最近、クレモナに泊まるときにどこがよい?って聞かれますので、

おすすめというか、ここあたりが良いんではというホテルを挙げておきます。

観光するならやはりアクセスがよくて、日本人が泊ってもある程度英語が

通じるところが良いですよね。安いB&Bもありますが、駅から離れたりしてタクシーとか

使うのも大変だし・・・そもそもがそんなに高いホテルはないです(笑)

※リンク先はBookingです。特に意図はなしです。

 

クレモナ デッレ アルティ ホテル Cremona Hotels Dellearti Design

近代的でおしゃれです。四つ星。ドゥオーモの裏で、目立たない小さいところですが、バイオリンのオブジェが目印。

 

ホテルズ インペロ Cremona Hotels Impero 

ここが四つ星で一番良いホテル(らしい)。ガイドブックにも載っている。ストラディバリ広場の裏。

 

ホテルドゥオモ Hotel Duomo

アクセスとリーズナブルなところ。設備は上に比べればやや劣るが下にレストランもある。

 

 

ホテルアストリア Hoterl Astoria

ここもアクセスとリーズナブルさなら。(泊ったことないので英語がどこまで通じるかは不明です)

 

ガイドブックにはコンチネンタルホテルもでてきますが、駅からも中心地からも遠いので

スーツケースある場合はちょっと大変です。

 

ちょっと長めに滞在するなら、スーパーでお買い物したくなるかと。

コンビニはもちろんありません!

カルフール(Carrefour)が24時間営業しています。ただし夜はリュックは持ち込めない、酒類は時間制限あり。

他にも小さいスーパーはありますが、旅行者的にはここがよいかと

 

あと、イタリアと言えばジェラート!

現地の友達の間でよく行くところは何件かあるのですが、2店ほど人気店を載せておきます。

どちらも中心地ローマ広場Piazza Romaです。

Emilia Cremeria クリーム屋さん。コーンの中にもチョコクリームをいれてます。

Gelateria XXV aprile cremona ここもよく人がいます。

夜遅くまで開いていて飲んだ後の「〆めのジェラート!」 

〆のラーメン店はないかも、というかどこにもありそうな中華店がないんです。日本食の方が多い。

 

あと、人気のピザ屋さんPizzeriaは、ペンドラが一番ですかね。便利さと味ではチョカベックもよく行きます。

Pendla 町の中心から外れますが、いつも並んでます。地元の人もお勧め。19時くらいにオープンするのでそのタイミングを狙って。

Chocabeck Stradivari像のある広場で広い。Chocabeckというお店の名前のついたピザ(アーティチョークがのってる)がお勧め。

Pomodoro ここもよいとのこと。

 

下に地図を載せました!ご参考にどうぞ。

 

ヴァイオリン博物館に常駐しつつ、時折、研究や製作の紹介をするブログ。頑張っています。。。

クレモナはアマティ、ストラディバリ、グァルネリ、ストリオーニ、サッコーニといった過去の巨匠をリスペクトした製作学校があります。

街には世界各国から来た学生が沢山住んでいます。


国立の専門学校であるクレモナ国際弦楽器製作学校(IPIALL)がよく知られていますが、
実はもう一つ製作を学ぶ学校がありAcademia Cremonensisという私立の学校があります。


Academia Cremonensis
http://www.academiacremonensis.it/


先日、この学校で弓を教えている日本人マエストロに会いにお邪魔してきました。


 天井が素敵! 昔の壁画がそのまま残っている

堤氏は日本で学んだあとクレモナでヴァイオリン製作を学び多くの受賞歴もある方で
なんと楽弓製作もするという珍しい二刀流のマエストロです。

IPIALLは、いわゆる日本的な高校や専門学校のように課程教育で、イタリア語や数学、物理から体育まで楽器以外の授業も取らなければ卒業できません。

一方、Academia Cremonensisでは、単純に製作だけを専門的に学ぶということになっています。
コースも2年間で楽器製作のみという点が大きく違い、短期間でクレモナで学んだという実績が欲しい人、すでにどこかで製作を学んだ人、IPALLで学んでさらに勉強する人などがいるそうです。


IPIALLが5年(!、単位組み込みや飛び級もありますが)もかかるのに対するとかなり違いますね。ちなみに私がかつてヴァイオリン製作を学んでいた時は、どちらの学校にも入らず直接工房に弟子入りをしていました。日本で大体学んだ後でしたので。


さて、弓の製作についてですが、ヴァイオリンの製作をやっていると弓も作るのか?とよく聞かれます。

まったく違う仕事であり、両方やる人はかなり少ないです。
もちろん、毛替えとか多少のメンテナンスは工房の経営や収益の点から(!?)しますが、一から作るとなると話は別です。

堤さんによると、やはり考え方や微妙な性質が弓作りにはあって、ヴァイオリンづくりとはまた違って面白いとか。

ヴァイオリン以上に、素材の良さが音を決める割合が高く、7-8割は材料のペルナンブーコの木の材質が良しあしを決めてしまうとのことです。どんなに名人でも木がだめだと、どうしようもないということですね。


ということで、堤さんも材料の科学的計測を当然やっているということで、
比重、ヤング率、内部音速を測り適正値を使うとのことです。


音速やヤング率(ここでは縦弾性係数、曲げ弾性ではなく)はルッキメーター(Lucchi Meter)で測ることができます。このルッキメーターは、クレモナの弓作りの祖に当たるGiovanni Lucchiが開発したもので、比較的手軽に内部音速が測れる、多くの製作に携わる人が使っています。
(このルッキメーターとLucchiさんについては次回のブログで!)


この学校の見学も最初はほんのご挨拶のつもりが、いろいろと聞いているうちに長話になってしまいました。
(堤さん、ご親切にどうもありがとうございました!)




クレモナ研究生活で、少しずつ分かってきたことや、勉強していることを書き始めてます。

難しくなく、なるべく専門用語も平易な表現に・・・がんばります。


では。

クレモナの博物館にはミラノ工科大とパヴィア大学の2チームが常駐しています。

今回はミラノ工科大のヴァイオリンの研究について論文をベースに簡単にまとめてみました。


ミラノ工科大では博物館の所蔵ヴァイオリンの音響研究を主に携わってきています。
音響学というと、楽器の振動から、楽器の音色であるとか、楽器から放出される音の広がり、
そしてホール内の反射、人間の聴覚や認知まで、比較的幅の広い分野に渡ります。

ヴァイオリンの音は次のような手順で私たちに伝わります。

1.楽器の弦が弓の毛で擦られ、エネルギーが与えられる

2.本体が振動・共鳴する

3.周辺の空気に圧力変動が生じて

4.耳の鼓膜を揺らし、聴覚神経細胞を通って脳で知覚する


さて、ミラノ工科大の教授のSartiとAntonacciのチームではコンピュータの力を借りてこれらの実験と分析を行っています。


 

ミーティングルームにて(中央右Sarti氏、左端Maragodi氏、右端は日本人の製作家永石氏)

# 活動の全体はこちらのHPに紹介されています(英語)。
http://www.museodelviolino.org/en/laboratori-scientifici/laboratorio-di-acustica-musicale/

# このリンク先の写真などを見ながら以下の話を読む方が分かりやすいと思います。


■Vibrometric Analysis

楽器の振動解析では、サンプルとなる楽器を3Dスキャンして立体データを取得し、それを有限要素法(FEM)という手法で固有振動をシミュレーションします。

固有振動を調べることで、物体がどの周波数で振動すると共鳴現象が起きるかを知ることができます。

http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.709.1874&rep=rep1&type=pdf


昔の研究ではクラドニ法といって楽器の表板や裏板をはがして裏側に小さな粒子を置いて
そのパターンで振動モードを測定していました。しかし、博物館にあるような文化財・芸術品といった扱いのヴァイオリンは、分解して計測することはできません。


そのため楽器にダメージを与えることなく(非侵襲的といいます)、データを得てそれをコンピュータで解析することが最近の常套手段となっています。

現在は演奏による変形を考慮した分析や、さらにマイクをたくさん並べて(アレイマイク)録音し、
その音源から逆に楽器の振動がどうであったかを求める手法を検討しています。


■Acoustic radiance analysis

楽器から出た音が、どのように放射されているかも分析しています。

http://home.deib.polimi.it/tubaro/Conferences/mucci2015.pdf

放射の分析をするには、楽器の前に格子状に沢山置かれたマイクで録音し、コンピュータを使って行います。どの方向にどの周波数がどれだけの強さで放出したかが計測できます。
学会での発表の資料によると、低い音域では全体的に広がる傾向や、高い音域ではある方向に強く出る(指向性がある)ことや、同じ製作者では似ている傾向がある(まだ、かもしれないというレベル)、といったことなどが分かってきたそうです。


# この実験では、いろんな方向を向いていろいろと弾いて録音されたとか(^^♪ ビブラートをかけたり、スタッカートにしたりといろんな奏法を試したので、より実際の演奏に近い音響を測定していることも特徴でしょう。


■Timbral analysis

物理的な振動や音波を計測したとして、その音響情報が私たちの知覚として、どのように脳で処理されるのでしょうか?

ここが、楽器の音色の印象にかかわることで、これがほわっとした領域で、なかなか確定的なことが結論付けにくいことでもあります。本当は大量のデータで統計的に処理されるべきなのですが、楽器の音色研究においては、サンプル数が少なく、いつも困るところです。

認知科学の分野として、音響情報と音色の関連(相関)を付けようという試みをしています。

https://home.deib.polimi.it/setragno/files/EUSIPCO2015.pdf

http://home.deib.polimi.it/setragno/files/AES2015.pdf


これらの3つがミラノ工科大の大きな柱となっているようで、関連する研究がいくつか学会等で発表されています。




「Mittenwald Competition of Violin Making」
ミッテンヴァルトでは、4年に一度、ヴァイオリン製作のコンクールが開かれます。
私、今年(2018年)初めて表彰式と受賞楽器によるコンサートを見てきました。

今住んでいるイタリアのクレモナから、延々と電車で9時間もかけてようやく到着(^^;


ミッテンヴァルトはほんとうに小さい街なので、
かわいらしいフレスコ画で飾られた建物のならぶメインストリートも
製作学校や博物館も、こじんまりとまとまっていて、ほんとに田舎の小さな村です。

 

イベント会場は、街行く人に聞かないとどこでやってるのかわからないくらいでした。
横断幕や看板もまったくなく、一見普通のお宅のようなたたずまいの建物をのぞいて、

「あのー、コンクール会場はここですか?」

と確認しなきゃ分かりませんでした。




コンサートでは、受賞者による楽器をつかって、ドホナーニやシューベルトのトリオ、ヒンデミットやバッハのソロが演奏されました。ドイツやハンガリーの音大の先生たちの演奏であり、楽器も会場の響きの良さもあって大変よいサウンドになっていました。


コンサートの最後に表彰式があり、今年はヴァイオリンとチェロが日本人によって1位を取るという快挙でした。

ヴァイオリンの1位はKaneko Yujiさん、チェロの1位はNagaishi Hayatoさん。どちらもクレモナで活躍している製作者です。
(とくにチェロで優勝した永石さんは古くからの友人なので個人的にも喜ばしいことだった)

そして、チェロはアジア人が3位まで独占という、最近のアジア勢の活躍がみられる結果となりました。
また、上位陣をみるとやはりクレモナで活躍・勉強したという人が多く、いまのヨーロッパの状況を反映しているようです。(アメリカからの参加者は見られなかった)。





表彰式&コンサートの翌日から、町中の小学校で展示会がひらかれました。
(これまた特に案内もなくひっそりとしているので、これまた知らないとわからない状況はどうなのか…)
出品者の全作品が陳列されています。もう少し位置が低い方がスクロール(アタマの渦巻きのところ)が
みれるのになぁ・・・あと、ちょっと照明が足りない気が。
そんなこんなを思いながらも全作品を眺めてきました。

何人かの製作者にも話も聞くことができましたが、日曜にもかかわらず全体的に人はまばらで、クレモナのトリエンナーレのような華やかな感じではないのは土地柄なのかどうか・・・

少々心配なところでした。


====




さて、番外編ですが、この町の名物はヴァイオリンだけでなく登山もあるそうで、
町を見下ろすようにすぐそばにKarwendelという巨大な岩山があります。

2000メートルを超える頂上から、南ドイツのアルプスが見られる絶景スポットです。
「天気が良ければ」是非いかれるのをお勧めします!
#駅の反対側に10分ほど歩いていくと、ゴンドラ乗り場があります。
9:00-16:30、30分おきくらいにゴンドラが行き来します。
約29ユーロ、デポジットが3ユーロくらいで、帰りに返してもらうのを忘れずに…
頂上に上がると少しカルデラを散策でき、切り立った断崖から街を見下せます。
http://www.karwendelbahn.de/page/en/about_us/operating_time___fares


さらにおまけの情報!

コンダート後に寄ったレストラン。




ミュンヘンのビールPraunerが目印のバイエルン料理のお店。
民族衣装の店員さんがいてちょっとしたローカルなビアガーデン気分が楽しめます。
メニューは言語がごちゃごちゃしてて、ちょっとわかりにくいので気軽に店員に聞いた方が良いかも。

以上、交通の便も悪くなくミュンヘン、インスブルックからも日帰りで十分楽しめる街でした。
お時間ありましたら、一度のんびり訪ねてみるとよい街です。

オペラの名曲を弦楽四重奏で弾きたい。


そんな要望は往々にしてありますが、わたしもその一人でして、

いいなーと思ったら、自分の演奏会などのアンコール用にちゃっちゃっと編曲します。


そのときに、気にしているのは元のオペラの雰囲気をなるべく残したいという点。

妙に短く簡単になったり、必要以上に凝った難しいのにアレンジするのは好きではないなあと。

すでに完成された名曲ですから、

もうそれ以上にも以下にもならないように・・・

だから、弦の部分はオリジナルのスコアから使うことにして、

歌の部分をどう配置するか、管楽器で残したいのはどうするか、

そのあたりをポイントにしています。


さて。
昨年秋に依頼のあって編曲したプッチーニ「ある晴れた日に」弦カル版。
下記のリンクは、その依頼となったコンサートで、ウィーン弦楽四重奏団の演奏です。
あたりまえですが、いい演奏だ。オペラを知り尽くした方たちですから。
主題ももちろん素敵ですが、中間部がまたいいんですよ。
そしてクライマックスに受け渡すトランジションの箇所!
 
リンクを知っている人ののみの限定公開です。やはり全曲は載せられなく、縮小版です。
某名プロデューサが舞台裏から取っていただいたのを頂戴して、許可をいただきました。
音質は携帯のマイクなのでご勘弁を!
 
https://youtu.be/eB3NgqAjfIw