母の過去 305 | 不思議なトントン日記

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感動あり泣き笑いのブログにし皆さんが楽しみにしてもらえる事を目指します。
1話完結ではありません。根気よく読んでいただければ嬉しく思います。
時間のある方は初めから読んでいただければ、笑っていただけると思います。

305
 
 
微熱があるから営業所からおとなしく帰って来た母ですが、
家でも布団の中でおとなしくしているのですが、
おとなしくしているのは大好きな旅行のパンフレットを
夢見心地で見ているからです。
旅行代理店から今日に貰って来たと嘘を言いますが、
一目見て落書きやしるしがあるのを見ると
このパンフレットは少なくとも
数か月前からの物も混じっていると僕は思ったのです。
とりあえずは騙されたふりをして
父に報告しようと考えながら
同時に今晩の出前もなににするかと考えていたのです。
出前を考えても田舎に住んでましたから
定食屋か中華しかありませんが、
僕はその少ない品目を順番に思い出し
どれにするかと口からヨダレを垂らして考えて
いたのです。
それは母がパンフレットを見て体は布団の中でも
心は旅行に行っている気分と
同じような気持ちです。
やはり遺伝子には勝てません!
母は旅行で僕は食べ物です。
まだどちらも頭の中で思っているだけの事なのに
母は日本を脱出し!僕はカツ丼を腹いっぱい食べているのですから
似た者どうしです。
父が帰って来ても僕は母のパンフレットの事より
出前を優先して何にするのかを聞いたのです。
父は風呂で考えると言うと直ぐに風呂場に消えましたが、
出てくるのを待っていると
風呂場から父が呼ぶので行くと
風呂がまだ炊けていないと怒っているのです。
今は蛇口をひねるとお湯が出る便利な時代に
なりましたが、
当時は水を入れてガスで炊いていたのです。
時間にすれば20分程度の時間がかかったと思います。
これで出前の時間が20分以上遅くなり事に
ガッカリして妹に早く風呂を炊くように支持だけをして
テレビを見始めたのです。