「いつか読書する日」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2005年邦画をアマプラ430作目となります。洋画見てると、時々は静かな邦画見たくなります。ずら~とサムネ流してると、題名が良かったので見ました。田中裕子、岸部一徳、仁科亜季子と出ていて、これはある程度見れると分ります。内容よさそうです。

 

見だすと、大体イメージ通りか、それを上回る展開描写が分り、最後まで味わって見れましたよ。また30分夜更かしして、一日で見たでしょうか。これは大体テレビ録画が少ないと、早目に見始めて早く見終わります。または続きが気になって、早目に見たりする場合です。

 

これ見てると、確か割と話題になってた作品で、田中らが撮影話などテレビで番宣など語ってた記憶を思い出します。20年も前で、出演皆さんらは大いに若いです。どうも長崎のの海沿い町の話で、あんな風に坂が一杯で、風光明媚だとは知りませんでした。倉敷かどこかと思いましたよ。

 

毎朝自転車で町を走って、その坂を上り下りして牛乳配達してる独身の田中裕子が居ます。昼はスーパーのレジしてます。それで田中には、高校からの両思いしてる公務員の岸部が居て、岸辺は重病の奥さんの仁科亜季子と暮らしてます。

 

仁科はもう余命僅かに悪化してて、一日中点滴とかの世話を岸辺はやってます。昼間は看護師が来てるようです。そして田中は、毎朝岸辺の家にも牛乳を配達してる接点で話は始まります。何故なら、もう岸辺も奥さんも牛乳飲まないのに、田中に毎日配達に来て貰うのを続けてたからです。それを奥さんも知ってました。岸辺と田中は高校からの幼馴染みだったのでした。

 

(以下ネタバレします)しかしある時奥さんは、愈々もう先は長く無いと悟り、また岸辺と田中の心の仲も知っており、自分が死んだらあとは、岸辺を頼むと話したい手紙を、夜に牛乳配達BOXの空き瓶の中に、メモ書きでフラフラになって歩いて、必死の思いで入れます。

 

田中はそれを見つけ、とうとう来たかの思いで分ってて、しかしちゃんと会いに行きます。でも、仁科にはそれは多分出来ない、答えられないと言って、その日は帰ります。仁科は必ずまた返事に来てねと懇願し、残された時間は無いから、早く来てねとまたメモ書きが入ってました。

 

しかし、とうとうついに田中は、奥さんには答えに行かず、仁科は亡くなりました。葬式の日看護師に何故来なかったのかと責められます。仁科が亡くなったあと、田中は岸辺に遭い、自転車で思い出の場所に行き、途中で俄か雨の大雨が降って来て、二人は田中の家に駆け込み結ばれます。

 

すると翌朝、岸辺が目覚めると、田中はもう牛乳配達に出てました。岸辺は田中の家を出て、自宅に戻ろうと増水した河辺を歩いてると、黄色いカッパを着た少年が、何故か濁流に入り渡ろうとして流されるのを目撃します。

 

岸辺はすぐに駆けつけて、少年を助けようと濁流に飛び込みます。田中は朝の牛乳配達を終えてると、河辺で救急車やパトカーが駆け付けて、只ならぬ雰囲気になってます。田中は胸騒ぎに追い立てられて、必死で河辺に行くと、少年が溺れて助けられた騒ぎでした。

 

少年は助けられましたが、溺れた人が居ると騒ぎは続いており、田中が近づくと、岸辺の遺体が引き上げられてました。しかし岸辺は笑った顔付をしていて、昨夜の逢瀬は長い両思いのようやく行き着いた果てだったとその時田中は気付いて、恋は成就されたと、そう言う話だったと思います。

 

悲恋と言うべきか否か。岸辺は何故に二人に愛情を注ぎ続けたのか。何故仁科と結婚することにしたのか、余り表面に出ない事情があったのか、聞き落としてのか少し分りにくい所がありました。同時進行で、田中の亡母の友人の渡辺美佐子が居って、この人が作家してました。

 

そして夫は、既に認知で面倒見てました。田中の部屋は本だらけでしたが、今から読書することになります。岸辺は市役所の児童相談課の仕事してました。そして岸辺も含めて、これらの人全てが田中の朝の牛乳配達で繋がってるのでした、と言う話でした。

 

これらを2時間少しで情緒深く、長崎の景色のもとで淡々とよく描かれていました。最後は急転直下して、田中と岸部は長い恋の果てに結ばれ怒濤に話は進んで終わりましたが、子供や岸辺が濁流に飛び込む場面は、かなりの難関の撮影してると思うほど迫力はありましたよ。

 

いくつか賞を取り、評価は良かったようでした。あ、すると大事な事を思い出しました。かつて昔、田中の父と岸部の母が不倫していて、自転車で二人乗りしてて、トラックに轢かれて亡くなってしまったのでした。だから二人は結婚出来ませんでした。父母のせいでした。

 

小説の原作がありそうですが、一応原案はあったようです。実話ベースのような気もしますがどうでしょうか。タイトルは岸辺が死んだあと、変わらず牛乳配達してると、田中美佐子にこれからどうするの?と聞かれて「本でも読んで過ごそうかな」と田中が応えた台詞から来てました。