2022年の寒中も、引き続き“コロナ禍”ただなかという状況。年末までは比較的落ち着いていたはずですが、年が明けてから「オミクロン株」とかいう変異株で、一気に“感染者数増加”、さらには“まん延防止重点措置”まで進んでしまうようです
。
一応理系の大学(ついでに修士も…)を出ている筆者は、専門家の言い分としての「(あんまり重症化しないという)エビデンスがまだ不足しているから、オミクロン株にも警戒が必要」という実態は、理解できなくはありません。しかし、警戒する手立てが、またしても「飲食店は閉めろ」「お酒は出すな
」であるとか「イベントは中止か延期か規模縮小を
」といった「一般市民が動き回るからおかしくなるんだ
じっとしてろ
」と言わんばかりの方法しかないのか…と思うと、うんざりを通り越して、アホか
と思いたくもなるわけで。
まぁ、「感染したら、無症状であっても例外なく保健所の管理下に入る」状態が続く限り、まだまだこのような状態とのおつきあいが必要…なことだけは確かなようです。
ということで、1月半ばの週末のステージ。ひとつめは15日の土曜日。そろそろ現実の世界でも再開かなと思っていたら、再びお題だけの世界へ逆戻り…という感のある、このようなタイトルがついております。
小平加奈さんの新春ワンマンステージ。下北沢のおしゃれなカフェレストランで、それでも麦焼酎の水割りをひっかける…という形での参戦です(一応、筆者の親が九州の出ですので…、はい)。
引き続き空想での旅が続かざるをえない状況ではありますが、加奈さんがこの日のステージで貫いた“空想の旅”は、ご家族のこと、さらにはもう少し広い意味で周りのひとのことを想うこと…。
新年らしいSEで幕が上がると、まずは「明日への道しるべ」。早速にして周りのひとへの想いがセットからも垣間見えるようです。すでにお子さん2人がいらっしゃる加奈さん。この年末年始で下のお子さんが「初めてお餅を食べた」そうで、ひとしきり「お餅の食べ方」をキーワードに、お正月の話題で“空想の旅”。筆者は砂糖醤油派ですが、こういったものは地域ごとに多種多様な流儀がありますので、まさしく“旅”ですね。
想いのフォーカスがいったんご家族寄りになると、ひいおばあちゃんのことを唄った「いたいいたいのとんでけ」、そして「愛の和音」。いのちを受け継いでいくことも、やはり“旅”に例えられることが多いですよね。
さて、この日のステージは、ピアノ(山本佳祐さん)、フルート(葉山裕子さん)、パーカッション(吉田貴博さん)のサポートが付いた4人編成。このうちパーカッションの吉田さんは、今回が初参加だそうですが、「第一印象とは違って“超おしゃべり”」。相当おもしろいひとである一方、ステージはいたって真剣。最適な機材を多数用意され、海の音の出し方等々を途中で解説。実際に曲中で出た音ですが、映像にも溶け込んで、これもまた“旅気分”になることに大いに貢献しています
。
セットが中ほどに進んでくると、こんどは“季節を巡る旅”。“夏”として「キスをしよう」、“冬”として「僕の中に」と続きます。一応、この2曲が“季節もの”と案内されましたが、中締めの「7段目のとびばこ」がさしずめ次の“春”のうたになるでしょうか。どうしても“コロナ禍が落ち着く”という名の「春」が目立ってしまいがちなのがもどかしいご時世ではありますが。
後半は“ちょっとは海外の気分”から。曲は「お正月」ですが、サンバのリズムでメンバー紹介。
加奈さんご自身も、ときおりJazzyなステージを展開されますが、フルートの葉山さんがボサノバ好きだそうでして、お約束通り「こんどはそれで」となっていきます。音楽で“旅する”ぶんには、コロナ禍であっても自由自在ですからね。そして、お子さんも影響を受けるらしく、明るい曲の練習中だと「近くで踊ってる
」んだそうで。いつか本場のそれを見聞きするときにはどうなるのかな^^
このあと、想いのフォーカスが本格的にご家族、ご自身へと向いていきます。「パレット」、そして「Heartful Days」…。特に、当日記では昨年初登場した「Heartful Days」は、まさしく家族と一緒にいることへの感謝になるでしょうか。
そんな想いをうたで吐露したあとに、
「こんど3人めのこどもができます」
すでに加奈さんご本人のブログにも記事が上がっていますが、7月頃にお誕生の予定だそうです。まさにいのちを受け継ぐ旅が、もういちど想い起されるストーリー。もっとも、加奈さんとピアノの山本さんの組み合わせになると、ひとしきり“山本さんのお腹との比較”というお遊びも展開されます(笑)。
(この日の時点でまだ3ヶ月くらいなので、みためはまだ山本さんの方が…)
そして「気がつけば」。おかあさんになっていったことを唄った曲ですから、まさしくこの状況を指すための唄。おめでとうという祝福を受けながらも、ご自身の覚悟を聴衆やサポート陣の前で吐露していくための時間が流れていきました。
5月の連休を過ぎると産休…ということで、そのころ…というか、5月8日の“母の日”に「新音源リリース+ワンマンライブ」という旅立ちの儀式が執り行われることに。万全の送り出し態勢がオープンにされたところで、最初の音源から「ここにいること」。その後も、ひとつひとつオープンにしていくたびに、覚悟を決めていく…という様子。終盤に近付くほどに、“ご自身の旅”という印象が強くなっていく、そんな締めくくりとなりました。
締めくくった後のお姿を、それでは最後に
厳密には「オミクロン株」の影響がじわっと出始めているようですが(少々のキャンセルがあったそう…)、とりあえずこの日の旅は、多くのひとの目にとまることとなりました。まずは、3人目のお子さんを迎える旅から…でしょうかねぇ。
もうしばらく、サポートミュージシャンや箱の方々、聴衆という名の伴走者と一緒の旅が続きます。5月の産休入りを無事に送り出すことができますように。そして、7月には良い知らせがちゃんと届きますように。
では、本年もどうぞよろしくお願いいたします。