2021.4.20  一日一季語 春の空(はるのそら  【春―天文―三春】

 

農継いでひとりに余る春の空        川野忠夫

 

ウェザーニューズの解説によれば、霞(かすみ)が起こる原因について、大気中の水蒸気やチリ・ホコリが高気圧の下降気流に押され、地上付近で層となって太陽光を散乱させることから、空が霞んで見えるのだという。

そして、霞や霧は、大気中の水分が植物の蒸散が活発化するなどの要因によって増え、気温の低下などによって微粒子状(細かい水滴)となり、目に見える状態になる。

「植物の蒸散」とは、植物から水分が蒸発して大気中に放出される現象。春になると植物が一斉に芽吹くので、そこから蒸発する水分量も多くなるのかもしれません。

そんな、農との関連まで、感じさせてくれる一句でしょう。

 

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*2021.4.  羽村市にて

 

【傍題季語】

春空(はるぞら) 春天(しゅんてん《しゆんてん》)

 

【季語の説明】

秋の空は青く寒々と澄み切っているのに対し、春の空はどこか白くかすんでいますが、これは春になると南の方から暖かい空気が流れ込み、空気中の水蒸気の量が増えることによります。

秋の澄み切った空に対して、春の空は全天がうっすらと曇る花曇りの日が多いですが、曇ってはいても冬と違って明るく感じられます。

 

【例句】

春の天全身情をみなぎらす     飯田蛇笏

山鳩の鳴きいづるなり春の空        松村蒼石

春空に身一つ容るゝだけの塔        中村草田男

純白の産着干しあり春の空          中山一路

見上げれば誰にでもある春の空      久保壽子

 

 

【村上春樹】

春は霞と言うように 春の空はぼんやりと 霞んで見えるのが特徴です

空には雲ひとつない。それでいて全体がぼんやりとした春特有の不透明なヴェールに被われていた。その捉えどころのないヴェールの上から、空の青が少しずつ滲み込もうとしていた。日の光は細かな埃のように音も無く大気の中を降り、そして誰に気取られることもなく地表に積った。

村上春樹 / 1973年のピンボールより引用

 

 

今日は何の日

百間忌,百鬼園忌,木蓮忌

小説家・随筆家の内田百間の1971年の忌日。

百間のペンネームは幼い頃に遊んだ百間川に因み、また「借金」の語呂合せから百鬼園とも名乗っていた。

東京中野区金剛寺の句碑木蓮や塀の外吹く俄風から木蓮忌とも呼ばれる。

 

郵政記念日

明治4年(1871年)に郵便制度が実施されたのを記念し、昭和9年(1934年)に「郵政記念日」として定められた。

 

女子大の日

1901年に日本で初めての女子大学、日本女子大学校(日本女子大学)が開校した日にちなんで設けられた記念日である。

 

青年海外協力隊の日

1965年、青年海外協力隊(JOCV)が発足した。現在も、多くの人々がボランティアとして広く活躍している。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)