こんにちは、吉田昌生です。


今日は、マインドフルネス瞑想のベースにある
ヴィパッサナー瞑想を紹介しますね。


これは、 ブッダが悟ったと言われる瞑想法で、
「気づきの瞑想」、「観察瞑想」とも言われます。


ブッダは、

「あるがままの事象が直接体験されるとき、一切の苦悩から解放される」

と説いてます。



原始仏教では、

「苦しみの原因は無知(無明)にある」

と教えます。


無知(無明)のことを、
別の言葉で表現すると、、、


・自動操縦状態

・マインドレスネスな状態

・法(現象)と概念を混同した状態

と、言い換えることができるかもしれません。



瞑想で、

「事実をありのままに観ること(如実知見)」

によって、

「法(現象)と概念とを明確に識別すること」

ができるようになり、
心が浄化され、智慧や洞察が生まれると説きます。



まとめると、
ビパッサナー瞑想とは、
「現実をありのままに観る練習」です。


これを実践することによって、
「リアルな現実(法)と、頭の中の「妄想」とを分けること」ができるようになります。


それに比例して、
偏った、歪んだモノの見方が改善され、
根っこにある苦しみやストレスが軽減され、
心がきれいになり、智慧が生まれるというわけです。




ちなみに、第3世代の認知療法の1つに、
「マインドフルネス認知療法」がありますが、
この心理療法は、この考え方がベースになってます。


うつの原因となる否定的な考え、
行動を繰り返(自動操縦)さないようにするために
瞑想で、「気づき」や、「注意のコントロール力」を鍛えていきます。


「気づく力」や「洞察」が深まることで、
認知(モノ事の捉え方の癖)のシステムが変わり、
うつや過剰なストレスを軽減させ、心の病を癒すと考えられています。



原始仏教では、この認知のプロセスを
より細かく分類し、説明しています。



仏教における認知のプロセスについて
「ブッダの瞑想法 ヴィパッサナー瞑想の理論と実践」
地橋 秀雄著 より参照します。



...

...

...





六 境:
色、声、音、香、味、触、法
… 知覚対象


 ↓


六 門:
眼門、耳門、鼻門、舌門、身門、意門
… 感覚器官


 ↓


六 識:
眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識
… 認識能力


 ↓


 受


 ↓


 想 (知覚)


 ↓


 尋 (絞り込み)


 ↓


 反 応



です。



...


この現象が認知される流れが
あまりに早すぎるので、、、

現実と、頭の中の思考や
イメージとが混同されてしまい
無知につながっていると考えられます。


かなり専門的な仏教用語がでてきているので、
より分かりやすく解説しますね。


この流れを、より噛み砕いて
四つのプロセスで分類されたものをご紹介します。


「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門」より引用


 ===引用スタート===




ブッダは心を観察して、
心が意識・知覚・感覚・反応という
四つのプロセスから成り立っていることを発見した。




第一の心のプロセス『意識』:
意識は心のアンテナのようなもの。
察知し入力信号をとらえる。
判断を加えずに、起こった生のデータを受信する。




第ニの心のプロセス『知覚』:
知覚は意識が捉えたものを読み取る作業を行う。
データをチェックし、えりわけ、分類する。




第三の心のプロセス『感覚』:
入力信号が識別されるでは感覚がはっきりしない。
データが識別され価値判断が下されたとき、
それに応じて快不快の感覚が生まれる。




第四の心のプロセス『反応』:
感覚が心地よければ長引かせ、強めようとする。
感覚が不快であれば取り除こうとする。
こころは好き嫌いという形で反応する。




 ===引用終わり===



「この四つの心の働きは
物質を作る微粒子よりスピードが速い」

と言われています。


まさに電光石火です。


私たちは、何かを見た瞬間、触れた瞬間に、
このような反応が即座に湧いてきます。



まず、アンテナのように、入力信号をとらえます。
感覚を受信した瞬間に、すぐに判断が起こります。




以下の3種類に分けられます。


・「苦受(くじゅ)」 = 不快


・「楽受(らくじゅ)」 = 快


・「不苦不楽受(ふくふらくじゅ)」
= 快でも不快でもない感覚


です。



そして、


「快」と判断したら、
「渇望」が生まれます。


「不快」と判断したら、
「嫌悪」が生まれます。


この2つをあわせて「執着」と呼びます。



そして、この「執着」が
「苦」を生む原因になっていると、仏教では説きます。



「もっと得たい!このままがいい!!」

といったような、 心地いいものを得よう持続させようとする「渇望」も、



「こんなの嫌だ!味わいたくない!!」

といったような、 不快なものを避けようとする「嫌悪」も、


その欲求の方向性によって、
現実に抵抗し、緊張やストレスなどが生まれると言います。



だから、
快、不快をジャッジせず、
あるがままを観察し続けていくことを実践し、


「全ての現象は変化している(諸行無常)」

という真実を悟ることで、
根本の苦しみから解放されると言う訳です。



まぁ個人的には、
完全な「悟り」に至らなくても、
その恩恵を充分に得る事ができると思います。


自分の感情や、捉え方の癖、
「認知の歪み」等に気づくだけでも、
「苦しみ」から解放され、穏やかになります。


...


ちなみに、私の本では、
まず姿勢と呼吸を調整することで、

瞑想で心の働きを静めていき、
集中した状態をつくります。


そうすることで、
通常は、速すぎて気付くことがない、
自分の心の働きを観察しやすくなるからです。


...



上記で紹介した
ブッダが教える反応のプロセスに照らし合わせると、
「気づき」にも様々な段階があることが分かります。



認知のプロセス、心の反応は、
まるで扇風機の羽のようです。


扇風機の羽って、なんとなくみてたら、
動きが速いので、どうなっているのか分かりませんが、
じ~っとみたら、何枚かのファンが回っていることが分かります。




五感で受信した瞬間の、純粋な「気づき」、



心地のいい感覚、不快な感覚に対する「気づき」、



その感覚を、受信して、
脳内編集したときに生じる
思いやイメージに対する「気づき」、



その思考から生まれる感情や行動に対する「気づき」、




などなど。


...


瞑想の達人クラスになると、
瞬間、瞬間、最速で気づけるのかもしれませんが、、、


どこの段階であったとしても、
このような小さな「気づき」を繰り替えすことで、

「無意識」が「意識化」されて、
過去からに条件付けや、反応パターンから
少しずつ、自由になることができます。



頭の中に充満している
思いやイメ-ジの連鎖が止まると、

思考とは別次元の直感や、智慧がひらめきやすくなり、

物事がありのままに観えてくることで、
自分の価値観にあった正しい行動が取れるようになっていくはずです。




私自身も、まだまだ実践中ですが、
この奥の深さと、これからの変化に、とてもワクワクしています。

(だからか、マインドフルネス瞑想「入門」という
タイトルにも関わらず、気づくと、マニアックな話になってますが、、、)



以上、
最後まで読んで下さり
ありがとうございました!



「マインドフルネス瞑想」
についての関連記事はこちらです。

前半 / 自分の心を見る方法
→ http://ameblo.jp/masaonoblog/entry-11992036591.html



後半 / 根っこにあるネガティブな感情の消し方
→ http://ameblo.jp/masaonoblog/entry-11992040671.html




追記


「考えない練習」の小池さんの動画を見ていたら、
私がWSでお伝えしたことと、かなり似ていたのでシェアさせて頂きます。


「座禅瞑想のすすめ」
https://www.youtube.com/watch?v=sVv2fpaI9Rs


マインドフルネスに関して分かりやすく解説されています。
五十分のラジオ番組ですので、時間があったらどうぞ。


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