「ひさびさ」は貴重なシチュエーションの中で  舞台「かげきはたちのいるところ」(7/22@新宿) | まるゆいのおと日記(ですよ)

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本業は天気屋の私、まるゆいの'行動記録'的なもの。もっとも、多いのはライブレポ♪、次に旅のはなし(でありたい...)。
どうぞごゆるりとお楽しみください。
※コメントは承認制にしております。ご了承くださいませ。

注意こちらは8月半ばに大阪公演がありますので、極力ネタバレ系の内容は含まないようにします注意


新型コロナウイルスの影響があるにせよ、状況の変化に対する対応策が全く語られないまま、今まさにオリンピックがゴリ押しされています…

当日記では、東京開催が決まった8年前にこんな稿を書いておりますが

(2013年9月9日:ウソも方便というと、ちょっと言い過ぎでしょうけれど)
https://ameblo.jp/maruyui-otonikki/entry-11609796212.html

ご承知の通り、いまや事実は小説より奇なり…な現実になってしまった感があります。
招致時点での「(原発事故は)アンダーコントロールだ」という宣伝文句自体が怪しかったりしますが、やれ「コンパクトに開催する」とぶち上げて結果は真逆であったり、「お・も・て・な・しグリーンハーツ」とか「この時期に開催するのが最適」と言い放った挙句に“東京は暑すぎるからマラソンは札幌で!!”となってみたり(最新の予報だと、札幌も全然涼しくなさそうですよね…えーん)と、枚挙にいとまがありません。。
とりわけ、新型コロナウイルスの影響が出てからは、もう無茶苦茶。ついには組織委員会会長とかいうトップが不適切発言で辞任したり、差別的な発言なり思想なりを持った人々が開閉会式の企画に携わっていて、直前になっても辞任、解任劇が幾度となく展開される始末…ムカムカ

もっと素朴な疑問として、コロナウイルスで大変だから“緊急事態宣言注意”が出ているにもかかわらず「オリンピックは関係なくやるもんねーチョキ」って、そもそもどうなの?という感覚。それ以外の生業や文化はとにもかくにも「人流を抑えましょう」などと言って締め上げる以上、やっぱりこういう状況下でのそれ(開催)はないわ…と思うのは、筆者だけではなさそうな気がします。しかも、来週からは筆者自宅がある千葉県も対象に入るみたいですから、なおさらです。

とはいえ、「オリンピック」は開催中。それゆえかどうかはともかく、とりあえず現時点では数々の制限付きながら、当日記のメインコンテンツを支えていただけるリアルなステージも、なんとか開催されています。これらはなにより演者さんやスタッフさんの並々ならぬ努力の賜物です。。




そういった努力の結果、オープンエアでの“おと日記”、「箱」での“おと日記”に続いて、ようやく筆者の“えんげき日記”が復活となりました。数えてみればこちらのカテゴリーは1年半ぶり。思えば長~い空白期間でございました。


その復活初回。演目は、あろうことかこんなビジュアル…






まさか、昨今の状況を言い当てた結果ではないんだとは思いますが口笛、確かに「東京オリンピック粉砕!!」と掲げられています。“粉砕”はともかく、“反対”なら結構な数いそうな感じはしますよね。。
もっとも、「過激派」ではなく、ひらがなで「かげきは」なひとたちの集まり。ここらへんはやっぱりコメディーらしくウイットに富んでいます音符



さて、できるだけネタバレさせずに書く…というのはなかなか大変ではありますが。。。

まずは、2時間半という長めの上演時間が本当にあっという間なステージに、“おと”とまた違った“ぶたい”の充実感を久々に感じたのが何よりだったりしますウインク

多数の“屁理屈”を畳みかけるように重ねていくコメディに久々に圧倒される感覚。こちらの団体(アガリスクエンターテイメントさん)の得意技というところですが、まぁ今回も快調でございます。。グッ
空っぽのお部屋に「かげきは」たちが引っ越してくる場面からスタートしますが、初めから飛ばしてます…。日替わりゲストさんが、“某国営放送の集金員”として登場してきますが、お引越しでは“普通にあるある”な光景も、屁理屈とちょっと変なシチュエーションを重ね合わせると、場内はたちまち楽しげな空間に変わりますニコニコ

一つのコメディが始まったときと終わったときとで、状況が全く変わってしまっているというのも、いかにもという感じ。“警察官”だったはずの伊藤圭太さんがいつの間にか「かげきは」のメンバーに取り込まれ、しかもゲームでマウントを取っているという変わり身の大きさには、ひときわ場内からの笑いのパワーが増していたようなゲーム


あ、周りのひとは大変で、ひとり奔放に楽しそうなシーンがあった榎並夕起さんにちょっとキュンラブラブとしたのは、ここだけの話(笑)。


長めのステージであるために、「かげきは」が本来の「過激派」らしくやばいものを仕掛けに行くシーンがシリアスであっても、それがちょうどよい緊張感をもたらしてくれます。“逮捕”にまで至ってしまうストーリーは、さすがに手に汗握るところが連続。これも久々の感覚ですキラキラ


そして、終わりはちょっとしんみり(でも、多数のお笑いの中にちりばめてあるしんみりさは、“ならでは”感がありました)。
ちゃんと片付けられて、それぞれの記憶の中に封印されていく「かげきは」たちのいろんな活動。現実の「TOKYO2020」とやらは、どんなふうに記憶の中に封印されていくんでしょうか。



ところで、筆者の観覧回は、ことしだけ移動された祝日「海の日」である、22日のマチネ公演(7公演目)。すでに一部の競技は始まっていて、開会式の前日というタイミング。こういう時期に「オリンピック粉砕!!」というビジュアルの舞台を、開会式の会場にもほど近い新宿で観る…という、ちょっと不思議な感覚キラキラ。オリンピック同様、この舞台も1年延期になっていて(実際2020年に上演予定のものでした)、結果論なところがあるとはいえシンクロ度合いも絶妙。。久々の“リアルなぶたい”は、こういうご時世でないと味わえないものでもありました。




ちょこっとだけ物騒で、ほとんどゆる~い設定。
ちょこっと深いシリアスさに、たくさんちりばめた屁理屈の畳みかけ。


いろいろ書きましたが、とにかく「純粋に楽しかった!!」です。
ありがとうございましたぁニコニコ