2022年あけましておめでとうございます。本年もどうぞゆるりとお付き合い頂けますと幸いでございます。。
さて、昨年出動ぶんの“書き初め稿”がございますので、本年まずはそちらからスタートしたいかと。といっても、クリスマス→お正月までは10日ありませんからねぇ。まとめて年末年始ぶん!と開き直ってもまぁいいか(笑)
ということで、2021年の“ぶたい最終出動”は、そのクリスマス、25日のこちらでございました。
お正月早々、結構強烈なビジュアルです…。いや、年末の舞台でしたので、クリスマス仕様ということになりますな。
思わせぶりなセーラー服姿でいらっしゃるのは、いずれも昨年は2回目になる川口知夏さんと熊谷有芳(ゆか)さん。このお二人によるユニット「CACHU!NUTS」(カチューナッツ)の旗揚げ公演です。
お二人の当日記での前回はというとこんな感じなので、
(川口知夏さん:2021年8月28日@吉祥寺)
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(熊谷有芳さん:2021年7月22日@新宿)
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ずいぶんと思い切った…、いや、こんなことするんだという感じです。
お題である「セーラー服を溶かさないで」も、これまたなんともぶっ飛んでいます。
似たような響きに「セーラー服を脱がさないで」(おニャン子クラブ)がありますが、こちらは今どきの「アルファベット3文字+2桁数字」のアイドルグループの祖先的な存在。プロデューサーも同じ方ですし。
(ちなみに、「おニャン子…」の方々よりも筆者のほうが年下になります)
「脱がさないで」の方はあくまでもアイドルグループによる歌であり、エロティックに振るにしても“学園もの”にありそうなエピソードが元ネタのように感じられますが、
こちらの「溶かさないで」のほうは、もうちょっと大人が織りなす不倫・浮気劇。いや、そのシチュエーションを借りて、人間が持つおバカな部分をあぶり出すような感じ。こじんまりとした空間とも相まって、ちょっと馬鹿馬鹿しさがある会話にクスッと笑うという楽しみがそこにはありました。もちろん、道徳的に不倫や浮気は良くないけれど、そう持っていくとこのストーリー、つながらなくなってしまいます。。。人間ってこんなおバカなとこがあるよねぇ…というちょっとヘンテコな共感を楽しむ舞台。
よって、70分、ひたすらくすくす笑いが場内を支配。クライマックスっぽい部分でも同じようにくすくす笑い。そして登場してくる4人の人物は、相互に接点はありますが、4人全員が絡む修羅場が訪れることもありません。問い詰めることはあっても、最後の結果は「おバカだねぇ…」とか「あたしもおバカなところがあるし…」というところに落ち着いていきます。その分、グッズとして販売のあった台本を見返しつつ、こうだったのかという部分が多かったりします。この稿も、台本を見返しつつ、くすっとしながら書いておりました(笑)。
ということで、改めて台本を見返した結果も含めて、これは…と思ったところをいくつか。
【有芳さん「どスケベ」宣言】
まず、登場人物のお名前が、全部シャワートイレにまつわるものから付けられています。ヘンテコなシチュエーションですが、流石にこう付けられると笑いにもなりますね。
有芳さんの役柄は、浮気された新婚夫婦の奥様。なので“被害者”なはずですが、「あたしどスケべ」と豪語した後に凄んでみたり、その逆があったりと、新境地?+これまで観てきた感覚とが混ざり合う有芳さんに遭遇した感じですね。
知夏さんとの絡みも、先輩の立場であるにも関わらず、ちょこっと頼りにしているところがありますし、浮気相手と論を戦わせたところも、最後には許してしまう…。「あたしもどスケべ(という名のおバカ)なの」という立ち位置が、よくよく見ると貫かれているようです。
【知夏さん、どSでしたっけ(笑)】
この中ではもっともまともなお名前の役柄のはずですが、付けられた愛称は「おしりちゃん」(笑)。一番目立つというよりは、出てこられたシーンでのインパクトが強かった…。有芳さんとの絡みもその中のひとつです。
セーラー服姿でのご登場シーンは、本当に可愛らしくてきれいで、ドキッとしちゃう←これっ、まるゆいさんヾ(・・)
しかし、学生ではないそのお姿は、夜のお仕事の象徴でもあります。そこでは時には変態さんのお相手もしないといけないのですが、ふつうに笑いながら特製重装備マシンを装着し、「じゃ、始めようか」…。観ていくたびに可愛らしいひとが「え、こうなるの」というギャップを素直に楽しめた感じです。
【びでおさん、大変ですね…】
客演の秋本雄基さんが演じる、浮気した新婚夫婦の旦那さん。もちろん、奥様からは責められるわけですが、浮気相手の方が“さらに斜め上をいく変態さん”という設定だと、板挟み状態でもあるわけで。こじんまりとした空間で繰り広げられる会話劇なので、言い訳やシチュエーションをいっぱい並べ立てて立場を主張されるにはぴったしといえそうです。とはいえ、反省したかと思いきや、ラストシーンでは懲りないところを発揮。4人全員「おバカなところがあるねぇ…」と、不倫劇と言いながら喜劇なんだなぁ…と。
【やわらかさん…目が点になりました】
客演のもうひと方、浅利ねこさんが演じる浮気相手。普段は不動産会社の窓口担当なのですが、ちょっぴりおっちょこちょい。そのまんま“変態なところ”が足し算されていきますので、戦隊モノよろしく重装備な衣装で浮気の言い訳をする姿には、場内のくすくす笑いの密度が濃くなっていたような。ストーリー中最もマシンガントークが振られていたのはこの方ですが、ちょっと身構えながら発射?される言い訳の数々を、相手に訴えかけるような表情で展開。その言い訳も、よくよく聞くとちょっとヘンテコなロジック。決定的な修羅場はあえて入れてありませんから、このトークでの笑いが良く目立つ、平和な劇になったなと。
そんなわけで、ちょっとドキッとするビジュアルは、さしずめ“クリスマスプレゼント”だった会話劇が、2021年の“ぶたい参戦”の締めでございました。あえて修羅場を入れないストーリーは、台本を読んでみる、あるいはリピートしてみるくらいでないと「おや?」となる感はありますが、こうしてあとからでもクスッと笑える、スルメのような味わいのあるステージだったかと思うわけです。
年が明けちゃいましたので、“お年玉”になるかな。クスッとした笑い、ありがとうございました。