「勤め」と「務め」~2つの「つとめ」について1
「つとめる」ことについてお話ししたいと思います。
「つとめる」と聞いて、みなさんはどういう漢字を思い浮かべるでしょうか? 多くの人は「勤める」という文字が、まず脳裏に浮かんでくるかと思います。
しかし「つとめ」に当てはまる漢字は「勤め」だけではありません。「務め」という言葉もあります。つまり「つとめ」には2種類の言葉と意味があるわけです。
「勤め」と「務め」。
社会人として私たちは、常にこのふたつの「つとめ」を心に刻むべきだと思います。
会社で仕事をすることは「勤め」です。収入を得るために働くことを意味します。一方、収入には反映されませんが、「社会の一員」としての責任を果たすための自主的な活動は、「務め」の言葉で表され「役割を務める」などと表現されます。
仕事に一生懸命励むことはもちろん大切ですが、社会で要求される役割を果たすことも、非常に重要なことだと思います。このどちらが欠けてもいけません。両方の役割を果たしてはじめて、人は本当の「社会人」になっていくのではないでしょうか?
つまり、仕事をして収入を得ているから社会人ではないのです。「社会」の一員としての役割も同時に果たすことで、本当の「社会人」になっていくことを知ってほしいと思うのです。