「メッセージ」 | 定年後の風景

定年後の風景

定年後や病気のこといろいろ書いてます

 

2016年米国作をU-NEXTリトライ第2弾となります。アマプラで見たいなあと思ってて長らく有料だったものがユーネクで無料だったので早速見ました。SFファーストコンタクトものでポスター見ると期待できそうでかなり評判になってた気がします。

 

雰囲気よさそうです。SF短編を原作にしてます。やはりまたやたら中国出て来たり中国系の俳優さんも出て来てあまた中国資本かと思ってると原作が中国系有名SF作家さんでした。すいません最近のSF動向全然知りません。最近はこんなSFしてると初めて知りました。

 

原作と同じか知りませんが導入部は中々のもので繰り返し繰り返しこういう類い作っていくと読者の要求も増々厳しくなり今まで見た中でも最もリアルに出来てると思いました。さすがに新SFしてます。世界の12ケ所にある日突然正体不明の巨大物体が出現しマスコミ軍ネットが右往左往します。

 

無関係と思ってたエイミー・アダムスの言語学者が突如夜中に自宅に軍が訪れすぐ手伝って欲しいと依頼され物理学者のジェレミー・レナーと共に異界生物とのコンタクトに奔走する顛末となります。滑り出しは純SFの醍醐味満点でよろしいなあ。ここでああ楽しませてもらって一日目視聴終了し楽しみに眠りにつきます。

 

さてここからですわこの手のコンタクトものの勝負は。これまでも似たパターンでいやと言うほど作られ尽くしてます。まあどれかのパターンになると言うのは避けられないでしょう。そしてまあ今回のように細部がじわじわと良作となる歩みを刻みますね。

 

しかしある日突如世界に異界巨大物体が多数現れてあとどうなるかの展開でそこそこのものは幾多作られていてまあ好みもありますが決定打というのは難しい気がします。小説では勿論クラークの「幼年期の終わり」が個人的には紛れもなく決定打と思っていますがと言うよりそう確信したので他は殆ど読んでない唯我独尊です。

 

映画でと言うと少しパターンは違いますがやはり「未知との遭遇」を置いて他には難しいでしょうか。2001年も未知知性との遭遇ですが。それでまあ回りくどかったですが本作は一見ストレートにコンタクトしますが段々恐らくはインナー即ち内宇宙に向かうパターンとなりました。

 

そうなるとほぼ個人の思念の話となり壮大な世界に突入してるのかも知れないですが要は分りませんでした。今からWikiとか読んで分って深い意味に感動するかも知れずまあそんなものかだったかこれは分らないのでした。

 

もし分らないままでよしとする作風ならそれは良くないことです。分らなくて良いと言う風潮を残したのは2001年の唯一の悪弊だったでしょうか。

 

(以下ネタバレします)女性言語学者が夜中に突然軍に叩き起こされ現場へ連れて行かれまさかのその物体を肉眼で目にすることになり況や急いでその巨大物体の内部へ入っていくとこら辺は血沸き肉躍るリアル表現で見事なものです。久しぶりに本格SF感を体感させてくれたでしょうか。

 

物体は宣伝ポスターでも明かされていて彼女もニュースで騒がれていましたが画面には出て来ず軍用ヘリで前線基地に近づきそれから徒歩でそれに近づいていく所ら辺は凄いものです。巨大です。高さ450mと言ってて繭を立てたような形状で垂直に聳えてます。

 

不安定に立ててんねなあと思ってるとさらに近づくとなななんと地面から1メーターほど浮いてました。重力を完全制御してました。しかも近傍には重力電磁波磁気放射能ガスなどの有害物は検出されてません。3時間ごとに下部が開き中へ入れると言われその時間に間に合うように急いでましたね。

 

してみると出現直後に早くも勇敢に軍が接近ししかも導かれるまま中に入っていったようです。またもや二週間後に検討始めるどこぞやの国とはえらい違いです。軍は早いです。異界生物らしきは二体出現ししかも何か言葉もどきの音声発しててそれを録音しそれを聴いて分るか?と夜中に彼女の家に押しかけたですね。

 

彼女はそのくぐもった呻きのような声らしきもの聴いても分らないと答えで何人いるの?と鋭く聞き軍は二体だと答えます。即ち既にコンタクト持っていました。彼女は基地到着後にどんな形してるの?と聞くと軍は見れば分ると言われます。

 

そして早速防護服着せられて巨大物体の底部に空いた四角い入口からリフトに乗って数人で四角いシャフトを上昇して行きます。するとある地点から重力が減り始めついには無重力となり今度は数百メートルはあろうかのシャフトを遊泳して登って行き最後は縦面に重力が発生しそこに立って垂直に少し歩いて行きます。

 

するととついには頂部に到着しこんどは水平に歩くと恐らくは大きな透明の遮蔽版がありその向こうは霧のような靄が漂っていてそこから何が出て来るのか隊員達は待ちます。どきどきしますなあ。現れたらショックで正気で居られるやろうかの緊張感になりますね。

 

すると愈々靄のなかにかなり大きな正しく蛸様の異界生物が二体現れます。これかあと初めて目にする彼女と物理学者の男性は目を見張ります。しかし反応がありません。声らしき音だけ聞こえて進展がありません。だから言語学者の彼女を呼んだです。

 

彼女は持てる専門知識を総動員して要は何を聞きたかったかと言うと何しに地球に来たかです。彼女は必死でボードに私は人間などと文字書いて掲げるとついには異界生物は初めて反応して動き何やら訳の分らないガス状の円形物質を吐き出して来ました。それは彼らの言葉でした。

 

これで一挙にコンタクトは進展しあとはこの言葉を解読し尚且つ人類語を彼らに伝えることでした。緊張の瞬間は過ぎあとはコンタクトを進め地球来訪の真意を知るだけとなります。最初の仕事終え基地に戻ると余りの緊張とショックとストレスで物理学者は嘔吐し女性もぐったりしますが軍には前任者よりマシだと言われます。


そして真相明かして行くこの辺から分らなくなります。う~んこの辺で思うのはそんな科学力でここまで来れるのに地球言葉分らんかいのアンバランスです。簡単だと思うんですけどね。幼年期の終わりの異星人は最初から楽勝に流暢な英語喋ってましたけどね。こんな記号のやり取りは無いでしょう。

 

イメージデザインは見事でよく出来てましたけどね。そしてここから見てても分らなくなります。何やら異界人の影響か難病で亡くした娘の幼い頃の幻影が出てくるようになります。あ、これでインナーに向かうねんなと分ります。恐らくは大きな映像的変化は無かろうと想像できてしまいやはりそうなりました。

 

言語を分析していく内に兵器とかの言葉が出て来てやっぱり侵略かいと痺れを切らした先ずは中国辺りの共産系国が攻撃始めます。勿論物体はビクともしませんが。まあこちらの敵意は伝わったことになります。そこでまあ前線基地も危なくなり引き揚げとなる時に一人彼女だけが個人ポッドに招かれて上空へ上昇した物体へ上がります。

 

そしてしまた物体に入れ可能な限り異界人との会話を試みます。すると3千年後に人類が自分達に必要になることが分りそれまで人類を守るために来たと言います。2001年を含むあまたのSFに出てくる話しでした。しかもそれを知る彼らは時間すら制御出来てることが分ります。

 

そして彼らの言語を吸収することで彼女自身が意識上時間旅行するようになり自分の未来を見るようになっててその能力使って中国軍の攻撃を阻止できました。間接的に異界生物が阻止しました。そして今わの際に彼女一人に膨大メッセージを送りそれを解読すると「3千年後に人類から助けられるため、贈り物をする」の意味だったようです。その後世界中の巨大物体は異次元に入り込むように消えて行きました。

 

その贈り物とは何かは映画からは読み取れませんでした。意識でタイムトリップして未来を知る能力だったでしょうか。少なくとも敵意は無いの意志表示だったでしょうか。超絶異界生物が現実に居るの誇示でしたか。それらを以て人類の行く末を考えなさいと言う戒めだったのか。

 

他にネット見てみますがもしこのようなはっきりしない抽象的な意味合いであるなら旧来のSFファンは納得し辛いと思いました。今の若い方々はこんなもんのファンタジー童話と思うかも知れませんが。異界物体や異界人、異界人の言葉のデザインが原作からあるものなのか映画でデザインされたものかは分らなかったですが優れていると思いました。

 

しかし何故裸の蛸形状なのかはよく分りません。宇宙人の定番なのでしょうか。動物そのままの気がするし所謂機械文明を脱皮してるのでしょうか。因みに注意深く書いてますがこの物体や生物と思しきものが宇宙から来たものかは分らないままと思われました。恐らくは異次元生物でしょう。光速を超える方法などという言葉は出て来てるようですが。

 

思わず長文になり申し訳ないです。まあしかしやっぱり正面切ったSFは何につけよいものです。アカデミー音響編集賞を受賞し作品賞、監督賞にもノミネートされ大変な評判作だったですね。主演のエイミー・アダムスは相変わらず魅力的で熱演してて良かったですね。