「蠢動-しゅんどう-」 | 定年後の風景

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2013年邦画をアマプラ423作目となります。この次作の「武蔵-むさし-」をまた雰囲気味わいたくて2回目を見ました。これで台詞はさらに2割は分る内容が増えました。こまごまと喋ってる内容で、分ることが増えましたよ。それでも分らない話は残ってますけどね。

 

それでまあ、前作の本作で、注目を浴びたとあったので、どんなものか見てみました。するとタッチはそっくりで、中々楽しめましたよ。ま、設定も武蔵と似てました。優れた剣士が居って、やっぱり悪家老に騙されて、時代に翻弄されて酷い目に遭うと、そう言う話に変わりが無いように思えました。

 

常に時代の変化の波に翻弄されるところが特徴的と思いましたよ。武蔵ですらそうでしたからね。しかし若手藩士の中で、抜きん出てやり手の若藩士の主役が、まあやり手ですが、まだ精神的に修行が足りず、すぐ切れる性質で、結局それで渦中に巻き込まれます。

 

しかし、それが武蔵ほどの圧倒的剣術士に見えないところが、個人的にはやや話が分りにくかったです。なのでこれを圧倒的に抜きん出た武蔵で作ることによって、作品はより際立って主張がはっきりしたように思いましたよ。

 

つまりはよく知りませんが、主役を圧倒的な剣術士にした方が、悲壮感増し、物語がくっきりしたように思いました。Wiki見ていくと、三上監督の自主映画時代の16mmオリジナル映画を、リメイク拡大した本格作とのことです。

 

例によって俳優陣は、平岳大、若林豪、目黒祐樹らの錚々たる面々が、本格時代劇の体裁を整えています。後半雪上での圧倒的太刀回りとなりますが、雪上での大殺陣は、多分一発勝負で撮った緊迫感があったと思いました。剣術や殺陣については、知識が無いので何とも分りませんでした。

 

ただし、雪上のためだったか、血飛沫はほぼ無しにしてて、これは致し方無かったと思われました。なのでCG血飛沫も出せなかったでしょうか。一度だけ最後に留めの血だけ吹いてました。

 

(以下ネタバレします)天保時代に、山陰因幡藩に、一人の剣術優秀の若藩士が居ましたが、性格は未だ未熟で、何かと立てついてて、江戸から派遣の剣術指南や家老らには煙たがられてます。それでまあ、あいつも行く行く邪魔だと、修行と称して、紹介書と通行手形を持たせて早急に他藩に行かせます。

 

ところがですわ、それは江戸から剣術指南に来てる目黒祐樹を、藩が江戸へ金銭備蓄の情報流してると言う疑いで、酒飲まして闇討ちして、下手人を旅に出す、かの若手藩士の持ち物を、証拠に置いて濡れ衣着せる、家老の魂胆でおました。

 

それで何も知らず出立した若藩士を追って、若手藩士達の希望者10人ほどを、藩の剣術指南の平岳大が引き連れて、か奴はワシが斬ると、追っ手に出ると言う、無慈悲非道の物語なのでした。江戸の剣術指南役の目黒祐樹を闇討ちしたのは岳大であって、陰謀の張本人だったので、藩士らには斬らせず、自分が斬ると言ってたのでした。

 

追っ手に追いつかれた主役藩士は、何事かと訝りますが、10人の追手は既に指南役の仇と、殺すつもりですから、ここから雪上の大殺陣が繰り広げられます。しかも若藩士たちが先に主役に追いつき、大殺陣を繰り広げて、結局は全員を討ち倒し、岳大が到着した時は主役一人になってました。

 

主役は最後まで何故こうなったのかと叫びますが、岳大と一騎打ちして、やっぱり同士討ちとなり、主役の方が深傷となって、結局岳大も傷負いながらも勝って、引き揚げます。主役は岳大が到着する前に、紹介書を開けると、それは白紙で、全て陰謀と知ります。

 

岳大は這う這うの体で、城へ戻り、藩主と家老に討ち果たしを報告します。その前に江戸からの使いが因幡藩の金銭備蓄を調べに到着してましたが、その情報源の目黒は既に陰謀により討ち果たして安泰だった、とそう言う話だったと思います。ああ時代劇は書くのが疲れます。

 

まあ大体テレビでも、悪代官や悪家老、悪藩主が居って、正義の侍がそれを暴く話が殆どですが、まあ映画だと、その正義の侍がどこにも居らん非情なパターンが殆どですね。本作はテレビか何か見てた記憶がありました。書いたように、主役若藩士が、これほど剣の達人だったのは分りにくかったです。

 

師範と同士討ちするような達人を、いくら10人で立ち向かっても、勝ち目無いと思ったですけどね。それでも志だけでも立ち向かったでしょうか。因みに最近分ったのは、何故皆で取り囲んで一気に斬りかからないかと言うと、殆ど同士討ちになるからだと気づきましたよ。

 

主役藩士の姉が、牧瀬里穂と思ってましたが、よく似た、さとう珠緒と言う女優さんで、熱演好演してました。あ、最後は主役藩士は死んでおらず、夜の雪上で起き上がって、雄叫びを挙げてました。即ち岳大は最後に短刀出してましたが、留めを刺さなかったのでした。これは続編に続くのでしょうか。