こんにちは吉田昌生です。

先日いただいた質問の続きです。

読んだ方はとばしてください。
名前だけ伏せて、そのまんま引用しますね。


ーーー 引用スタート ーーー



本の分かりやすさに感動し、
いつもメールやブログ、動画も拝見しています。
どれも分かりやすくとても参考になります。
温かな文章にも癒されています。

今回はご相談したいことがあり、メールをしました。

私は、7月からマインドフルネス瞑想を始めて4か月弱になります。

瞑想は最低でも5分、長ければ20分、
毎日欠かさず続けています。


最近は10分~15分程度になりました。

最初の頃は、雑念がポツポツ湧きつつもそこそこ集中できていて、
瞑想後はほんの少しだけ頭がスッキリしたような気分になれていました。

が・・・
2か月、3か月と続けていくうちに、
雑念が止まらなくなってきてしまいました…。

今日の夕食は何にしよう?とか
今度はどんな映画を観よう?とか
友達へのメールの返信を考えたりだとか、
ブログを書いているので、ブログで何を書こうとか…。

瞑想中も、ふとした時も、たくさん思考しています。



でもネガティブな感情に囚われることはあまりなく、
とにかく『雑念』が多いんです…。


もしかしたら私の脳は、考えること=楽しいこと
と認識していて(実際考えることは楽しいです)、
そこからなかなか抜け出せないんじゃないか、
なんて想像しているのですが…。


普段はある程度は仕方ないにしても、
瞑想中にもとりとめなく湧いてくるので苦労しています。

気づいたら思考していて、
ああ、また考えてる…
と気づくのに時間がかかることもしばしば…。


瞑想と同じ時期に始めたヨガの最中にも、集中できず困っています。

はじめのひと月~ふた月は呼吸に集中できていて、
それなりに受け流せていたのに…。

吉田先生のCDをかけてやったり、
何も聞かずにひとりでやったりしてみたり

木の葉が流れるイメージをしてみたりしていますが、
結果はあまり変わらず…。



これでマインドフルネスになれるのだろうか…
とちょっと不安です。




そもそも私が瞑想を始めたのは、
現在身体の調子が悪く、それを治したいと思ったからです。
身体のだるさやフラっとする感じが辛く、通院しています。

自律神経が崩れやすいんじゃないか

と医師に言われて、マインドフルネスを紹介され、
吉田先生の本を手に取ったのが始めるきっかけでした。

瞑想に何かを求めてはいけない

と聞くので、

瞑想で体調不良を治すぞ!

とは思わないようにしているのですが、
このまま雑念に囚われたまま続けていてもいいのかなあ、
どうにかできないかなあ、
と思って、吉田先生にご相談することにしました。

本当は吉田先生のようなプロの方のスタジオなどに行けたらいいのでしょうが
体調のせいでそういうこともできず…

もし何かアドバイスのようなものがあれば、
教えて頂ければと思ってメールを書きました。

よろしければ回答頂けると嬉しいです。
これからも応援しています。


ーーー 引用終わり ーーー


ご質問ありがとうござます。
まずこのメールを拝見して私が感じたことは、

瞑想を毎日、10分~15分、
4か月も続けれるなんて凄いことだと思いますので、
まずはそんなご自分を褒めていただきたいと思います。

思考が湧くことは自然なこと
べつに悪いことではありません。

私も雑念がたくさん湧いてきます。


大切なのは気づくこと。
自分が何を考えているのか自覚すること。

そして、次に大切なのが、
考えてたことをジャッジしないことです。

そのように悩まれるのは、
ご自分の心と真剣に向き合っている証拠です。


内側を観察する習慣がなければ、
自分が何をどれくらい考えているすら気づいていません。
きっと、これまで人生でも雑念はたくさん湧いていたはずです。


瞑想で、自分が今何を考えているのか?
という視点を持つようになって初めて、

「雑念が多い」

ということに気づくことができます。

もしかしたら、瞑想が深まってきたから
雑念が増えたように感じるのかもしれません。


文面から察するに、
ご自分の思考の内容について
ちゃんと自覚できている様子ですので、
その調子で続けていただけたらと思います。



人の進化は螺旋状に成長すると言われます。


何かを続けようとすると、
必ず中だるみ期間が訪れます。


人間には、現状を維持する働き(ホメオスタシス)があるので、
つぎのステージに行く前の準備期間として、
停滞する(もしくは落ち込む)時期があるようです。

それは成長のプロセスです。
ここを抜けると、一気に開けてくると思いますよ。



この調子で続けていけば問題ないので、
とくに言うことはありませんが、、、

一つアドバイスをするとしたら、
気づきは遅くても構わないということです。


仮に10分妄想していたとしても、
それに気づいた時点で喜ぶようにしてください。
気づいた時点で、褒めてください。

どれだけ遅くてもいいので、
思考していた自分をジャッジしないようにしましょう。
(さらに言うと、ジャッジしていたことをジャッジしないようにします。)


それを踏まえた上で、、、
気づく段階は、大きく分けて3つあります。
気づきの速度で分類します。

ーーーーーーーーーーーー

ステップ1
思い、想念が湧いてくる瞬間の気づき。
言葉になる前のイメージに対して気づく段階。

瞑想状態(禅定、ディヤーナ)がおとずれて、
極度に集中が深まると、この段階で気づくことができます。


ステップ2
まとまった思考になった状態での気づき。
言葉が浮かんで文章になった状態。
例えば、「ブログ何を書こうかなぁ、、、」など


ステップ3
数分間、あるいはもっと考えた段階での気づき。
言葉が浮かんで、あーでもないこーでもないと
頭の中で無意識の会話が繰り広げられている状態。
例えば、ブログの文章を練りこんでいた時など


ーーーーーーーーーーーー



だいたいこんな感じです。


そりゃ、できるだけ早いほうがいいです。
なるべく早く気づいて手放すことは大切です。

でもそれ以上に、気付けなかったとしてもジャッジしないことが大切です。



特に、自分を責めるのが癖になっている人や、
完璧主義の傾向が有る人は、、、


ついつい、

「自分は、まだまだだ~」

と思ってしまいます。


ステップ3でもいいんです。

気づきは気づき。
もしも、自分の気づきの遅さをジャッジしてしまうなら、



「やった!気づいた!」


と、祝福するくらいでバランスがとれます。
そして、淡々と注意の対象に戻していくようにしましょう。
以上、気づきの段階についてお伝えしました。



~ 瞑想は筋トレ、続けることで変わる ~


これまでたくさんの方のセッションをさせて頂きましたが、
瞑想を実践している人は、どんどん気楽になっていきます。

そして、内面が掃除されることで、
周囲の状況も変化していくみたいです。


でも、残念ながら、
実践していない方とはこの変化を共有できません。
本人の真剣さ、継続的な地味な努力がどうしても必要です。


それは、いくら筋トレのやり方を教えても、
実際に筋トレしないと体は変わらないのと同じです。



例えば、柔術では、地味な型を繰り替えします。
繰り返し、繰り返し、型を練習していくはずです。

いくら本などで相手の攻撃のかわし方を読んで知っていても、
自分で繰り返し型を練習しないと実践で使えませんよね。


敵が来たら、相手の腕を掴んでこっちに引っ張って、
こう受け身をとりましょう、といった類の知識を頭で理解するのと、
それが実践レベルで自然にできるのとは別のものです。


その技が、日常生活で自然と、
使えるようになるには訓練が必要です。



そんな実践を続けている人は、
日常生活で、敵に囲まれたとしても、
フッと、かわすことができるはずです。


イカつい黒人にナイフを突きつけられても、
それをかわして逃げ切ることができるでしょう。


そして、、、


「柔術をやっていてよかった、助かった。」


と思うでしょう。

その時、


「あの地味な型には意味があった。」


と気づくかもしれません。



瞑想も、ある意味、
柔術で敵の攻撃をかわす練習をしているのと同じです。
(ただかわすのは、自分の頭の中の声なだけ、、、)



「思考を手放す」という型を練習しているのです。


これは柔道や剣道などの基本の型以上に地味です。


しかも瞑想で脳の構造が変わるのは、3ヶ月、
人の思考のくせが変わるのは、6ヶ月間と言われたりします。



ただし、、、

その効果は科学的にも証明されています。
海外で行われたある実験では、瞑想をしている人22人と
同じ年代の瞑想をしていない人22人の脳を比較しました。


すると、瞑想をしている人の方が
集中力、感情の抑制、頭の柔軟性を司る脳の領域が活性化したそうです。


つまり、瞑想を実践することで、
集中力が高まり、感情をコントロールしやすくなり、
落ち着いた判断ができるようになったというわけです。


より具体的な動画はこちらもおすすめです。
『瞑想で脳が変わる | サラ・ラザー | TEDxCambridge』
→http://amara.org/es/videos/g1kvIMSXPR3g/ja/830284/





多くの現代人が思考中毒です。
私自身、思考中毒で苦しみました。

考えてもしょうがないことを考え続けたり、
自分を疲れされるような、自信をなくすうような思考の癖がありました。

そのような考え癖があると、
ストレスを感じ、心と体のバランスを崩します。



そもそも、

湧いてきた思考を手放せない、
後回しできない、、
考えたくないことを考え続けてしまう、、、

というのは思考に乗っ取られている状態、
思考中毒の状態になっていると言えます。

すると、体も緊張し、固くなります。

自分と世界が切り離された感覚になります。


善か悪か、正しいか間違っているかに分けるようになり、
自分や他人を裁判官のように裁き続けます。


このような不幸の連鎖を断ち切るには、
マインドフルネスの実践がとても有効です。


思考を手放す練習をすることで、
絶え間なく無意識に繰り返される思考から
自分を切り離すことができるようになります。


自分を責める思考が減り、
ストレスが劇的に軽減されます。

そして、自分の直感、ワクワク、感動、
平和、愛、歓喜、至福とつながりやすくなります。


ぜひその調子で続けて頂ければ、
必ず変化を実感できるはずです。

心から応援しています。
ご質問ありがとうござました!


<YOGAや瞑想を学びたい方へ おすすめの講座>

■ 『アーサナから、心から深めるマインドフルネス瞑想』
11月23日(月/祝日)13:15~16:15 @新宿マイスタジオ4A
参加費:6000円
→ http://chieyoga-anantam.com/archives/534

三時間の濃ゆい時間になりそうです。
知識と実感を深めるWS


■ 『年末特別企画 108回太陽礼拝WS』
12月20日(日曜)午前 9:00 ~ 12:00 @真鶴
参加費:4000円
→ http://ameblo.jp/masaonoblog/entry-12094382382.html

太陽礼拝を108回おこなうことで、
2015年の心の汚れを浄化し、無色透明にする!
そんな年末だけのスペシャルイベントです。


<吉田昌生と行く!インド瞑想の旅>
■ インドリトリートの詳細
2016年3月19日(土)~3月26日(土)
インドに呼ばれているかもって思った人はこちら
→ http://masaoy.com/INDIA-MASAOYOGA.pdf



~編集後記~

先日、「ビューティフルマインド」という映画を再び見ました。
ノーベル賞をとった数学の博士の話です。

彼は世紀の大天才だったのですが、
大学時代から頭の中の妄想に支配されるようになります。

最初はそれが妄想であることも気づいてません。

次第と、思考と現実の間に距離がなくなり、
架空の物語や存在しない人たちが見えはじめます。

最終的には、
自分の妄想とうまく付き合いながら、
周囲の人と、現実社会とうまく付き合えるようになります。

最後の妻に対する感謝の言葉に感動して泣きました。

今日のテーマとつながると思ったので紹介しました。


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ありがとうございました。