こんにちは。
アマシオクリニック院長/アマソラクリニック形成外科 専門医 塩崎です。
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皆さまこんにちは。 アマシオクリニック院長 アマソラグループ形成外科専門医の塩崎です。
鼻中隔延長はかなり皆様興味のあるところのようですね。かなりの数の人が見てくださっています。
今回は第2回。
前回の記事は↓
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「鼻中隔延長のほんとのところ」。
①鼻中隔延長 基本編 ② 鼻中隔延長 誤解/リスク編 ③鼻中隔延長 応用編 の全3回です。
本日は② 鼻中隔延長 誤解/リスク編 です。
(↑2枚の写真は同じ方です。「パキーン」とした鼻は現実的に、肋軟骨の鼻中隔延長でしか作れないです。)
<前回のおさらい>
「ほとんどの日本人の鼻整形の患者さんで、鼻中隔延長が必要」
なぜなら、鼻整形の目的を叶えるために、鼻中隔延長が最も適しており、生理的だから。
でも、なぜか鼻中隔延長にはネガティヴな意見が多い。。。
じゃあ、そのネガティヴな意見とやらをTwitterから抽出してみましょう。
鼻中隔延長のデメリット(として美容垢さん、一部のドクターアカウントから挙げられているもの)を探してみます。
以下のような感じ↓
①曲がる
②鼻先カチカチになる
③高すぎて不自然になる
④表情によって動かないのでおかしい
👩「ほら!鼻中隔延長は怖いんです!!やめましょう。」
うん、これだけ見ちゃうとそう思っちゃうよね。
では一つずつ丁寧に解説しましょう。
①曲がる。
これはしばしば言われることです。「鼻中隔延長は曲がる」。おそらくこれは二つの意味を包括しています。
1.鼻先を高くしすぎて、皮膚の圧力に負けて、「曲がる」。
2.延長素材そのものが「曲がる」。
鼻の手術は、どんな手術であっても「軟骨の形を変えて、皮膚外側の形を変える」ことに集約されます。
これは言うなれば「同じお洋服を着ているが、中身の体格を変えることで外見を変える」ということ。皮膚の量は変わりませんからね。
ここが大事なのですが、手術後高くなった鼻の皮膚は伸ばされています。伸ばされた皮膚は当然「元に戻ろうとする」。
この時に、無理な延長をしていれば鼻が倒れてしまいそう。。なんとなくわかります??👀
当然、皮膚の限界を超えて鼻先を高くしたら、曲がります。
続いて、「延長素材そのものが」曲がるということ。
これはですね、ちょっと難しいんですが、延長の立て方/素材の選び方に問題があります。
残念ながら、やっぱりいい加減な延長をしたら曲がっちゃうんですよ。
最大限曲がりにくい立て方、素材の選び方があります。
というよりも、鼻中隔延長の時の延長のやり方はいろいろなやり方が報告されていて、国内外多くの医師が意見を出している。
曲がりにくい延長の仕方/素材の選び方はもうある程度結論が出ています。
ちょっとTwitterなんか見ているとわかるんですが、「あそこのクリニックの鼻整形は曲がる」って、
大体同じクリニックだったりしません?
これはおそらく手術コンセプトというか、極めて手技的なところが大きい。
鼻の皮膚が厚くて、元々低めの人が、耳介軟骨など柔らかい素材で無理やり伸ばして手術をすれば、当然鼻は曲がるか潰れます。
↑ちなみに、鼻中隔延長自体を行わなければ、当然もっと派手に鼻は潰れます。
第3回で言いますが、「本来鼻中隔延長を行わなければならない人」が、上を恐れて延長を避ける、、というのは本末転倒。
②鼻先カチカチになる。
「土台がカチカチになる」これは確かに仕方ない側面があります。
というか、「鼻の土台が柔らかい人」から、「鼻の土台がしっかりした人」に構造を作り変えるのが鼻中隔延長なので。
が、「鼻先」がカチカチになるというのは、これは工夫次第かなと。
例えば鼻先まで肋軟骨で仕上げれば鼻先はカチカチになります(←このやり方をメインにするクリニックもあります)。
僕の場合は土台は肋軟骨、鼻先は耳介軟骨で仕上げることが多いので、そこまで硬くはなりませんが、場合によっては肋軟骨で最後まで仕上げることもあります。
適応次第とお考えください。
が、指先で押した時にペシャンとするくらい柔らかい鼻を作って、、というのは、すでに鼻中隔延長のコンセプトからは外れています。
たしかに、土台は硬くなくてはいけない。
③高すぎて不自然になる。
このロジックは、賢明な読者の皆様ならすぐにわかるでしょう。
「高すぎるようにも」できてしまうんです。この手術のメリットでもありますが。。
例えばギュンギュンに鼻中隔を伸ばして、先端に鬼のように軟骨を積み上げればメチャクチャな高さの鼻を作れます。
もちろん皮膚が伸びる範囲で、という原則があります。これは①でお話ししましたね。
高すぎはダメ。もちろん結局後戻りするか、曲がります。鼻の高さは欲張らない方が良いでしょう。
④鼻先が動かないので不自然。
これはね、否めないです。思い切り口角をあげて笑うと、通常は鼻先は下がります。
どちらかといえばソリッドに(硬く)土台を補強してしまうので、表情による鼻の動きは乏しくなります。思い切り高くした場合は気になるかもしれません。
まあ個人的には、明らかに鼻整形をした女優の方の演技を見て別におかしいとは思わない(誰もそこを指摘しない)ので、、
まあそんなもんだよな、とは思っています。
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👩「色々言ってるけど、本当のリスクってなんなの?↑のはウソってこと??」
上記のことはもちろん鼻中隔延長のリスクなんですよ。
が、これは僕ら鼻整形を生業にしている医師からすると、👨⚕️「まだそんなレベルで話をしてるの??」というところではあります。
要するに、ある程度工夫で、不満がないところまでなんとかなるところかな、というのが本音。
というよりも、当然起こりうるリスクだからこそ、世界中の医師が鎬を削って工夫をしているわけです。鼻整形は世界中の形成外科医のトピックでもあります。
「鼻先は高くしすぎない」「鼻中隔延長の素材や立て方を工夫する」などなど。鼻先の操作も色々あります。
が、それ以上に効果(メリット)が強いから鼻中隔延長をするわけね。
鼻中隔延長なしで、同じ効果を出すことは「100%」できません。前回の記事の言葉を借りれば、
「柱を補強しないで2階建ての自宅を3階建てに増設して、そこに自分と家族が住みますか??」
という話です。
⭐️結局、最も正しいのは、「鼻中隔延長を強固に行い、あくまで皮膚が伸びる範囲で自然にカッコよく仕上げる(高くしすぎない)」が正解でしょう。
で、ここら先は苦言。
ネット上で不安を吐露する、患者さんはしょうがないです。前回の手術がうまくいかなくて、周りの仲間にやめた方がいいよ、
と言う気持ちもわかります。
むしろよく勉強されていて素晴らしいです。
ここからは苦言を呈したいところなのですが、結構問題なのは医師の方々なんですよ。
「鼻中隔延長をするのは危険」「鼻中隔延長をするのは愚か」「通常の鼻整形に肋軟骨は不要」みたいなことを平気で言う先生方がいます。
はい、
「PRS(世界最高の形成外科雑誌)」に鼻中隔延長の論文を投稿された先生は全員愚かなんでしょうか??👀
アジア人だけでなくヨーロッパ系人種の鼻整形でも肋軟骨を使われているのをご存知ないのか?
ご自身でやられない/やれない手術のことをポジショントークでとやかく言うのをやめましょう。
患者さんが不安になります。
それどころか、正しい治療(あえてこの言葉を使いますが)を受ける機会を喪失してしまう。
鼻の手術はいかに「一撃で決めるか」なんです(次回話します)。
規模、方向性は違えど、これってコロナワクチンの陰謀論とか、子宮頸がんワクチンにも似てると思うんですよ。
よく知らない医師が、自分の商売に繋げるため、あるいは注目を浴びるために持論を展開する。
そこには不勉強な正義感もあるかもしれない。
SNSっていう拡散しやすく、一般の方が見る場所でそれを見たら何が起こるかくらいわかるでしょう。
どうそ同じことを形成外科学会の、鼻セッションの会場でお話しください。皆で議論しましょう。
⭐️とはいえ、なぜ鼻中隔延長が槍玉にあげられがちかというとですね。。⭐️
●患者さんサイドの問題
期待が大きい(手術の規模が大きいと、自ずと患者さんの希望も強くなる)、欲張った高さを求めがち、SNS映えを求めてしまう
●医師サイドの問題
単純に手技が難しい、肋軟骨採取には技術と相応の設備が必要(大手美容外科で行われないのはこれが理由です)。
何より、「昔ながらの美容外科の先生には馴染みがない」
←これです。おそらく50overの先生で鼻中隔延長を毎日生業にしている先生なんて、数えるほどしかいないでしょう。
もちろん、日本での鼻中隔延長を広く広めたヴェリテクリニック福田先生は大ベテランですが。
現状のように、日本中で肋軟骨延長が行われている、、というのは結構(僕も)びっくりです。やっぱり40前後の先生が多いよね。
肋軟骨の鼻中隔延長なんて、今はもはや基本手技。
鼻専門を自称する先生にカウンセリングにいくなら、ぜひ日常的にやっているか確認してみましょう。
ちなみに僕の考える鼻中隔延長の最大のリスクはやはり、
「鼻柱あたりの違和感」だと思います。
特に強く補強をした場合、鼻柱周りが硬く厚くなってしまう。これは手術の目的とトレードオフなので、なかなか難しいところではあります。
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まとめ!!
●鼻中隔延長はもちろんリスクがあります。だけど、巷で言われているほどリスクが大きいわけではない。
●鼻中隔延長は「必要だから」する。本来必要なのに延長しないのはダメ。
●手術はメリットデメリットあります。メリットを最大限享受し、デメリットを小さくする工夫をする先生を選びましょう。
ではまた。
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