慶應高校野球部・森林監督シリーズのラストです。
今日は高校野球でよく言われる「教育の一環」という言葉について、森林監督の考えを軸に思ったこと・考えたことを書いてみたいと思います。ㅤ
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(第1回:森林監督ってどういう人? )
https://ameblo.jp/masaki-53so6/entry-12817972829.html
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(第2回:「エンジョイNG」の歴史的背景)
https://ameblo.jp/masaki-53so6/entry-12818108841.html
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(第3回:エンジョイベースボールの本質とは?)
https://ameblo.jp/masaki-53so6/entry-12819034360.html

 

 

 


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高校野球に限らず、「部活動は教育の一環である」ってよく言われるじゃないですか?
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部活動は「学校の課外活動」なので「そりゃそうだよね」と思う方が大半だと思うのですが、ここで言っている「教育の一環」って具体的にどういう教育なのかについては、なんとなく、ぼんやりと、ふわ~~~~~~~っとしていて、「具体的にこういうものだ」とは整理されていないと思うんですね。
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だから「俺の教育論」的なものがはびこったりする恐れがあり、それが体罰にも繋がってしまうわけですが、この「部活動を通じた教育論」ということにおいても森林監督の考え方は非常に参考になると思うので、最後にそれをご紹介したいと思います。
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森林さんは高校野球の意義について自問自答をし続けた結果、高校野球自体に、教室の中だけでは決して手に入らない、次の3つの価値があるという結論に達したそうです。
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✅ ① 困難を乗り越えた先の成長を経験する価値
✅ ② 自分自身で考えることの楽しさを知る価値
✅ ③ スポーツマンシップを身につける価値

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この3つの価値は見ていただければわかる通り、高校野球に限らず「運動部共通」で得られる価値だと思います。
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順に見ていきますと、まず①についてはそれはそうですよねと、シンプルに理解できるものだと思います。
次に②ですが、これは前回の「エンジョイベースボール」のことですよね。自律的に考えながら取り組むことで、結果「考えてプレーすることは楽しい」ということを体得していくということですね。
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そして最後が③のスポーツマンシップです。
このスポーツマンシップについては、「なんとなくこういうこと?」というふんわりとしたイメージを持ちつつ、その定義をしっかりと把握していないという人が大半だと思います。しかし、このスポーツマンシップこそ部活動を通じた教育の本丸だと森林さんは仰っていますし、私もそう思っていますので、今日はこのスポーツマンシップについて、少し詳しくご紹介したいと思います。
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スポーツマンシップとは、スポーツに限らず「人間としての基本的なあり方」という意味合いがあり、特にスポーツを通じてそれを身につけやすいと言われています。
じゃあそのスポーツマンシップとはどういうものかというとキーワードが3つありまして、「尊重」「勇気」「覚悟」です。
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まず「尊重」というのは、この3つの言葉の中でもスポーツマンシップの一番根幹を成すものだと私は思っているのですが、相手、ルール、審判を「尊重」し、経緯を持って接するということです。
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たとえば、
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▼そもそも野球をしようと思っても対戦相手がいて初めてできることだから「相手がいてくれてありがたい」という気持ちで相手のことを尊重したり(切磋琢磨できるような関係性であればなおさら)
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▼ルールが決められていないと試合ができないのでルールをしっかり守ったり(≒見えないところで反則をするといったズルはしない)
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▼審判がいてくれないとスムーズな試合進行ができなくなるので、その役目を担ってくれている審判を尊重したり

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といった、そんな考え方がスポーツマンシップの1つ目のキーワードである「尊重」です。
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次が2つめのキーワードの「勇気」ですけど、これはいろいろなプレーに挑戦したり、強い相手にチャレンジしていくといった、自分を成長させていくための「勇気」です。これは分かりやすい話だと思うので具体的な話は省きます。
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そして最後が「覚悟」で、勇気を持ってチャレンジしていった結果、どんな結果になろうとも、「覚悟」を持って、きちんとそれを受け入れるということです。
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この「覚悟」の姿勢が一番現れる場面が「負けたとき」です。端的にいうと、「グッドルーザー」として振舞えるかどうか、ということですね。
そういう難しい状況でこそ、その人の本当の人間性が出るということで、
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▼礼儀正しく相手を讃えられるのか
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▼審判やグランドの状況、チームメイトのせいにすることなく、敗戦を正面から受け入れられるのか

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といったことですね。これがスポーツマンシップでいうところの「覚悟」です。
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そういう点でいうと、2023年夏の甲子園決勝で敗者となった仙台育英の選手たちは、まさに上記の「覚悟」を身につけた、素晴しいグッドルーザーとしての態度だったのではないかと思います。
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以上がスポーツマンシップを構成する3つのキーワードなんですけれども、読んでいただければわかるとおり、これはビジネスシーンでも完全に適用できる話ですよね?
なので、書籍「スポーツマンシップバイブル」(中村聡宏)では
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✅スポーツマンシップ=ビジネスパーソンシップ
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と、はっきり明記されています。
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そう考えた時、我々が日々向き合っているビジネスの現場において、このビジネスパーソンシップ、どれだけ発揮できているでしょうか?ということなんですけど、結構ひどい状況が散見されますよね?
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パワハラ、セクハラなんて「他者の尊重」を踏みにじる最低の行為だと言えますし、企業の不正も「ルールの尊重」を踏みにじっている行動だと言えます。
また、こういった「大きな話」でなかったとしても、日々のちょっとした場面において、「他者に対する尊重」「ルールに対する尊重」が欠けている場面というのは、日常茶飯事のごとく起きているのではないかと思います。
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そういった場面が大人になってから散見されているということは、学生時代に「スポーツマンシップを培っていく訓練がほとんどなされていない」といえるのではないでしょうか。
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森林さんも、特に野球部においては昨今の「勝利至上主義」によって、「勝ちさえすればバレないようにルールを破ってもいい」「目の前の勝利だけを優先し、学生をコマのように扱う(学生の人格や未来を尊重しない)」といったスポーツマンシップの真逆を行く行為が横行していると懸念されています。だからこそ、「全国の指導者に、新たな形を見せる」という思いで優勝を目指されていたわけですが。
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なので、日本の部活動における「教育の一環」の本質は「スポーツマンシップ教育である」ということを全指導者が理解し、それを実践してくことができれば、時間はかかると思いますが、その先の「職場」や、さらには日本の社会の景色が変わっていくんじゃないかと思っています。
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ということで、このたび慶應高校が優勝したことで、前回は日本の部活動に「エンジョイベースボール」の概念が広がってほしいなと書きましたが、それに加えて今回は「スポーツマンシップ教育」も広がっていってほしいなと、そんなことを思った森林さんの書籍「Thinking Baseball」でございました。
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以上で4回シリーズ終了です⚾



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今日も読んでいただきありがとうございました。





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