残暑が意外とあっさり…というか、それを通り越して肌寒いくらいの日もあったことしの9月。後半のお彼岸の頃になって多少ぶり返してきていますが、さすがに風はさらっとしていて、もう秋だなぁというのが正直なところです。
さて、この秋、ひとりの唄い手さんがそのお姿を畳まれます…。そのひと、岡田茜さん。公式にはあんまり多くは語られてはいないけれど、先月の突然の発表といい、その中身があまりにもハードランディングであることといい、少ない言葉の中でも「思うような活動が…」と現状を総括していることといい、多分に新型コロナウイルスの影響があるんだろうな…という想像がどうしてもぬぐえずにいます。
その発表からもう1か月以上が経過し、気づけばあともう半月足らず。当日記でも、この稿を入れてあと3回レポートをあげますと、その次は10月3日のラストワンマンの稿に入る…というわけで、演者さんにとっても聴衆にとっても万感の想いを込めるステージがここからは続いていきます。
当日記での1回目は、川口市のライブレストラン「SHOCK-ON」で執り行われたこちらのステージ。ありそう…な感じがして、でもあんまりこの組み合わせ観たことないかも…という感もある、茜さんに潮崎ひろのさん、林ももこさんのスリーマン。ひろのさん、ももこさんともに、この日9月18日のステージが茜さんとの最後の共演になるようです。
もう出っ放しの感もある「緊急事態宣言」の中では、半ば当たり前になってきた“お酒無し”の営業。一応、レストランとしてはよく言われる「20時まで」は営業可…ということで、このようにパスタに添えるものが
ワインではなく、フルーツジュースになっています。
主役が茜さん…であるにしては健全というべき??
“健全”だからかどうかはともかく、この日は基本のお衣装が皆さん浴衣。まずはそのお姿でお三方+茜さんのサポートをされるれーみさん、阿部実さんが登場して、茜さんの持ち歌である「うた日和」からスタート。まずはつとめて明るくふるまうステージの始まりです。
そしてもう1曲、同じく茜さんの持ち歌の「Ignition」をひろのさん、ももこさんのお二人でカバー。もちろん振り付けも。こちらは茜さんには伏せてあったパフォーマンスですので、まぁサプライズ。普段はこのようなはっちゃけ方はあまりされないお二人からの、“緊張した~”(あくまでお二人の談…)はなむけです。
ミッションのひとつを無事完了したところで、トップバッターは林ももこさん、ギターサポートを付けた2人編成のステージです。どうしても「最後の共演ステージ」ということで、しんみりとしがちなのではありますが、そこはまずムードをあげていく選曲で振り払っていきます(「Peach Dream」→「take off」)。それも雰囲気から上げているPeach Dreamと、落ち着いたボサノババージョンという「take off」の2本立て。引き出しの広さもはなむけのうちでしょうか。
茜さんとの“想い出”には、「ラジオ番組の極意」をあげられたももこさん。多彩なお姿があった茜さんの引き出しには学ぶところが多かったようです。「たいせつ」でちょっとしっとりとしたあとは、「EXIT」という全4曲のセット。思う存分次の世界へ行っておいで…というアンサーという感じですね。
続いて潮崎ひろのさん。ふだんはサポートミュージシャンを従えたうえで、自らはトイピアノをお供にするスタイルですが、この日の最初の2曲(きっといつかありがとうをいうから→ぼくは生きてるよ)は、初の弾き語りワンマンを控えて、自らキーボードの前に座ります。チャレンジすると公言されて、実際にそのステージが近づいていますので、あってもおかしくないのですが、現時点ではやはりレアなシーン。このお姿こそが茜さんへのはなむけになるでしょうか。
ひろのさんが語る“想い出”は、とにかく面倒見がよい茜さんのお姿…と言いつつ、最初は“怖かった”らしい(笑)。「美人さんは怖く見えますから…(苦笑)」だそうでして。でも、一度お仲間になれば…ね、という感じかな。
3曲目からはいつものスタイルに戻り、「1,2,3」→「amulet」(茜さんも一緒に)→「ぼくのきせき 未来へ」と続いていきました。いつも通り、自然体でいてねというメッセージという感があります。
そして、茜さんの出番。れーみさんのピアノと阿部実さんのパーカッションを従えた3人編成のステージであります。
まずは「ラストデート」→「カモミール」→「おやすみ」と、唄そのものの雰囲気で場内を“茜色”に染めていきます。もっとも、曲に入る前には、阿部さんとチョイチョイネタをやったりしているみたいなので(持ってきた茜さんグッズであるタオルの柄が古く、“いつからか配るより売るわ”ってなった…らしい(笑))、このひとらしいボケネタは健在みたい^^
4曲目はお母さまがモチーフの「いちばんのみかた」。先日の大阪遠征時にご実家に寄られたそうですが、「こういうの(仕事の際に帰省)もあとわずか…」と感慨深いものがあったようです。最後(6曲目)の「時を止めて」同様に静かに振り返る感じの選曲。
一方、5曲目の「恋するマルガリータ」はアゲアゲ系。最近の定番曲の一つですが、この日の共演の林ももこさんの持ち歌に「恋するマルゲリータ」という曲があるそうで、じゃぁ「マルガリータというお酒が好きだから、このタイトルにしちゃえ」となったらしい…。ものすごく雰囲気がある曲なのに、成り立ちの意外性にちょっと驚きというのが、最終段階に入ってからの収穫だったりします。
レストランとしての“20時閉店”という縛りの影響で、アンコールはなし。まぁ中止せずに済んでいることに感謝…という状況はまだまだ続いています。そんなわけで終演直後の勢ぞろいのお姿です。
このあと、“圧が強い”?茜さんという名の「関所」を通り、れーみさんも含めて皆さんのところを巡回してご挨拶。。圧の強さという名の“茜色”にはみなさんちょっとだけ染まってたみたい
いや、この楽しい空気感という“茜色”には場内全てが染まったようです。ひろのさん、ももこさんが用意された色紙が、終演後のステージに飾られていました。
まぁ、このイラストがよく物語る“茜色”。こういうところはお姿を畳んだ後も変わらないでいてほしいですね。。
みなさんありがとうございましたぁ