「カンダハル 突破せよ」 | 定年後の風景

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2023年米国作をアマプラ380作目となります。ジェラルド・バトラー主演の中東戦ものですが、聞いたような気はするものの、それほど評判は伝わらなかったですね。例に寄ってドンパチやる派手なアクションものと思ってました。

 

ところが、展開テンポは速くて切れるものの、意外に地味で、真面目に中東問題を語り描く作品で、驚きましたよ。一人のイラン人通訳と行動を共にする脱出行でしたが、真面目に語り合い双方の家族も絡んで、良い映画だと思いました。

 

多分はCGと思うのですが、迫力ある本物としか思えない大爆発攻撃シーンが出て来て、大変な迫力で見せてくれます。広大な砂漠で大ロケしてると思われ、見応え十分と思いましたよ。タリバン、ISIS、アフガン軍、米軍、そしてCIA、イラン地元民通訳など、ありとあらゆる集団が出て来ます。

 

そして、その関係と動き思想を映画ならではの表現と台詞で見せてくれて、これは決してWiKiなどの文章で分るものではありません。中東やウクライナの地元雰囲気は、これは映画で最も味わえるものと思われ、もっと映画を作り見るべきと思ってます。

 

するとニュースや報道の実感がより繊細に味わえます。作りものとは言え、映画の中で人は生きてます。先ずはイランで地下の核開発施設を通訳と二人で大爆破して、盛大にキノコ雲上げて、破壊したあと早速次の任務へ向かったところを、正体をマスコミに暴かれます。

 

なので、金目当てに中東のそこら中の組織に命狙われ、アフガンのカンダハルのCIA基地へ、通訳の爺さんと一緒に脱出行して、そこに中東情勢織り交ぜて、中身濃く描いてます。トップエージエントがどのように死地をこれまでも生き延びて来たか、これほど活写した作品は少ないと思います。

 

尚、核工場を爆破しても原発爆発と同じで、核爆発はせず、あれは水蒸気か水素爆発、もしく通常爆弾で、大きなキノコ雲が上がったものと思います。しかし放射能が撒き散らされたのは間違いありません。ジェラルド・バトラーは製作もしており気合い入ってます。

 

(以下ネタバレします)核施設爆破は大きな工場全体が陥没する地下爆発の様子が上空ドレーンからの映像で見れます。排気塔も地下にしてやがると、細かい台詞が入ってます。通常、試験的な原発があると、巨大な放熱塔が要ります。

 

恐らく原発作って核用プルトニウムを製造濾過してると思われます。これらはニュース映像でもよく出て来ます。バトラーは遠くのビルの屋上から、爆発の瞬間を双眼鏡で確認してます。WiKi見ると、このあと出て来る超広大な砂漠は、米国友好国のサウジで撮影されたとあります。

 

なのであの広大な砂漠での車両などは全て実写と思われました。またサウジで撮影された初めての米国大作映画とあります。後は正体バレたまま広大な砂漠を見知らぬ高齢地元通訳と野営しながら数々の反米組織やら、たまにはどちらで出も無い、旧知の集団やらに襲われたり合流したりします。

 

しかしそう言う仲間は親米で、通訳にとっては裏切り者だったり、揉めて離脱したり殺し合いしそうになりながらも、なんとか通訳とも親交を深め、遂にはCIA基地に到達したところで、難敵タリバンに襲撃されて、砂漠の大激戦となり、遂にはさすがに、ここで命運尽きたと諦めかけます。

 

しかしここで、米軍は遂に監視していた衛星画像をもとに、タリバンの機銃トラック数台を一撃のもとに撃破してくれて、奇跡的に重症負いながら、二人はついにCIA基地にトラックで逃げ込んで助かり、最後は二人は米国の地と、通訳はアフガンの地元に戻る輸送機に乗り込み、それぞれ家族に会える場面で終わってます。

 

誰が敵で誰が仲間か、何故こうなったのか、どうしたら防げるのか、を通訳やその他の集団と議論する脚本が優れてます。実体験の原作がありました。またバトラーを執念深く追うライダー戦士の設定も優れてます。最後の軍攻撃は恐らくドローン攻撃で、あれは流石に区別つかないCGと思うのですが実爆発だったでしょうか。

 

ひょっとして実爆発かも知れないと思わせかねない本格ロケとリアルさをこの映画は持ってると思いましたよ。暗視スコープの使い方や、原語交えて交わす台詞は非常にリアルで、臨場感いっぱいを味わえます。本作はバトラーが出ているので動画で、かなりの長さを見た部分がありました。