある程度鼻が高い」方が、「少しの変化で良い」ならば、、という感じ。
(⬆️ちなみに個人的には、皮膚が薄くて土台が強い方が鼻中隔延長まですると、めちゃめちゃ綺麗になるので、、、
結局鼻中隔延長を勧めてしまうこともあります。ここら辺は考え方次第。)
前回言いましたね。
鼻の皮膚が厚くて、元々低めの人が、耳介軟骨など柔らかい素材で無理に鼻中隔延長をすれば、当然鼻は曲がるか潰れます。
↑鼻中隔延長自体を行わなければ、当然もっと派手に鼻は潰れます(←ストラットも「鼻中隔延長なし」ですよもちろん)。
「本来鼻中隔延長を行わなければならない人」が、合併症を恐れて延長を避ける、、というのは本末転倒。
鼻中隔延長なしで、ストラットで同じ結果を出して、、というのも100パーセント無理。
でね、実は鼻尖形成+耳介軟骨移植(鼻中隔延長なし)ほど中身が曖昧な鼻手術はないんです。
美容外科学会でも2年くらい前、「鼻中隔延長なしでどこまで攻められるか」みたいなセッションがあったんですが、
すごい綺麗な術式を出される先生の発表は、👨⚕️「いやいやそれって鼻中隔延長でしょ」みたいな術式だったりするんだよね。
(話が専門的すぎるので割愛。ただ、鼻中隔延長に準じた手術をすれば、当然リスクも同様にあるわけです)。
てなわけで、どんな術式でやっているのかはよく先生に確認しましょうね。
いずれにせよ、私塩崎は「長期経過」を大事にしています。
明らかに補強力の弱い、「延長なし」の術式で、果たしてどれだけ鼻の形が持つのよ。。と思ってます。
(前回も言ったように、鼻先は常に後もどりの力にさらされています)。
某ベテラン先生も、1年後の経過なんて載せてないし。
某クリニックの修正めちゃくちゃ来るし(←ここら辺が、鼻中隔延長を推す理由になってます。察してください)。
👩「半年経ったらもう術前と同じ!!」じゃ寂しすぎるじゃない。ひどい時には元の鼻より低くなるし。
繰り返しになるんですが、「条件が良い患者さん」には良い施術ですよ!!
延長なしでどこまで行けるか、ということにこだわって手術されている素晴らしい先生もおります。
③鼻先異物。オステオポールやL字プロテ。
これはyoutubeなんかで散々こき下ろしてますが、「ダメ絶対」のレベルです。
軟骨が潰れます。じゃなきゃ皮膚を突き破ります。まともなクリニックではやっていません(断言)。
実は他院さんでの術後相談があった時、
👨⚕️「トラブル起こしてなきゃ様子見でいいですよ。。」なんて昔はよく言ってたのですが、
時間が経過してひどく破損した鼻翼軟骨を先日見て、「速やかに抜去」を最近は推奨しています。
トラブルものはまた機会があったらこれはお話ししましょう。
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👩「結局先生は鼻中隔延長推しってこと??」
鼻の手術にプチ整形って存在しないんですよ(ヒアルくらい)。「手軽に済ませて、お金貯まったら修正すればいいや。。」って考えもあるんだけど、
鼻に関してはやめた方がいい。
一度手を入れれば鼻は硬くなってしまうので、2回目の手術では自由度が下がるし、修正手術は初回に比べて感染率も30倍になるって言われている。初回手術で貴重な軟骨を使ってると材料がなくなってくるし、そもそも修正手術はどこのクリニックでもアップチャージになります(難易度が高くなるから)。結果として体にも財布にもダメージがでかいです。
「鼻整形は一撃で決める」。超重要なことです。
なればこそ、「もっとも自由が効く初回に」「もっとも後戻りのない方法で」「しっかりと形を作る」べきだと思いません??
僕の考えはやっぱりこれ。↓
⭐️「初回から鼻中隔延長を強固に行い、あくまで皮膚が伸びる範囲で自然にカッコよく仕上げる(高くしすぎないで、鼻先を小さくする)」が正解でしょう。
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まとめ!!
●鼻中隔延長以外の鼻先の術式で選択肢に上がるのは、「(鼻中隔延長なしの)鼻尖形成+耳介軟骨移植」だけ。ただし適応は選ぶ。
●鼻中隔延長は「必要だから」する。本来必要なのに延長しないのはダメ。
●鼻手術はとにかく初回が重要。初回からしっかりと補強していくのが正しいと塩崎は考える。
長期的な後戻りまで視野に入れれば、鼻中隔延長を初回から行うのが結局コスパが良い。
ではまた。
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