もうすぐ90歳になろうという夫婦。妻は認知症の疑いあり。
息子3人は全員独身。長男は引きこもりで三男は現実的ではない事業に失敗して借金まみれのうえ、ことあるごとに老親のすねをかじろうとする。
問題ばかりの家族だと思うのですが、このおじいさんは、散歩をし自分の好きなものを食べ、名建築を眺めるという毎日。
経営しているアパートの一部屋を事務所にして、そこにはエロ系のコレクションを隠しています。
そんな日常の合間に、昔のエピソードが挟み込まれていて、おじいちゃんが、今こんな風でいる理由がわかったりします。
深刻になったらどこまでも暗くなりそうな状況なのに、あきらめでもなくどこか達観した様子のおじいちゃん。軽やかでたくましい。
次男の自称「長女」が、なにくれとなく心配してくれているのが、救われる気がしました。