みちくさウルトラマラソン 振り返りレポート(濃厚版) | マサミのブログ Road to 42.195km

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「横須賀・三浦みちくさウルトラマラソン」は100km部門と63km部門があって、私は今年2度目の参加で63kmを初めて完走しました。

レース後になってやっと気がついたんですけど、63kmってなんでそんな半端な距離なんだろう?と思ったら、これって「フルマラソン+ハーフマラソンの距離」なんですよね。ああ、そうか! 確かめてはいないのですが、そうに違いない。気がつくのが遅すぎでスミマセンてへぺろ

 

そうかぁ。こないだはフルマラソンを走って、さらにそこからハーフマラソンの距離を走ったのか…と思うと、なんかドッと疲労がのしかかってきたような気がします花 まぁそれはおいといて、振り返りをまとめておきますね。

 

 

2024年5月25日(土)。100kmの部に参加される皆さんは午前5時頃にとっくにスタートしています。63kmの部の参加者は朝7時スタート(12時間以内にゴール)と8時スタート(11時間以内にゴール)に分かれていて、私は制限時間に余裕がある7時スタートを選びました。

 

 

私は東京マラソンを完走した、縁起の良いアディダスのTシャツを着用。「勝ちT」ってやつですね。ウェストのあたりに見える白くて四角いものは汗を拭くミニタオルです。

 

 

実際のスタートは全員一斉でなく、20人ずつぐらいに分かれてのウェーブスタート。私はいちばん最後の集団でスタートしました。先にスタートしてもどうせすぐ抜かれるので、後方にいたほうが安全。道がとても狭いですからね。

 

 

まずは右(東)のほうへ向かいます。右側に東京湾を見ながら。

 

 

道が登りになってくると、そろそろ久里浜。この大会は交通規制がいっさい行われないので、すべて歩道を走ります。交差点で赤信号だったら、待つ。

 

 

トンネルを抜けてペリー来航記念碑まで行ったら折返してスタート地点まで戻ります。トンネルのあたりが10km地点。折り返すということは、この舗道を、速い人と遅い人がすれ違うことになります。

 

トンネルの中は特に舗道が狭くて危ない。私はトンネル内では立ち止まって速い人に道を譲りました。「ありがとう!」などと言ってくれる人が多くて嬉しかったです。ちなみにこの10kmポイントで私の予想通過タイムに対して17分ほどの余裕がありました。

 

 

折り返すと、今度は海が左側です。写真には写っていませんが、この辺で8時にスタートした人たちとも続々すれ違うので、気を遣います。

 

 

このあたりにはお地蔵さんが目立ちますが、こんなふうに「貝殻」が供えてあったりするんです。お賽銭の替わりなんでしょうね。私はこの界隈には数えきれないぐらい何度も来ているのに、初めて気がつきました!

 

 

そろそろ三浦海岸まで戻ってくると、なにやら人だかりが。ライフセーバーさんたちの大会だったようです。皆さんの引き締まった身体と最少面積の水着?が目に沁みました。

ライフセーバーさんって本当に水着だけで、Tシャツとか短パンとか着ませんからねぇ。溺れている人を助ける時にしがみつかれると危ないからでしょうか?

 

 

スタート地点まで戻ってくるとエイドが用意されていました。ドリンクのほか、フルーツ、カナッペ的なものなどいろいろ。私はフルマラソンなどではエイドの食べ物ってほとんど摂らないんですが、今回は少しずつ頂いてみました。そしてここを通過して三浦半島を南下。

 

 

左に海を見ながらタッタカ行くと、もう20kmです。この少し先にちょっとした桜並木があって、花の季節にはとても綺麗。このポイントで20分ほどの余裕でした。

 

 

その桜並木の下で最初の補給をしました。こういう菓子パン類を3個、リュックに詰めておいたんです。まずはレーズンカスタードパン。立ち止まらず、モグモグしながら早歩きで進みます。

 

実は去年この大会に初めて出た時、ブログフレンドのゆかりんさんから「早めの段階から固形物を摂ってください。でないと後半、本当に補給が必要な時に胃が受け付けなくなってしまうから」というアドバイスを頂きました。それがすごく理にかなっているように思えて印象的だったので、今年も早め早めの補給を心がけました。ゆかりんさん、ナイスなアドバイス、ちゃんと覚えてますよ~! 感謝申し上げます。

 

 

数km進むと道が右にカーブして急な登り坂に。ここで海沿いの道とはいったん別れます。

 

 

ヒーハー言いながら坂を登りきると、この眺望。畑しかない!そしてその向こうに海。さらにその向こうに見える山影は房総半島です。この景色が目に入ると同時に、海を渡って来たひんやりした風に全身が包まれて驚きました。そして気持ち良かった。

 

 

…かと思うと今度は急な下り坂を一気に降りて、降りたところは「間口」という小さな漁港です。

 

 

間口漁港がある入江を数100mほどぐるっと回ると、すぐにまたこういう急な登り。本当にこのレースは登りと下りが交互にやってきます。三浦半島の地形の複雑さが身に沁みて理解できる。

また、地層がはっきり分かる断崖も多いので「地層マニア」なら間違いなく楽しめるはずウシシ

 

 

どんどん行くと劒崎(つるぎざき)灯台の手前にエイドがあって、そこで折り返すので、こんなふうにランナーさんとすれ違います。私たち63km部門の7時スタート組は青いゼッケン、「1時間遅くスタートしても間に合うもんね」という嫌な性格の(笑)8時スタート組の皆さんは黄色いゼッケンです。

 

 

またまた急な坂を登る途中の右側には、こういう鮮やかな色のシートを作物に被せた畑がありました。去年も印象に残ったのですが、ここ以外では見かけません。あのシートの下では何を育てているのかなぁ?

 

 

25km地点ぐらいと思いますが、またお腹が空いたので早くも2度目の補給。今度は「イチゴジャム&マーガリンコッペ」。こういう甘い菓子パン、大好きなので食べ過ぎないようにふだんは気をつけているんですけど、今日は無礼講で(笑)

 

 

両サイドは延々と畑です。

 

 

坂の途中で「シセツで~す!」と沿道から声をかけてくださる方がいました。「私設エイド」のことですね。近隣にお住まいの方がテーブルを出して、飲み物・食べ物を自主的にサービスしてくださるんです。

去年も同じ場所にいらしたかどうか記憶がありませんが、私はイチゴを頂きました。めっちゃ美味しかった!ありがとうございます。来年もまたここでお会いしたいものです。

 

 

やがてキャベツ畑の向うに、風力発電の巨大なプロペラが2基、見えてきました。あそこが「宮川公園」という場所です。

 

 

宮川公園まで行くと、そこが30km地点。このお二人は自主的にこの格好でランナーの応援をされていた…のかな?暑いのにお疲れ様です。そしてありがとうございます!

 

このポイントでレース前の予想通過時刻に対して、時間的な余裕は一気に40分ぐらいまで増えました。時計を見て目を疑ったほどです。あまりにも早すぎて後半ツブれるのでは?という危惧もかすかに胸をよぎりましたが…

 

 

風力発電のプロペラの下にはエイドステーションも設置されていました。ここでも少しモグモグ。

 

 

エイドステーションを出ると、すぐに絶景ポイントの「宮川大橋」を渡ります。前を行くこちらの女性、失礼とは存じながら写真を撮らせて頂きました。雰囲気からすると、私よりかなりのベテランでいらっしゃるかと…ということは、70代の女性ですよ。すごいなぁ。

後から走るフォームを拝見していると、当たりまえですけど、身体つきとか身のこなしとか、ちっとも「お年寄りくささ」がありません。普段から鍛えてらっしゃるんでしょうねぇ。尊敬です。

 

しっかりした足取りで、しばらくの間は私と抜きつ抜かれつを繰り返していましたが、いつしか見失ってしまいました。完走されたことを祈るばかりです。

 

 

宮川大橋は海面からかなり高いところにかかっています。本当は橋の向う側に立つと良い写真が撮れるのですが、今日は我慢。

 

 

橋を渡り終えて城ヶ島へ向かう途中、左側が海に向かって開けた場所があって、こういうものが建っています。「供養塔」と書かれてある。

 

 

明治の頃、三崎の町の「北条」というあたりに遊郭があったそうです(今も三崎には「北条」というバス停があって、ウルトラマラソンのランナーはその脇を走ります)。かつてその遊郭で働かされていた女性が苦しい日々に絶望し、何人もがここまで来て断崖から身を投げたと伝えられています。

私はちょっと立ち止まって、この塔に手を合わせ、頭を下げてから先に進みました。このことを知ったのは何年も前ですが、ここを通るたびに同じことをしています。

 

 

やがてグーっと坂をくだって城ヶ島大橋を渡り、城ケ島に入ったところが32.6km地点の関門。13時15分までにここを通過しないと失格になってしまうのですが、私が通過したのは写真のとおり12時19分44秒。制限時刻に対して55分近くも余裕がある!

去年はこの関門をギリギリで際どく通過した記憶があるので、自分でも驚きましたし「これは、なんとかなるかも?」と、希望が湧いて来た瞬間でした。いやぁ、嬉しかったなぁ。

 

 

関門を過ぎてどんどん突き当りまで行くと、城ケ島の灯台。その下にもエイドステーションがありました。

 

 

エイドステーションでのドリンクは、水とスポーツドリンクは必ず用意されてあるほか、ステーションごとに特徴のある飲み物が置かれています。城ヶ島エイドでのスペシャルドリンクは「自家製ハーブティー」でした。ほろ苦くて美味しかった!

 

 

タイムに余裕があることが分かったので、ここではちょっと座ってひと息いれました。東京マラソンの時、沿道にいらしたブログフレンドの湘南台さんから消炎スプレーをかけて頂いてすごく効いたので、今回は持参してみたんです。

ここでリュックから取り出し、太ももの前と後ろ、ふくらはぎにシューシュー。タイツの上から、タイツがぐっしょりになるくらいかけました。『エアサロンパスアルファ』というものでしたが、目に染みる刺激臭がほとんどなくて良かったです。

 

 

5~6分ほど休んで再スタート。灯台の周囲は公園になっていて、アジサイが綺麗なスポットもありました。この景色には、なぜかすごく心の安らぎを感じたことを思い出します。

 

 

また城ヶ島大橋を渡り、マグロの水揚げで有名な三崎の町にやってきました。

 

 

相州三浦総鎮守・海南神社の境内にもエイドが設置されていました。

 

 

三浦半島の魚介類や農産物が買える「うらり」。ここの1階は見るからに観光客向けの海産物売り場なんですけど、2階が超穴場!閉店まぎわの夕方に行くと、野菜や肉類が大幅割引になってたりするんです。いつもは高くて手が出にくい葉山牛のブロック肉が4割引きとか!

観光で来るお客さんは2階に上がる人がとても少ないから空いてるし、ぜひ一度お試しください。みちくさウルトラに全然関係ないお得情報でした(笑)

 

 

三崎の町を回り込んで行くと、いよいよ三浦半島の西側、相模湾側に出ます。そして延々と登りが続く苦しい所でもあります。沿道には、こんなふうに↑水道にホースをつないで「ご自由にどうぞ」とおっしゃってくださるお家もありました。私もここで頭から水を被って、かなりスッキリさせて頂きました。感謝です。

 

 

そしてここからは、これまで私のブログに何度も登場している「ヨットハーバー銀座」になります。たくさんのクルーザーやモーターボートが係留されたマリーナが次々に見えて来るゾーン。まずは諸磯(もろいそ)湾の「諸磯ヨットオーナーズクラブ」の前を通過しました。このずっと奥には「京急油壷マリーナ」もあります。

 

 

さらに少し行くと「三崎マリン」。やっぱり同じ三浦半島でも、相模湾側に来るとお金の匂いがしますね!いいなぁグラサン もっと進めば、リゾートマンションも備わった超高級マリーナ「リビエラ・シーボニア」もありますが、今回のコースではスルー。

 

 

二つのヨットハーバーを過ぎたあたりで40kmポイントを通過しました。フルマラソンなら「もうすぐそこがゴールだ!」と思う場所ですが、ここからまだ23kmあるんです。でも意外に、それが全然イヤでもなかったし、ゲッソリする感じもありませんでした。去年50km地点までは行った経験があるからかもしれません。

なお、ここではタイム的な余裕は30分に縮まりました。三崎以降はずーっと登りでペースが落ちたからだろうと判断。

 

 

小網代(こあじろ)のあたりでお腹が空いたので3つ目のパン。「もっち~りあんドーナツ」です。普段はなるべく控えている甘い菓子パンを1日でこんなに食べられるのがウルトラマラソンの素敵なところスター 

 

今回エイドステーションにあるフード類を観察して分かったのですが、エイドにある食べ物はいわゆる「フィンガーフード」ばかりなんですよね。お腹にたまるほど食べ応えのあるものは見当たりませんでした。

 

それは走っているランナー向けですから当然と思いますが、私のようなゆるゆるジョガーには菓子パンぐらいの食べ応えとカロリーがあるものが合ってるかなと思いました。

あと、私は甘いものが大好きなので、疲れてしんどい時の「心の癒し」にもなるんです。今回あらためてそれを強く感じました。

 

 

「油壺入口」のT字路で県道26号線に合流。まだ、登りは続きます。そしてもうすぐ登り切るというあたりに、こないだ還暦祝いをやったばかりの愛する後輩、H君の家があるんです。まさにみちくさウルトラマラソンのコース沿い。去年に続いて「今年も応援しますよ」と言ってくれていたのですが、彼の家の前まで行ってみると…

 

 

じゃーん!今年もこんなふうにエイドステーションを設置してくれてあったのでした。H君たら、ちゃんと「サポーター」と書いたTシャツ着てるし、イイネ!ウインク

 

 

そして今年はなんと『マサミ様専用エイドステーション』の表示まで! いやぁ、嬉しいじゃないですか! ブログのネタにしやすいように、本名でなく「マサミ」と書いてくれるあたり、分かってるね~。

 

 

自分専用のエイドステーションでくつろぐワタクシ。ここに来る直前の40kmポイントで予定通過時刻に対して30分も余裕があったので、気持ち的に大きなゆとりがあり、10分ほど休ませてもらいました。そしてここでも2度目のエアサロンパスをたっぷりシューシュー。

 

去年はH君も気合を入れて、パンとかお菓子とか栄養補助食品とかゼリーとか「食べきれないよ!」っていうぐらい用意してくれて申し訳なかったので、今年は事前に打ち合わせて「このぐらいあればいいから」とお願いしておいた内容なので、ちょうど良かったです。

 

私が座っているここ、本当にランナーの皆さんが走る舗道からほんの数メートル入ったところなので、私の後からどんどん通過していく人たちからは「え?何?」という好奇の目で見られて、恥ずかしいのが1割、嬉しいのが9割でした。もうね、本当に「王様になったような気分」でしたよ!ルンルンチョキスター
 

 

アクエリアスを1本補充したほか、inゼリー、ソイジョイ、カロリーメイトを持たせてもらって再出発。この時点で既にフルマラソンを超える43kmぐらい走っていて、さらにここからゴールまでまだ20kmあるんですけど、見た感じは元気そうでしょう? いや本当に元気をもらいました。体力的にも、気持ちの上でもエネルギーをチャージした実感。H君には大感謝です。

 

 

H君の家を出るとすぐ国道134号線と合流。京浜急行・三崎口の駅を右に見ながら進みます。「鎌倉・葉山」の文字が標識に見えて来て、元気が出ました! コース的には鎌倉にも葉山にも寄らないんですけど、やっぱり私には地元感がありますからね。

 

 

そして134号線から左に折れて、「長井それいゆの丘」へ向かいます。この坂のてっぺんを越えた向こうがそれいゆの丘。この坂を登る時、私の脳内ではいつも「あの曲」が流れてくるんです。去年も紹介しましたが、もう一度コピペしますね。

 

お前の流した汗を この道は知っている

お前がこぼした涙も、この坂は知っている

苦しみ、喘ぎ、もだえた時間(とき)の積み重ねが

いま、報われる

さぁ駆け抜けろ、お前だけのGlory

すべてを振り切って 掴め、輝くVictory

(作詞:マサミ 作曲と歌:大友康平)

 

いや、ハウンドドッグの大友康平さんが曲をつけて歌ってくれたら嬉しいなっていう(笑)。でも歌詞はちゃんと韻を踏んでるでしょう?いいと思うんだけどな。

 

ただ、去年はこの坂の手前に50kmポイントがあったのですが、今年はコースが変更になった影響で見当たりませんでした。「あそこまで行けば50kmだ!」と思いながら走って来たのにその表示が無いと、心理的にかなり堪えましたねぇ。「もっと先まで行けばあるはず」とは思いましたが。

 

 

そして丘の向うの「それいゆの丘」。私のいつもの個人的なお遊びジョグなら、ここにある「夕日の湯」でお風呂に入って終了!になるんですが、そうも行きません。

 

 

それいゆの丘の中にあるエイドステーションに寄って、ふたたびコースに戻ると50kmポイントの表示がありました。ここからは海に向かって下りになるので、ひと息つく感じ。でも、タイム的な余裕は20分にまで減りました。H君のおうちの前で10分ほど休んだから、それは妥当。

 

 

そして坂を下りきると突き当りが海で、「漆山」という小さな漁村に出ました。写真では分かりませんが、遠くに江の島が見えるんです。いやー、感動でしたね。東京湾側からスタートして三浦半島をぐる~っと回って、やっと江の島が見えるところまで来たか!という感じ。

やっぱり私にとって「海」といったら、いつも江の島が視界に入っていて欲しい。そしてその向こうには富士山が見えてほしいんです。

 

 

いったん荒崎の入口まで行ってUターンして戻り、あとは海沿いに5kmほど走って、長井の漁港まで来ました。ここでだいたい55km地点。さすがにかなり足が重いです。私はここで「いちばんつらい時に頼りにしよう」と思っていたものをリュックから取り出しました。それは…

 

 

これです。「葉山レモンはちみつ漬け」。凍らせてフリーザーパックに入れておきましたが、さすがにすっかり溶けてしまっていました。でも全然OKです。これはどうしたかと言うと…

 

 

こないだのH君の還暦祝いが終わったあと、同席していた、いつもの鎌倉散歩などにご一緒してくれるKさんが「これ、こんどのウルトラマラソンの時にどうぞ」と渡してくれたんです。ビーカーに入ったプリンで有名な「マーロウ」のもの。いやぁ、嬉しかったですよ! 

 

1月に皇居を散歩した時に「こんどウルトラマラソンを走る」って言ったんだったかな?私はそんなこと忘れていたのに彼女は覚えていてくれて「ウルトラマラソンの時に役に立ちそうなもの」をずっと探していてくれたんだとか。有難いじゃないですか~。ただのレモンじゃなく「葉山レモン」ですからね。それもマーロウの。どんだけこの瞬間にピッタリだか!Kさんの優しい心遣いに感激しちゃいました。

 

 

「葉山レモンはちみつ漬け」は思ったほど甘さは強くなく、むしろレモンのほろ苦さが印象的でした。なので一度に何枚か口に入れても甘さに辟易せず食べられて良かったです。でもはちみつの糖分が脳のエネルギーになったはず。

 

私のためにエイドステーションを設置してくれたH君といい、心づくしの葉山レモンはちみつ漬けを用意してくれたKさんといい、良い後輩に恵まれた私は本当に果報者だと思います。同じ職場にいた頃から40年以上の月日が過ぎても、変わらず慕ってくれるんですからね! 可愛い後輩二人のためにも完走しなくてはと思いました。

 

葉山レモンのはちみつ漬けを何枚か口にいれたら、クエン酸の刺激なのかどうかお腹が空いてきて、ここでH君が差し入れてくれたinゼリーとソイジョイも補給して先へ進みます。今回は最後まで胃腸の調子は狂わずに助かりました。ゆかりんさんの「早めに固形物を摂るように」というアドバイスも効いたと思います。

 

・・・しか~し!

 

 

富浦公園を左に見ながら「荒崎入口」の交差点を左折すると、ここ。武山(たけやま)の、陸上自衛隊と海上自衛隊の駐屯地の前を通るんですけど、こんなふうに、左側にフェンスが立つ道が延々と続くんです。

 

 

 

こんな感じで、ずーっと、どこまで行っても延々と同じ景色。実際は確か1.5kmぐらいだったかと思いますが、疲れていてペースがガタ落ちだから(たしかキロ10分ぐらいでした)、なおさら同じ景色が続くように思えてしまう。

ランナーにとって同じ景色が続くのって「前に進んでない」ような錯覚に陥ってしまい、とてもつらいんですよ。(ホノルルマラソンの中盤の、あの自動車専用道路をご存知の方なら分かってくださるでしょうか)

 

今回のみちくさウルトラマラソンで、私はこの自衛隊駐屯地前を通過する15分~20分間がいちばんキツかった。道は平坦なんですけどね。この先の、林の交差点で右折するポイントまでは大げさに言えば地獄でした。距離的にも、ここまで56kmぐらい走ってきているわけで、そりゃあつらいですよね。でも「もうあと10km切ってる」というのを心の支えに、足を進めました。

 

でも…でも…いま走っているここは、三浦半島の西側。太平洋側なんですよ。しかしゴールは三浦半島の反対側の東京湾側。これから三浦半島の背骨地帯を越えて向う側まで横断しなきゃなんないんだと思うと、どんだけキツイのか、想像を絶するのでした。一度試走したから道は知っていましたし、距離でいえばあと7kmかそこらだとは分かっていましたけれど、ものすごい大きな壁が立ちはだかっているような気がしたなぁ。

 

 

林の交差点を右折してようやく自衛隊の駐屯地と別れ、道はまた緩い登りになります。最後のエイドを通過し、向うに見える「一騎塚」のT字路を右折すると、いよいよ最後の山場。三浦半島を太平洋側から東京湾側へ抜ける「峠越え」の道に入ります。

 

 

その「峠越え」の道はこんな感じ。特に何があるわけでもなく、まったく何の面白味もない!…とキレても仕方ないんですけど、もう疲れ切ってるだけに「せめて目に優しい景色が見れたらいいのに」と思いながら走っていました。

 

 

そんな中、道沿いにあった中古車センターに置いてあったこのバス。私はこれを見た瞬間、ビートルズのある曲が脳内に浮かんだんです。その曲名、分かりますか?ビートルズファンなら簡単すぎますよね~。私はここを過ぎてからしばらく、その曲を心の中で歌いながら走っていました。『Roll up…』カラオケ

 

それと、チューリップにも『魔法の黄色いバス』ってあったよな?と考えていたんですけど、後から考えたらバスじゃなくて「靴」でしたねスニーカー まぁそんなことでも考えないとやってらんない!ぐらい疲れていたと思います。

 

 

そうこうしているうちに「三浦海岸4km」の標識が見えて来ました! あと4kmか。陸上競技場なら400mトラック10周!それって近いの?遠いの?なんかもうよく分かりません。とにかく前へ進むだけ。

 

 

そして60kmポイントに到達!この先の「庚申塔」の角を左折すれば、あとは畑の中の平坦路を走ってそのあとは下りで、海に出るはず!

前の記事に書いたように、ここで私の60kmポイントの通過予定時刻を確かめたら18時。時計をみたら、まさにその時ちょうど18時だったんですよ!あまりにも図ったようにぴったりで、身体は疲労の極致でしたが思わず笑ってしまいました。そして「残り3kmを1時間かけてもいいんだ。それなら大丈夫!」と、ここで本当に完走の自信が湧いてきたのでした。

 

 

なお、これが今回のペースノート(再掲)。左半分を名刺サイズの紙に書いてクリアホルダーに入れ、汗で濡れないように封をしてポケットに入れておき、10kmごとにポケットから出して、予定とのズレを確認しながら走りました。

青い枠で囲ってあるのは、途中関門での制限時間。今回は奇跡のように、予定時刻からのマイナス(遅れ)は最後までなかったです~

 

 

はい。左折するとまたもやこんなふう。360度ぐるっと見渡す限り畑です。こういう景色の中を5分ほど走ると急な下りになって、京浜急行のガードをくぐり、「諏訪神社入口」の交差点に出れば…

 

 

やった~!三浦半島の東京湾側に出ましたよ!いやぁ意外に、太平洋側から東京湾側までの「峠越え」は近かったし、登り下りもそんなにキツくなかった。試走した時はもっと距離が長く、アップダウンもキツい印象だったのでかなりビックリ。そして向こうにはゴール地点も見えています。ここで時刻は18時半ぐらいだったから、もう本当の本当に大丈夫!はぁ~。

 

 

ゴール地点にはオフィシャルカメラマンがいてゴールの瞬間の写真をメールで送ってくれるらしいのですが、まだ届いていません。これは私のスマホをスタッフさんに渡して撮ってもらったもの。実際はもっとかなり暗いのですが、照明の下に立っているので明るく撮れています。

 

 

63kmを11時間32分23秒でゴールしました。このタイム、数字が1と2と3しかないから、なんか覚えやすくて暗記してしまいましたニコニコ 63kmを走れたことも誇らしいですけど、11時間半もほぼ休まず身体を動かし続けられたということのほうが嬉しい気がします。あと2カ月で68歳という年齢を思えば、なおさら、ね?

 

ちなみにこの日の歩数は92045歩でした(家から会場までの往復を含む)。

 

去年は50kmポイントのそれいゆの丘でリタイアして、ここまでは「収容車」で運ばれてきたんですよね。だから完走メダルも貰えなくて。最近は完走してもしなくてもメダルは貰える大会が多いようですが、やっぱり完走した人だけが手に入れられるメダルは重みが違う!今回しみじみ思いました。

 

ゴールしてすぐこの喜びをお伝えしたくて、このブログ3つ前の『現場からお伝えします』という記事を投稿しました。しかし書き始めた段階でスマホのバッテリーが残り4%だったんです! 早くしなきゃと焦ってしまって逆に何度も失敗してやり直して、投稿し終わった時は1%でした! モバイルバッテリーは持って行かなかったので、つくづく、ツイてましたねぇ。

 

ゴール後の体調は想像していたよりも良かったです。2度シューシューしたエアサロンパスのおかげか、疲労も筋肉痛もあるけど身体は普通に動きました。去年50kmでリタイアした時は、走るのを止めたあと、落としたものを拾おうとしてかがんだ時とか、銭湯で身体を洗うためにつま先を身体のほうへ持ってこようとした時に脚が「ビッキーン!」と痙攣しそうになって何度も「ヤバいよヤバいよ」を繰り返しましたけれど、今回はそれが全然ありませんでした。

今年のほうが去年より13kmも長い距離を走っているのに、ダメージはむしろ少ない感じ。不思議なくらいです。エアサロンパスの効果でしょうか。それと今回のレース直前に取り入れた「大腿四頭筋に無駄な負担をかけないフォーム」を意識したのも良かったかもしれません。

 

すっかり日の暮れた三浦海岸の駅まで戻り、京急久里浜の駅前にある大きな銭湯(テニスの後にも時々寄ります)で汗を流して、駅前の居酒屋で軽く一人打ち上げをする心づもりだったのですが、電車を待っているうちに面倒になって、まっすぐ帰宅して家のお風呂で済ませてしまいました。結局「打ち上げ」的なものはしないままになっています。まぁ、いいかなと。

 

 

 

ーーー

 

 

 

<総括>

●気温が涼しく、天候に助けられた

●大腿四頭筋に負担をかけないフォームがうまくハマった(?)

●エアーサロンパス効果

…これらに加えて、今さら変な言い方ですけど「今年は本気で走った」というのも完走できた大きな要因だと思います。去年は初めから「50kmまで行けたらいいや」という思いだったので、途中で思いっきり何度も立ち止まって休んだし、三崎にあるお気に入りの和菓子屋さんでお菓子を買ってお店の前に座り込んで食べたりとかで「何がなんでも63km完走!」という意識はありませんでした。

でも今年は「実現できるかどうかはともかく、完走を目指す!」という意思はあったので、菓子パンを食べる時も決して立ち止まらず、先へ先へという気持ちで足を進めたのが完走に結びついたと思います。

 

レースに合わせて腰痛が消えてくれたことも、もちろん大きな要因ですね。3月の東京マラソンでも直前に体調を崩してDNS目前だったけれど走れた。あの時も今回も「ベストコンディションではないけれど、上り調子の状態で本番を迎えられた」という点が幸運でした。考えていたようなトレーニングは積めなかったけど、それがむしろ「疲れを貯めない」という良い方向に出たかもしれません。何が幸運が分かりませんね。

 

ただ…不思議なもので、ゴール後も、そして今も「やったー!」と跳び上がって叫びたいような歓喜や興奮、達成感は無いんです。「まぁ、良かった良かった」というぐらいの、しみじみした嬉しさだけ。東京マラソンのゴール後もそうでしたけど、全身が痺れるような悦びはない。なんでかなぁ? まぁ、いいんですけど。

 

なので「自分へのご褒美に、何か美味しいものを食べに行く」というのもやっていません。でもせっかく1年ごしの大きな目標を達成したので、ちかじかちょっとした「ご褒美旅行」に出かけるつもりです。そのレポートもお楽しみに。

 

 

 

 

 

最後になりましたが、2度目のチャレンジで初めての完走という今回の嬉しい結果を、ブログフレンドのあっちむさんと、みちくさウルトラマラソンの翌日の午前2時過ぎに天寿を全うされた、あっちむさんのお父様に捧げます。去年も書いたように「マサミさんなら、走れますよ」というあっちむさんの言葉が無ければ、私はウルトラの世界に足を踏み入れることは無かった。

まるで今年の横須賀・三浦みちくさウルトラマラソンの終了を見届けるかのように旅立たれたあっちむさんのお父様のご冥福を、心からお祈り申し上げます。合掌。

 

 

 

 

オーナメント

 

 

 

 

例によって長い長い記事、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。走る人も走らない人も、ケガや故障で今は走れていない人も、すべての人の健康と安全と、平和で穏やかな毎日を心から願います。