2019.01.27
一日一季語 春近し(はるちかし) 【冬―時候―晩冬】
柴又に飴切る音や春近し 塩田博久
*川崎大師の参道 2019年1月
柴又の飴切りは、環境庁指定「日本の音風景百線」にも選ばれているようです。小気味よい飴を切る音は、春の気配がする季節感があると感じます。
この飴は、松屋の飴総本店です。明治元年、深川門前仲町にて 松屋の飴として創業。昭和元年に、手狭になった、当時の深川、門前仲町の松屋の飴のお店から、縁日庚申で賑わう柴又に店を移し定住したのだそうです。因みに、川崎大師の松屋は、このお店の暖簾分けのお店とのことです。
【傍題季語】
春隣(はるどなり) 春遠からじ(はるとおからじ《はるとほからじ》)春隣る(はるとなる)、明日の春(あすのはる)、春信(しゅんしん)、春まぢか、春を急ぐ
【季語の説明】
春がすぐそこにまで来ていること。
寒さも峠を越して、春が訪れようとする感じをいう。「春待つ」には心持ちが入るが、春近しはその季節の感じを詠む場合が多い。
【例句】
春近し薪割る音を地に溜めて 鷹羽狩行
ひたすらに籠りし我に春近し 上村占魚
玄関に縄跳びの縄春近し 皆川盤水
𠮟られて目をつぶる猫春隣 久保田万太郎
尾の長き鳥が流れて春隣 大峯あきら
井戸水に杉の香まじる春隣 福田甲子雄
白き巨船きたれり春も遠からず 大野林火
またたきて春遠からじ湖北の灯 遠藤若狭男
終点は汽笛どころ春遠からじ 鷹羽狩行
【春近し】
東京では、暖冬だった今年。
しかし、FBのお友達の投稿には、冬の厳しい寒さの写真などがアップされてきます。
このような北国暮らしの方には、一体いつになったら春になるのだろうかと思うことでしょうね。
しかし、少し和らいだような日射しを見たり、梅の開花などの便りに、春が近づいてくるのを感じてもらいたい気持ちです。
こんな、今の時期の趣きを表現するのが、「春近し」、「春隣(はるとなり)」
ではないでしょうか。
【今日は何の日】
實朝忌
鎌倉幕府3代将軍で歌人の源實朝の1219(承久元)年の忌日。
前年に右大臣に就任し、鶴岡八幡宮でその拝賀の礼を行った帰途、甥の公暁により暗殺された。
雨情忌
詩人・野口雨情の1945年の忌日。
国旗制定記念日
ハワイ移民出発の日
主な出来事
1336年
新田義貞が京都を奪回。足利尊氏は丹波に退く
1945年
ナチスのアウシュビッツ収容所がソ連軍により解放
1967年
「アポロ1号」の訓練中に火災が起こり宇宙飛行士3人が死亡
1971年
葉山御用邸が放火により全焼
1983年
青函トンネルの先進導坑が着工から19年目で貫通
1993年
曙が外国人力士で初めて横綱に昇進。貴花田が最年少大関に昇進し貴ノ花を襲名
2008年
大阪府知事選挙で橋下徹が当選
誕生日
1756年
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
1935年
小山明子 (女優,大島渚の妻)
1960年
清水ミチコ (タレント)
1966年
三田寛子 (タレント,中村橋之助の妻)
1978年
雛形あきこ (タレント,女優)
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)