黄金比のハーモニーをつかった作曲 その1 | 音楽 楽器 作曲の研究してます

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大学で先生しています。
作曲・編曲しています。
チェロを弾きます。

黄金比で作られた音階で曲を作りました!そして演奏します!

 

普段私たちが聞きなれているドレミの音階は、2500年もまえのピタゴラスが発見したものと言われています。

12の半音からなる音階はそれ以降、ずっと変わらず西洋音楽の根本になっています。

 

導出原理は、完全五度の繰り返しです。

ピタゴラスは弦の長さの1:2に区切る位置に駒をおくと、基準となる音の3倍音が綺麗に協和することを発見しました。これは今でいう完全五度で、ドの完全5度上の音はソです。ヴァイオリンの4本の弦はこの完全五度で調弦されます。

 

この完全五度を繰り返していくと、12の音が得られてまた元のドに戻ってきます。

これを五度圏といいます。

ド⇒ソ⇒レ⇒ラ⇒ミ⇒・・・・ファ⇒ドとなります。

しかし、実際には戻ってきたときのドは、ぴったり元のドにはならず、1/4音ほども高くなります。

 

さて、この3倍していく音列の作り方を、ちょっと変えて
黄金比(≒2.618)で作っていくとどんな音列になるでしょうか??

 

聞いたことのない音程ができます。

実際にヴァイオリンやギターで試しました。


整数比ではないので、どの音程も不協和音です。

ただ、気色悪いホラー映画のような音程というよりは

宇宙的(?)な不思議な音程ができます。

 

と、この音律の詳しくはHPや学会論文を

https://yokoyama-music-research.jimdo.com/ 作曲と編曲-composition-and-arrangement/

参照いただくとして、

実際に弦楽四重奏に応用して作曲した曲を、コンサートで演奏します。

 

題して、調性音楽の崩壊!

 

プログラムはこちら。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第一番ヘ長調
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト長調

横山真男:弦楽四重奏とハミングのための黄金比

 

上の2曲は何の説明もいりませんよね。

 

私の今回の新曲は、チャンスオペレーション+マルチメディアによる作品。

仕掛けの概要は、

Processingでプログラミングした映像が1秒ごとに日付をカウントアップしていきます。

1月1日から12月31日まで。

カルテット奏者は黄金比のハーモニーをある指定の範囲内でアドリブで演奏。

CGは月ごとに季節の抽象的な模様を描く。

聴衆は自分の誕生日になったら、黄金比のピッチをハミング。

だんだん黄金比のハーモニーが増大していくというわけです。

Qurtor b. 弦楽四重奏の演奏会
2018/2/24,sat. 14:00~
杉並公会堂小ホール...
violin:平尾和香、竹林幸、viola:伊東杏子、cello:横山真男
全席自由2000円。

 


どんな、音楽になるかな!