今年のフジの思い出、駆け足でまとめておきます。「駆け足」といいながらも激長な記事なので、お覚悟のほど…(笑)
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前日の木曜日、夜11時ごろに横浜を出発。第三京浜~環状8号線~関越自動車道に乗り月夜野インターで降りて三国峠を越え、7/26(金)の朝7時過ぎに苗場に到着。途中の休憩と仮眠時間をのぞけば所要時間は約6時間。
私はフジロックには一度だけバスと電車で行きましたが、あとはクルマ利用。駐車場はほぼ毎回「フクダヤ」さんにお世話になっています。
2回目ぐらいに利用した時、入口で番をしていたご主人が私の顔を見て「お客さん、去年も来たよね?」と言ってくれたのが嬉しくて、それ以来ずっとここ。10年を超えるお付き合いになりました。毎年、崎陽軒のシウマイ真空パックと中華街「同発」の中華菓子をお土産に持って行くのも恒例です。
レンタカーなので乗るクルマも年々変わります。今年の相棒はトヨタ「ヴィッツ」。キビキビと良く走ってくれました。
宿泊費をケチって、いつも車中泊です。こういう、空気でふくらます車中泊用のベッドを後席に入れて使えば、チビッ子の私には十分なスペースが出来ます。トイレは隣の旅館内で借りられるし、お風呂は道路をはさんだ反対側に日帰り温泉があるので、ほぼ不便はありません。このスタイルで、金曜日~土曜日~日曜日のフジロック3日間フル参戦したことも何度もあります。
もともとは1980年代のテニスブームの頃、フクダヤさんではテニス客を見込んでコートを整備しましたが、テニスはすっかりすたれたので、コートをつぶして駐車場として営業しています。
できるなら、こういうキャンピングカーが理想ですね。このタイプで来ているお客さんもたくさんいました。
フクダヤさんのご主人の妹さん。湯沢の向うの六日町に嫁いでらっしゃるのですが、フジの期間中は手伝いに来るそうです。私とはLINEが繋がっていて、四季折々の美しい自然の光景を写した写真を送ってくれます。
ナンバーを見ると、本当に全国各地から集まっています。真ん中は九州・熊本から。それもバイクですよ! タンクには高速道路の乗り継ぎ経路を書いた紙が貼ってありました。お疲れ様です。あなたは勇者だ。
会場に向かう道の両側には、臨時の駐車場や「お風呂あります」などの看板がズラリ。駐車場はどんどん値上がりして、今年はどこに停めても1日3,000円。お風呂の値段はまちまちですが、私が毎年お世話になっている所は1,500円でした。ここはタオル付きでシャンプー石鹸も備えてあるので、高い方だと思います。
午前10時すぎ、装備を整えて駐車場を出て、会場へ向かいます。フジロッカーたちのファッションや装備を見るのも、私には楽しみの一つです。
こういう↑トローリーに荷物を積んで移動する人も、5年ぐらい前から増えました。
トローリーにお子さんを乗せて移動するファミリーも珍しくありません。お父さんが引っ張り、お母さんが押してフジへ。いいなぁ!
苗場プリンスホテルと、苗場スキー場のゲレンデが見えて来ました。フジロックの会場はもうすぐ!
向うに入場ゲートが見えてくると、ワクワク気分も絶頂です。
ゲート前にて。ゲートではリストバンドのチェックと簡単な荷物検査があります。
…で、いきなりフードエリアへ。朝ごはんがまだだったのでお腹がペコペコでした。
フジロックには料理や飲み物、スイーツ、パンなどを出す屋台が集まったフードエリアが5カ所ほどあります。ここはいちばん面積が広い「オアシス」という場所。
いきなり「朝カレー」にしました。「チキンキーマとチキンココナッツの2種あいがけカレー」1,300円。うーん、フジのフードも値上がりが激しいですね。まぁ仕方がない。私はエスニックなものが大好きなので、こういうものを食べるのもフジの楽しみなんです。
お腹をいっぱいにして、とりあえず場内を散策。いろんなステージを横目で見ながら、いちばん奥の「オレンジコート」まで行くことにしています。「今年のフジは、こんな感じなんだな」と確認するために。
いちばん広いグリーンステージでは、司会者みたいな人がステージに出て来て「フジの注意事項」的なことをしゃべっていました。ここは通過。
林の中の小径を抜けて歩きます。
林を抜けると「ところ天国」という場所。
ところ天国では、フードエリアのすぐ脇に川が流れていて、ジャブジャブ入って遊ぶことが出来ます。すぐ上がホワイトステージなので、演奏中は音がたっぷり聴こえるので楽しかったりする。
ホワイトステージは一旦スルーして、ボードウォークを歩いてさらに奥へ。
ボードウォークの途中に「森のピアノ」というステージがあって、出演者がいない時間帯は誰でも弾けます。ここに意外な大物ミュージシャンが登場することもあり、そういう時はボードウォークが大渋滞したりします。
森のピアノを横目に見つつ、さらに奥へ。
ボードウォークを抜けるとフィールド・オブ・ヘブンというステージがあります。開演準備中でした。さらに進んで…
フジの最深部、オレンジコート。ここはフードエリアです。かつては小さなステージが2つあって、メジャーではないけれど実力のあるミュージシャンが出ることも多く、私は大好きだったのですが、今はなくなってしまい残念。
このオレンジコートには、フジの中で唯一、屋根のある休憩所があります。
中はこんなふう。ここ以外で日差しを避けて休める場所は、フジにはいっさいありません。木陰を探して休むしかない。
これでフジのいちばん奥まで行ったので、戻ることにします。
ちょっとお腹が空いてきたので、フィールドオブヘブンまで戻り、長年ずっとフジに出店している「ルヴァン」というパン屋さんに行きました。ここ、大好きなんです。
いつも食べるものは同じで…
分厚く切ったカンパーニュにバターとはちみつをたっぷり塗った「バタハチ」500円。これこれ。これを食べにフジロックへ来ているようなものです。
テント内では、お姉さんがバタハチをつくっている所を見かけました。初めて見た場面なので撮らせてもらいました。
そして振り返ると、ステージではフィールドオブヘブンのトップバッター「渋さ知らズオーケストラ」の演奏が始まっていました。時刻は正午ごろ。陽気で華やかで賑やかな雰囲気。でも2曲ほど聴いて移動しました。
フィールドオブヘブンのステージ後方には、独特な雰囲気の物販テントが並んでいます。ジミヘン、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソンの顔をプリントしたTシャツとか、1960年代・ウッドストックの空気が流れていて、フジの中でもここだけはマリワナが許可されています…というのはもちろん嘘ですけど、そんな雰囲気がいっぱい。
ヘブンのすぐ隣のジプシーアバロンという、とても小さなステージへ移動しました。
「The fin.」という4人組の出番でした。音合わせを聴いていたらドラムがめっちゃ上手くてフリージャズみたいで「いいな!」と期待したんですが、本番が始まるとそうでもなくて、2曲聴いただけで移動。
ジプシーアバロンの奥には「NGOビレッジ」というコーナーがあり、SDGsとか森を守ろうとか、意識高い系?の団体がテントを張って主張しています。
いかにも自然派!って感じの物販もあり。でもフジの中でいちばん訪れる人が少ないエリアです。
そのすぐ下の林の中には「アバロン・アートビレッジ」があって…
皮製品や木彫り、染め物など、ハンドメイドの作家さんたちがテントを張って、ワークショップを開いたり作品を売ったりしています。手芸とか好きな人なら、ここに1日じゅういても楽しいでしょうね。
こんなふうに、何もせずゆっくり出来るのもこの場所ならでは。すぐ下がホワイトステージなので、誰かが出演している時は音が流れてくるし、飽きません。私もここでちょっと休憩。
30分ほどしたら立ち上がって、ホワイトステージの脇を通ってグリーンステージへ向かいました。ホワイトでは「大貫妙子」の準備中で、ちょっと聴いてみたい気もしたけど、スルー。
グリーンに出演していたのは「FRIKO」というバンドでした。3曲ほど聴いて、のどが渇いたのでオアシスへ。
こういうクレープとか、かき氷のような「甘い物系」の屋台もそこそこ、出ています。
コーヒーフロート500円。私がフジに来るようになった当初は、こういうメニューは考えられなかったなぁ。有難いことです。
このオアシスというフードエリアには、屋根も、座って休めるテーブルもありません。屋台で買ったものは、こんなふうに持参した折り畳み椅子に座るか、地べたに腰をおろすしかない。
土砂降りの雨の時もありますけど、そんな時は…まぁ、なんとかするんです(笑) あくまでも自分で。
このオアシスのすぐ横にはレッドマーキーというステージがあるので、誰かが出演中はその音がガンガン聴こえてきます。私はコーヒーフロートで休憩してから、レッドマーキーへ行ってみました。
ここはフジのステージの中で唯一、屋根があるステージ。屋根だけで壁はないので、風は吹き抜けていきます。
中はこんなふう。「ERIKA DE CASIER」が演奏中でした。1曲だけ聴いて外へ。
ここもフジではお馴染み。やっぱり、食べておきたくなってしまった。
「五平餅・白味噌だれ」500円。フジロックに来たらお約束の食べ物の一つです。他には「きりざいめし」「もち豚の串焼き」「鮎の塩焼き」「森のハイジカレー」…フジロッカーが認めるお約束メニューと言えば、そんなところでしょうか。
そしてオアシスのすぐ上に小さなテントがあって、DJがお皿(レコード)を回しています。ここも「ブルーギャラクシー」と名前のついた、れっきとしたステージなんです。
私が行った時間帯は、見た感じ70代ぐらい?の男性がお皿を回していました。45回転の「ドーナツ盤」というやつを次々にかけるんですけど、選曲が面白かった!
渚ゆう子の『京都の恋』とか、ジョージ・ベンソンの『ブリージン』とか、60年代~70年代の懐かしい曲の連発。もちろんDJなので低音とリズムを強調して「踊れる音楽」にしてくれます。
私がびっくりしたのは、はしだのりひことクライマックスの『花嫁』が流れた時。「はーなーよめはー よぎしゃーにのって~」っていうアレですよ。
私が20代だった1980年代、友人の結婚披露宴にお呼ばれして行くと、「新婦友人」が何人か出て来て、この曲を歌うのが定番でした。私はその当時をことを思い出してしまい、なんか泣けてしまって…まさかフジロックで『花嫁』を聴いて胸が一杯になるなんてあまりにも意外でしたが、素敵な一瞬でした。
こういう思いがけない出逢いが、フジの醍醐味なんです。このテントには30分ぐらい、DJさんの出番が終わるまでずっといました。
(あとで調べたらDJは「DR.IHARA」さんという方でした)
DJが終わると、隣の「苗場食堂」という小さなステージで人混みが出来ているので何かと思って行ったら「WINO」というユニットのステージでした。なんかちょっと良く分からなかったのでスルー。
ここで物販コーナーに行き、お土産を買うことにしました。Webで事前に買うものを決めてクレジットで支払いも済ませておけば、長い行列に並ばなくても買ったものがすぐ受け取れるシステム。
ただし受け取り時間が「何時~何時の間」と指定されるので、その時に行く必要があります。
オフィシャルグッズショップはゲートの外にあるので、誰でも買い物が出来ます。でも場内にいるとここまで受け取りに戻らないといけないので、ちょっと不便。
物販テント内の様子。
隣には見本を並べた小さなテントがあって、そこで実物を見て決められるようになっていました。これは今年からのシステムだと思います。良いアイデア。
私は手ぬぐいなど小さなものを数点買っただけにしました。Tシャツとか、もうどこかへ着て行く機会がないしね~。
そしてトイレに向かっていたところ、グリーンステージからギターの爆音が聴こえて来ました。曲名とか分からないけど、ジミヘンみたいな「ギュイ~ン!グワワワわ~ン!!」という地鳴りのような響き。しかも、フジでも初めて聴くような大音量なんです。
私は「これは凄い!誰が弾いてるの?聴かなくちゃ!」と思って急いでトイレを済ませ、グリーンステージへ向かいました。本当に、あの音の大きさは凄かった。
行ってみると、白いフライングV(というギター)を持った人がギターソロを弾いていましたが、本番前の音合わせだったようで、すぐに引っ込んでしまいました。私は腰をおろして、本番が始まるのを待つことにしました。あのギターはぜひ聴きたい!と思ったので。
15分ほどして登場したのは「マカロニえんぴつ」というバンドでした。私は名前だけは知っていましたが、音は未聴。どうやら赤いギターを持って歌う人がフロントマンのようです。フライングVの人はギターだけ。
さっきみたいな、1960年代っぽい激しいギターソロをやってくれるかな?と思って期待したんですけど、出てくる音はまぁ今ふうのポップ・パンクというかエモ・パンクでしたね。ハードだけどメロディアスで甘くてポップで切ない感じの音楽。
私の期待とはちょっと…かなり違いましたが、聴いてて嫌ではなかったので、4曲ほど聴いて退場しました。
私のフジロックは、こんなふうに「ちょっと聴いたら、すぐ移動」が多いです。よほどお気に入りで、事前に「どうしてもこの人のステージは観たい」と思う人とか、たまたま通りかかって聴いたらすごく気に入って最後まで聴いちゃった…みたいな人以外は、あまり長居はしません。演奏中でも出入りは自由なので、そこは楽ですね。
逆に、聴いてるうちに「これはいい!」と思ったら、どんどん前の方にでて最前列近くまで行っちゃうことも可能です。その辺がフェスの面白さ。
またお腹が空いてきたので、マカロニえんぴつを後にしてオアシスへ向かいました。
オアシスも含めてフジロックでは場内のあちこちに「大道芸コーナー」があって、いろんな芸人さんが身体を張った芸を見せてくれます。レベルは相当に高くて、見とれてしまうことも多い。
またまたエスニック系「ガパオライス」900円。
ガパオライスではなんとなく物足りなくて、オアシスのすぐ横、さっきのDJテントのすぐ横にあったこちらの屋台へ向かいました。
煙がすごい!
「ラム串」1本300円を2本買いました。
串刺しのラム肉をモグモグしながら、グリーンステージへ。
「OMAR APOLLO」のステージでした。ラップというかヒップホップというのか。私はちょっと苦手なジャンルなので、横目で見ながら通過。
グリーンステージからホワイトステージへ、また林の中を歩きます。
もう午後6時ころなので、ところ天国の川もこんな感じ。
ホワイトステージでは「iri」が歌っていました。近づいてみると…
うーん。ここでもラップ。私は「韓国のビヨンセ」かなと思いましたが、合ってるかなぁ?なかなかのお客さんを動員していました。2曲ぐらい聴いて移動。(あとで調べたら神奈川県出身の、ジャズ/R&B畑のシンガーソングライターだそうです)
アバロンのフードエリアには、こういう「不思議な人」がいて、一緒に写真を撮らせてくれたりします。子どもが喜ぶ。
こういう人は主催者の「仕込み」で、場内のどこにいつ現れるか予測できません。全身を銀色に塗って「銅像」のようなポーズでじっと立っているだけの人なんかもいましたね。
この辺で冷たいものが欲しくなったので…
タコス専門店で売っていた「パレタス」というものを買ってみました。選んだのはストロベリー。500円です。
これが初めて体験した「パレタス」ストロベリー味。まぁ要するに味も食感もアイスキャンデーなんですけど、美味しかった。
そろそろ夕暮れ。夏フェスとしてはいちばん気持ちがいい時間帯です。私はまたジプシーアバロンの小さなステージに戻りました。
「ZAKINO」という人たちのステージ。なんていうんだろう。エクストリームな感じ? ちっとも伝わらないですね。スミマセン
最後にはラッパーさんも加わって、またまたラップ。なんかこの時間帯のフジはどこへ行ってもラップでした。あえてそうしてるんですね。4曲ぐらい聴いて移動。
誰も演奏していないホワイトステージの横を通り抜け、ところ天国にかかる橋の手前で左に折れて、ボードウォークを歩くことにしました。今日3回目になりますが、夜のボードウォークの写真を撮っておきたかったので。
これはボードウォークへ向かう途中、アバロン・ビレッジの中で。
ボードウォークの途中。
「森のピアノ」があるあたりは、夜になるとこんなふうです。今年のフジロックは、夜でも楽しめるようにこういう工夫があちこちにありました。
ボードウォークは700mという距離なので、こういうふうになっていると短く感じられて良かったです。昔々は、真っ暗な中をひたすら歩くしかなかったですから。
こうして夜のボードウォークを満喫してから、再びフィールドオブヘブンに戻りました。21時からここで開かれる「上原ひろみ」さんのステージはどうしても観たかったんです。
ヘブンに戻った時は「GHOST NOTE」が演奏中でした。
フジロックの公式サイトから借りた「GHOST NOTE」の写真↑。ファンク/ジャズ系のバンドだそうです。1曲ちょっとしか聴けなかったので印象なし。そしてそのままその場で上原ひろみさんの登場を待ちました。
今年のフジの金曜日で唯一、「これは観なきゃ!」と思っていたのがこちら。上原ひろみさんのピアノをフューチャーした「Hiromi’sSonicwonder」という4人組。ピアノの他にトランペット、ベース、ドラムの4人組です。
ひとことで言えばジャズ。私はフジロックに行き始めた頃にいちど上原ひろみさんを観たことがあります。その時はピアノ・ベース・ドラムでしたが、その演奏の素晴らしさには圧倒された記憶が残っています。それ以来なかなか上原さんのステージを観る機会がなかったので、今回は本当に楽しみにしていました。
そして内容も素晴らしかった!特にベースの人のテクニックは「どうやって弾いてるの?」と驚くばかり。遠くでよく見えませんでしたが、普通の4弦ベースを指で弾いてるみたいなのに、ギターのような超早引きなんです。あれには参りました。「超絶」という言葉が思い浮かびましたね。いいものを見せて&聴かせてもらいました。
21時~22時半まで、フィールドオブヘブンの初日のトリでしたが、素晴らしい90分間でした。いつかもっと小さなホールで観てみたいものです。
ちょっと上の写真ではあんまりなので、上原ひろみさんのFacebookからお借りしますね。下の2枚です。
ああ、当たりまえだけど、プロのカメラマンがプロの機材で撮ると違うわ!
上原ひろみさんの演奏の余韻に浸りたくて、フィールドオブヘブンの観客がほとんどいなくなるまでポツンと座っていました。でもそろそろ閉まるので移動。途中のホワイトステージに通りかかったら…
「PEGGY GOU」のステージでした。バンドではなくDJです。でもレコードを回すのではなく、大きなDJテーブルの前に立ち、いろんなスイッチやボタンを押したり回したりして音を出して客を踊らせるのが仕事。「EDM=エレクトロニック・ダンスミュージック」ってやつですね。
ここではフジロックの公式X(Twitter)から写真をお借りします。下の2枚。
名前の読みは「ペギー・グー」さん。韓国出身で世界的なDJだそうです。私は知らなかったけど、惹きつけられるものはありましたね。EDMですから、音としては「ドンツクドンツクドンツクドンツク…」が延々と続いてメロディも歌詞もサビも無いんですけど、終わりまでずーっと聴いていました。
こういう音楽って、説明が難しいです。「踊るための音楽なら、ディスコミュージックみたいなもの?」と思われるかもしれませんが…うーん。全然違いますねぇ。ドナサマーでもないしマドンナでもない。しかもこういうジャンルの土台になった、20年ぐらい前のケミカル・ブラザースとか、アンダーワールドの頃と比べても違います。
ケミカルやアンダーワールドの頃は、まだ「音楽」だったんですよ。メロディとか旋律とかがありました。「あの曲」といえば鼻歌で歌えたんです。でも最近の、数年前にフジで私も観たデッドマウスあたりになると、空気を震わす重低音と激しいビートしかない。音楽というより「音そのもの」という感じ。カラオケで歌うとか、絶対に無理
よく言われますけど、こういう音楽は「音を浴びる」感覚ですね。耳ではなく、身体で受け止めるしか、ないです。
今回のPEGGY GOUさんのステージ、私は楽しめました。上原ひろみさんの演奏は「頭で理解する」感覚があったけど、こちらは「身体で感じる」というもの。同じ音楽でも北極と南極ぐらい違うかもしれませんが、どちらも楽しめたので良かったです。「自分にもまだ、こういう音楽を楽しめる感性があって良かった」という気持ちも湧いて来ましたし、それが嬉しかったですね。
時刻は23時半。いつもなら明日以降のことを考えて自重するのですけれど、今年は今日しかないので、体力のあるかぎりフジを楽しみます。ホワイトステージから、キラーズのステージが終わってガランとしたグリーンステージを抜けてレッドマーキーへ。
ちょうど電気グルーブのステージが終わって、お客さんがゾロゾロ出てくる所でした。最後の1曲でも聴きたかったな!でもこの様子ではきっと入場規制がかかったでしょうね。
そろそろ日付が変わる深夜ですが、お腹が空いてきたのでオアシスへ。
これが金曜日の深夜12時のオアシスです。これでも空いているほう。だって地面が見えるもん。土曜や日曜の夜は凄かったでしょうね。
牛すじビリヤニ・パクチー増し。1,150円。めっちゃ辛くて美味しかった! こんな夜中にこういうエスニック料理を野外で食べる楽しみ。これがフジです。
タイムテーブルを観たら、レッドマーキーで電気グルーブの次のステージが始まるところだったので向かいました。
JAX JONESというDJです。でも、なんかノレなかった。さっきのPEGGY GOUのほうがずっと踊れたなぁ。お客さんも盛り上がってなかったし。同じEDMでもこんなに違うのかという発見でした。
フジでは、グリーンやホワイトなどのステージはだいたい23時頃で終わりますが、このレッドマーキーとGANBAN STAGE、そして苗場食堂のステージは午前5時まで演奏が続きます。そこまでは金曜日のチケットで場内にいることが出来るので、「夜だけ」を狙って来ても楽しむことは可能。
深夜1時ごろ、私はゲートを後にしました。ゲートの外には、リストバンドがなくても誰でも入れる「パレス・オブ・ワンダー」というエリアがあるんです。
パレス・オブ・ワンダー。昼間はこうですが…
夜はこう!23時にならないと開きませんが、激変するでしょう?
ここがまさに独特のディープな雰囲気で、大好きなんです。ここだけは動画を撮ってきたので、別途編集しますね。少しお待ちください。
このパレスオブワンダーでしばらく夢か幻のような時間を過ごして「もう、いいや!」と満足したので帰ることにしました。でも微妙にお腹が空いたので、すぐ隣にあるフードエリアへ。ここも、チケットがなくても入れます。
「そうめん専門店」という看板がかかっていますが、その隅っこをよく見ると…
え?なんで「ハトシロール」? 私は昼間から何度もこのお店の前を通って、めざとく見つけておいたんです。これはネタになると思い、注文しました。店のお兄さんに「ハトシって長崎の名物でしょう?なんでフジでハトシなの?」と訊いてみました。
するとお兄さんは「おっ、分かってるね!」というような嬉しそうな微笑みを見せて「うちの社長が長崎の人で、売れるんじゃないかって…」と説明してくれました。
私は「エビ入りハトシロール」にしました。値段は忘れちゃった。この写真の向うのほうで輪になって談笑している人たちの中に「社長さん」がいるみたいです。
このあとは駐車場まで戻り、お風呂に入ってぐっすり眠りました。これで2024年の私のフジロックは終了。
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翌日の土曜日、フクダヤのおじさんおばさんに「またね!」と挨拶して駐車場を出たのが午前10時ごろ。帰りは三国峠方面へは行かず、国道17号線を北上して越後湯沢駅を目指します。湯沢に行ったら、どうしても寄りたい所があるので。
駅前のお蕎麦屋さん「菊新」さん。今まで湯沢のお蕎麦屋さんなら「福寿庵」さんがお気に入りだったんですけど、去年は満員で入れなくて、こちらを探して入ったら良かったので再訪。
これこれ。この「大名へぎそば」と、舞茸の天ぷらがお目当てです。
ごく普通のお蕎麦屋さんの雰囲気。でも店員さんたちは全員フジロックのTシャツを着ています。そういうところ、イイネ!
出ました!「大名へぎそば二人前」1,700円と、「舞茸の天ぷら」1200円。
へぎそばは、ワンロール?が岩手のわんこそばの二杯分ぐらいでしょうか。
舞茸の天ぷらは大きい!味が濃い!甘い! 言うことないです。
これで今回の目標はすべて達成。大満足で湯沢ICから関越道に乗り、まっすぐ帰宅したのでした。
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で、一気に結論なんですけど、やはりフジロックは、今年で最後でいいなと思いました。なぜかと言うと「昔ほどワクワクしなくなった」ということに尽きます。もうそれだけ。
確かに、行けばそれなりに楽しいんです。でもその楽しみを味わうために、あれだけのお金、あれだけの時間、あれだけの体力、その他いろいろなものが必要になると思うと、ちょっともう…「今までにたっぷり楽しんだ」という思いがあるので、心残りはありません。
まぁね?ヨットのように仲間とお金を出し合ってやってるわけではないので、別に「もう引退させてください」って宣言する必要はないんですよ。行きたかったら、また行けばいい。もしかしたら気が変わって来年もまた行ったりするかもしれません。でも今の気持ちは「ありがとうフジロック。楽しかったよ」という一言がすべてです。
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この記事は今日(月曜日)の11時ごろから書き始めて、もう7時間以上が過ぎましたが、ちっとも苦にならないし書くのが楽しくて仕方ありません。フジを引退すると、こうやってレポートを書く楽しみも無くなってしまうのですね…そう思うと寂しいかも 「そっちかよ!」って感じですけど、正直な気持ちです。
ここまで延々とお読みくださり、本当にありがとうございました。まだ動画の編集が残っていますが、とりあえず私のフジロックレポート、これで終了です。
考えてみると、私のフジロック人生で、会場内で食べた最後の食事は「長崎名物ハトシ」になるわけで、これもなんか、面白いですよね。ははは。うん。いいじゃん。