「エクソシスト 信じる者」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2023年米国作をアマプラ429作目となります。かつてのウィリアム・フリードキンの超名作を、爆死覚悟でリメイクした、まあ言えばそれ自体がホラーのような映画と思いましたよ。まあ大体リメイクてそうなので、作っても見ない作品が多々ありますからね。

 

しかし原作がネームバリューありますから、それ自体宣伝済んでますから、まあ作る訳ですわな。狡い商法でもあり、原作を超えたものは、未だかつて無いと見てます。と言うことは、逆に言うと、どんな酷いものになっても、それを承知の上で作ってる、まあ言えば悲惨な作品ともなる訳です。

 

本作も、全く以ってその通りになってて、守鍬刈雄さんの情報で、既に今一と仰ってたので、どう今一だったのか、それを確かめるためにだけ見たでしょうか。映画お楽しみにも少し触れてたですね。しかしまあ、ダメモトで突撃すんねから、もうちょっと思い切って、ムチャやってくれたら面白かってんけどなあの残念作でおました。

 

もうあのね、企画段階から見放されてるような、可哀想な作品でもあり、まあ映画を生業にしてる人も、一定数は居ますから、仕方の無いことでおますわな。監督は「「ハロウィン」シリーズである程度名の知れた人だったようですが。

 

原作で出てたお母さん役のエレン・バースティンが、そのまま年取って結構出てて、最後に大人になって綺麗になったリンダ・ブレアとおぼしきが、一瞬出てて、これは何の懐古的作品なのかなと思わせましたよ。リンダ・ブレアは懐かしくて感慨はありましたけどね。

 

別に原作の撮影後に呪いも何も罹らずに、元気に過ごせたようでした。因みに最近当時のメイキング映像が出てて、皆んな思いの他楽しんで作ってたことが窺がえました。まあ大体得てして、見た目エグイ作品ほど、作ってる時は楽しいもののようでした。ただし僅かに呪いがかかる作品の噂もありますけどね。

 

予告映像で、当時のリンダ・ブレアそっくりに再現してるようなメイクもありましたが、本編ではそれほどでも無かったでしょうか。またメイク以外の特撮は殆ど無く、神父さんが首の骨折れて出っ張ったり、最後の盛り上がりで、ちょっと空中に浮いたりするぐらいで、特撮が殆ど無い即ち金も工夫も無かったのも残念だったでしょうか。

 

まあ総じて、懐古趣味の入った、フツーのB級ホラー映画だったでしょうか。結局最後は、神父は悪魔祓いが許可されず、何やら知り合い親戚10人位の大人数が集まった中で、降霊会がごときの展開となって、まあかなり賑やかとなり、ふざけてるのかと思いましたよ。もしくは計算違いしてます。

 

(以下ネタバレもします)黒人白人の少女が二人居って、ある日森の中へコックリさんごとくに行ったらあかん洞窟沼へ立ち入り、3日間行方不明となり、ついに見つかると、既に悪魔憑きになってました。あとはまあ原作と同じで、卑猥語喋り、変になって行きます。

 

奥さん亡くして独りで育ててるお父さんを苦しめたり、もう一人の白人少女は、そのまま家に居て変になっており、最後もあっけなく死んでいて、余り意味無い配役と思いましたよ。要らんかったと思います。まあ残りの黒人少女だけが酷い目に遭うのが、何か問題あったのかはよく分りません。

 

まあ大体は、悪魔は白人キリスト教の話ですから、黒人や東洋人、アラブ系とは余りそぐわないですわな。それでまあ原作通り、少女は入院検査もしますが、結局は悪魔祓いしかないとなり、書いたように素人だけが、10人ほど集まって、自宅で賑やかな悪魔祓いします。

 

教会無視して現れた若い神父は、すぐ首折られて死に、何とか皆で悪魔を退散させ、残ってた白人少女は死に、行方不明になってたリンダ・ブレアは、最後に病院の母親のエレン・バースティンに会いに来てよかったよかったとなり、訳は分りませんでした。

 

これで製作費30億円、興収137億円と書いてますが、一桁違うと思いましたよ。どこに金かかってるのか、もしかして米国の分業製作システムが、こうして高額にしてるんちゃうやろかと思わせてしまいます。

 

展開のピッチも遅く、だるく、切れが悪く、無駄が多く、これは2時間弱ありましたが、1時間20分に出来たと思いましたよ。Wiki読んで行くと、本作はリブート3部作の1作目らしいですが、続作は不調のようで、やめた方がよいと思います。

 

この2作目でも、原作を繰り返してるだけであり、これ以上作っても繰り返すだけだと個人的には思いましたよ。また本作も思い出すと、突然の大音響やサブリミナル表現の繰り返しに終始して、余りに新味が無く、表現のアイデアが驚くほど古びてて、ある意味唖然としたのでした。これは何年前の映画だと思いましたよ。そう言うのが懐かしい人が見に行ったのでしょうか。