「ブレードランナー 2049」 | 定年後の風景

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2017年米国作をBS録画観でした。かの1982年の伝説的名作「ブレードランナー」の続編と言うことで公開前から大変な評判となっていた話題作を2年遅れで初めて目にしたものです。前作監督のリドリー・スコットが製作総指揮に入って思い入れの強さと並々ならぬ力の入れ込み様が窺がわれます。

 

しかしまあ、これだけ力入れて、例によって2時間40分の長尺大作にするともはや、もう力で以って多数の賞を受賞ノミネートされアカデミー賞は撮影賞と視覚効果賞を受賞してます。それはもうここまで作り込むと受賞は間違い無かろうの予想となります。しかし、作品賞、監督賞などは取っていません。

 

それはもう映像音響などは大したもので35年経つとこうなるかと目に物見せてくれます。前作の設定は2019年の未来だったので30年後をどうしても描いてみたかったのですね。自分の作品への執念は感じます。

 

何やら奥歯に物の挟まったような言い方してますが、やはり一作目に入れ込み強いと、やっぱり違うし、厚み、重みが違ってきますね。薄くて、軽いです。まあそれを狙ってるのかも知れずまた、今の感性取入れるとこうなるでしょう、が予測されてしまうのもまた辛いところでした。

 

初めて一部映像が公開された時、これはブレードランナー風だがブレードランナーでは無い、と投稿すると、恐らくは若い方から、どこが違う、と珍しく割ととがった反発来て驚いたものです。そうです。もう若い世代にとっては、40年近い前の伝説の名作では無く、こちらの方が、自分らのブレードランナーとなっているのです。

 

何が起こってるかと言うと、原作の設定や登場人物を活かして、もはやスターウォーズのように派生作となってきているとともに、フリーク化しているのです。込み入った新たな設定が増えてきて、単に映画を楽しむに留まらない世界観的見方になって来てます。

 

だから設定などが割と平気に込み入ってきてます。続編と言うより派生作でしょう。リドリー・スコットももう一作案があると言ってます。エイリアンコベナントのような経緯辿りそうです。それで結論的に何が言いたかったかと言うと、力の入ったよく出来た大作だと思いますが、こう言った派生作には個人的に相当に興味が低いと言うことでした。

 

別の映画でしょう、と言うかこれだけ投入するなら別の良いSF映画作ればよかったのに、と観ていてふと思ったくらいでした。ややこしい前作の設定引きずらず自由な発想出来たのではと、老年は思ったのでした。前置き長くなり前置きだけで終わりそうそうですが、前作をどこまで引きずるのか難しかったろうと老婆心ながら思ったのでした。

 

当然観客もそれを見ます。単純には都市部の霧は濃すぎるし、飛行自動車にワイパーは要らんやろ、とかレプリカントも溺れるのか、とか色々気になり、音楽はやっぱりヴァンゲリス風をさらに強調したものにせざるを得なかったんだなあ、とか思ったのでした。ブァンゲリス本人なら良かったですが。

 

これだけ前置きのうんちく長くなるのも、それだけ前作とその世界観が強烈だったからに他なりません。それで全体の流れはどうも、叛乱レプリカントは駆逐されるどころか組織化され勢力を増しており、主人公のブレードランナーは叛乱因子を持つ旧型を撲滅する仕事に付きながらも自分も新型のレプリカントであり、それでまあ自分のルーツ探しへの旅を始めて様々な体験していくの流れでしようか。

 

これ見てもわかる様に最初ちょっとブレードランナーしてますが、これはもう殆ど自らを含むレプリカントの話しですね。レプリカントは興味ある設定ですが、あまり突き詰めていくと矛盾、破綻山積みとなり訳分らなくなる気がして、本作も実際何してるのか訳分らなくなって来てる気もします。

 

主役はララランドのライアン・ゴズリングが熱演してます。後半には前作と同じデッカード役で実時間で年取ったハリソン・フォードが出て来ます。また流石にこれだけ製作費投入すると興業収入はそこそこあったようですが収益は悪かったとWikiにあり、さもありなんと思いました。それほど金使ってる感あります。長くなりましたねえ。人のこと言いながら自分の文章も2時間40分超えててもっと短くならんのかい、なのでした。

 

(以下ネタバレありです)ライアンはレブリカントの身で自分探しの旅続けると自分は最新型レプリカント同士の間に生まれた受胎型では無いかとの疑念強まり、とどのつまり前作ハリソン・フォードのブレードランナーと一緒に逃亡したレイチェルの間の子供かと思えてきて前作と繋がり、その意味でハリソンとレイチェルは特別レプリカントだったかと思わせますが、実際はハリソンはやはり人間のようで、しかも子供は娘で研究所に居ることが分り、ライアンはハリソン連れてこの娘に会いに行かせ目的は達成されたと思われます。

 

紆余曲折、謎解き一杯あり、ややこしい色んな戦いもありましたが、誰に導かれたかライアンの役目はこれでしたか。ハリソンを娘の居る研究所に送り届けたあとライアンは静かに雪の降る玄関の階段に横たわり目を閉じますが。停止したのかどうかは分りません。

 

登場人物も多く、上映中にストーリー理解できるものだろうかとも思いました。シド・ミードのデザイン引き継いだ飛行自動車スピナーのさりげない描写は抜群で存在感半端ない出来でした。

 

 

「ブレードランナー」(1)

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