2024.5.17一日一季語 新茶(しんちゃ《しんちや》) 【夏―生活―初夏】

 

新茶の香宇治十帖を巡りたり    金田美恵子

 

日本茶に関する知られた歌で「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」というものがある。静岡茶、宇治茶、狭山茶の3つのお茶のことを日本三大銘茶として広く知られている。

この句の香りへの注目は、新茶の特徴が表されている。

*2024.5.15  狭山茶の産地にて

 

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【傍題季語】

走り茶(はしりちゃ《はしりちや》) 古茶(こちゃ《こちや》)

 

 

【季語の説明】

新茶とは、その年の最初に摘み取られた茶葉の新芽を使ったお茶のこと。

日本茶の摘み取り時期は年4回ほだが、新茶は4月下旬~5月下旬頃にかけて最初に摘み取られる新芽。香気と味のよさで珍重される。新茶が出回ると、前年の茶は古茶となる。

 

 

【例句】

それとなく淹れし新茶でありしかな  稲畑汀子

日輪と新茶の小さき壺一つ      成田千空

小袋に針音頒つ新茶かな       渡辺昭

新茶もて切り出す話やんわりと    瀬口ゆみ子

水軍の割れたる茶臼古茶渋き     松本恒子

 

 

【由来】

走り新茶とは八十八夜(5月の1日〜2日)を迎えるより前に収穫した新芽の新茶。初物(はつもの)のお茶。

「初物」が「はしり」とも言われるのには訳があります。

日本では旬をさらに3つに分け、「はしりもの」「さかりもの」「なごりもの」と、その時時の3つの味わいを楽しんできました。

旬の先駆けが正に「はしり」。

早場所で日当たりが良い畑であることが「走り(はしり)新茶」には必須です。

さらに「手摘み」であること。

「手摘み」は、新芽を目で確認しながら人の手で摘むので、古葉や茎の混入がほとんど無く、大きさが均一に揃った生葉を摘採できます。

走り茶については、日本で一番最初に収穫の出来た、九州の地のお茶、走りをさすという説もあるようだ。

 

今日は何の日

生命・きずなの日

臓器提供したドナーの家族で作る「日本ドナー家族クラブ」が2002(平成14)年に制定。

5月は新緑の候で生命の萌え立つ季節であることから、17日は十(とお)七(なな)で「ドナー」の語呂合せ。

 

お茶漬けの日

永谷園が2012年に制定。

煎茶の創始者であり、永谷園創業者の先祖である永谷宗七郎の命日。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)