「怪獣王ゴジラ」 | 定年後の風景

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1956年米国編集作をアマプラ414作目となります。邦画ゴシラ初作を、米国映像を追加編集した変な作品で、存在自体を初めて知り、勿論初めて見ました。米国人記者レイモンド・バーの場面を追加撮影して、邦画ゴジラ初作を継ぎはぎ編集して作ってます。

 

レイモンド記者が、この日本のゴジラの出来事を取材して、自らも現場で大怪我しながらも、極東で起こったこの奇怪大事件を報道すると言う、奇妙奇天烈、奇々怪々の不思議映画でおます。なんでこんなものをわざわざ作ったのか。その謎解きのためにも書きました。

 

ちゃんとWikiもありました。最初はこんな極東の、さきの戦争に負けた国の作ったゲテモノ映画など、誰も見ない、もしくは公開出来ないかも知れないものを、一応名の知れた米国人俳優を主役に据えて、米国映画として興業配給に乗るようにしたと思われました。

 

そして、東宝が米国に紹介したかった前向きの姿勢があったのかを解明して行きます。追加撮影と編集は、米国スタッフとキャストがやったように思われます。レイモンド・バーとは、ご存じテレビの「鬼警部アイアンサイド」で著名ですよね。「弁護士ペリー・メイスン」もありましたね。

 

Wiki見てると、同様の追加編集版「ゴジラ1985」にも出てたようで、知りませんでした。邦画シーンでは英語に吹き替え、日本語のままのところもあり、現地俳優に同じ衣装を着せて、後ろ向きにして顔分らないようにして、そのまま英語話させると言うことを何度もやってました。

 

昔はこう言うことをよくやってたのか、とにかく無理くたなんでもやって、継ぎはぎやって作ってます。ま、ゴジラ場面以外の日本人俳優の場面など、米国人には知らない俳優ばかりで、殆ど関心無かったでしょうからね。

 

しかしまあ全体としては、それなりに目的果たして、まじめには作ってあり、内容もゴジラの迫力も真意もちゃんと伝わってると思いましたよ。Wiki見て行くと、このゴジラ初作は輸出上映されて無かったとのことでした。

 

1954年の国内製作公開のあと、1956年に輸出用の本作が製作されて初めて、英語圏で公開されたようです。ゴジラ初作が、そのまま輸出海外公開されてなかったのを初めて知りました。位置づけは、日米合作映画となってるようです。興業的には成功したそうです。

 

そりゃそうでしょう。面白いし、映像精度は高いし、一流の俳優が出て、演出して作ってます。また続編が延々と作られ、ついには自国でも作るようになるとは、米国は夢にも思わなかったか、既に予想ついてた人も居たでしょうか。

 

まあ想像では、大体人間パート部分は、要点部分以外は殆どカットして、その時間に、レイモンドらが、あっけにとられてゴジラの猛威を見つめるシーンがはめ込まれてます。1957年に日本に逆輸入して、「海外版」として公開されたようです。

 

その時は、配信版のように、英語部分は字幕か吹替えにしてたと思います。本作で、多分初めて日本語の英語吹替えと言うのを見ましたが、まあまあ中々うまくやってたと思いますよ。二人くらいで適当に入れ替わりやってたようですが。

 

当然初作の、宝田明、河内桃子、平田昭彦、志村喬、その他脇役の面々が出ていて、まあ言えば初作も部分的ながら久し振りに見ましたが、河内桃子は細くてスタイル抜群で、上品で日本的で素晴らしい女優だったですね。

 

また全編英語ナレーションが入って、内容は分り易いと言うか、ナレーション入れないと全くの独自設定で創作してるので、海外人には理解し難かったと思いますよ。

 

Wikiによると「オリジナル版にあった長崎市への原子爆弾投下、ビキニ環礁の水爆実験、原爆実験によるマグロの放射能汚染などの原爆・水爆に関する要素は、すべてカットされた」とあり、当然でしょう。

 

ゴジラには、もともとこう言う微妙な面があるのに、この辺を米国民はどう受け止めてるのかは、やや訝しいところがありますね。何か勘違いして受け取ってる気がします。きっとこうでしょう。そもそも日本人が、無謀な太平洋戦を始めたので、米国は原爆を使わざるを得なくなり、その弊害をゴジラとして、日本人が自らが被ることになったのだと。

 

日本人は、一つもこう言う風には思っておらず、あくまで米国が原爆の開発に最初に成功して実験したから、ゴジラが生まれた、と言うのが初作映画の主旨と思ってますよ。またそう言う主旨で映画は作られてると思いますけどね。

 

すると、Wikiによると、またよくもまあ東宝も、米国に初作を売り込みにも行ってたものですね。その結果この海外公開版が共同製作されたようですからね。そしてまた、米国の製作配給会社も合意したものですね。

 

余り放射能のことやらを深刻に考えてないか知らなかったかも知れないのでした。実際放射能は殆ど一般には知られてなかったと言うか、知らせてなかったようですからね。それでもゴジラは今でも米国でも人気あるのは、かなりの不思議ではあります。

 

またWikiには、「『怪獣王ゴジラ』はアメリカで成功した初の日本長編映画であり」とあります。他作も公開されて筈ですが、成功はしなかったのでしょうね。ま、Wikiも想像以上に読み切れんほどの本作の情報に溢れていて、これがゴジラフリークの奥深き恐ろしさを物語ってもいると思いましたわ。

 

なので、余り深く足を踏み入れないことだとも思いましたよ。なので本作についも、その後の経緯も含めて、もの凄い情報に溢れていて、最後は読み切れんほどでもありました。尚、後に2004年に、原初作は米国でイベントで劇場公開されたとのことでした。

 

Wikiの中の評価としては「「ゴジラは改変で完全に破壊されたわけではなく、モンスターの恐ろしい魅力は幸いにも映画的手術を免れたが、ゴジラの感情的なパワー、知的な奥深さ、社会的関連性、理屈抜きのインパクトの多くは改変の中で喪われてしまった」と書かれてて、そうかも知れません。当然、原初作の方には、それらは明らかに残されてるのは確かでしょう。

本作のWikiは長文でしたが、画像は殆どありませんでした。ほぼ全て初作と同じだったからでしょう。