さて、当日記ではことし最初のこのひと、繭お姉さまの登場です。
昨年の当日記での最終回は、こちらのような”バラエティ企画”
(2018年12月15日@川口キャバリーノ)
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これはこれで、繭お姉さまの一つの真骨頂ですが、今年の初回は、”まじめなほう”の真骨頂。
レコ発、そしてバースデー企画を兼ねて執り行われた、6月下旬のワンマンに向けた助走ワンマンシリーズの第3回目。弦楽四重奏をサポート陣に迎えた、重みのあるステージです。
その場所は、半ばお庭にしている、埼玉県は川口。ですが、より重みのある場には、本格的なライブレストランがセレクトされたようです。
当日記では初の場所となる、ショックオンさん。奥に長く、後方はやはりアイポイントの高いカウンター席。全体を俯瞰できることもありますので、前日の西山小雨さん(小雨日和7)に続いて、筆者はカウンター席を選択。ワンマンライブというよりは、新年のディナーショーという感があります。通常、開場~開演までは30分くらいのことが多い中、少し長めの40分。この間にささやかにディナータイムとしゃれこむわけでして。
この日のおススメの、明太子&チーズのクリームパスタに、埼玉県ということで、川越の小江戸ビールを添えました^^。
場内に出ている、”最近この箱に出られた演者さん”の中には、なんと岡本真夜さんのお名前まで見えます…。いうまでもなくどメジャーな方ですが、いまや知名度があるから大きな場所…とは限らず、こうした生での特別な体験も重視される時代。当然のごとく、繭お姉さまも、この日は”特別仕様”として登場してくるわけです。
その”特別仕様”。いくぶん抑え気味ながら、ステージ上の照明でキラキラ光る衣装を身にまとっています。サポート陣には、山本佳祐さんのピアノに、ヴァイオリン2名、チェロ、ビオラという弦楽四重奏が入ります。レストランであるだけに箱自体は大きめとはいっても、100人も入ればさすがにぎゅうぎゅうになるくらいの規模ですから、それを考えるとやはり豪華。”特別仕様”なわけです。
まずは、ピアノの山本さんとヴァイオリン1名との、3人編成でスタート。身軽であるせいか、「世界の輪を広げよう」→「明日の夢」と、場を温めていく曲からスタートしていきます。はじめのうちから、いきなりタオル回し(笑)。場の雰囲気からすると意表を突くセットも、繭さんならではですね。落ち着かせるように、この日リリースになった音源のタイトル曲でもある「手紙」を演奏すると、ここからは総勢6人のフル編成のステージに。
6人がそろってからのステージは、音にいちだんと重みと厚さが増してきます。最近はどうも”封印中”のような「天然祭り」とか、「お世話になってるひとを逆にいじって遊んじゃえ!」といったテーマのステージで見るお姿とは全く別の、おしとやかな繭さんが、場内を席巻していきます。
「時の砂」→「さよなら、今逢いたい人」→「桜、奏でる君へ」…。と続くと、もともとしっとりとした曲ですが、いつもに増して流れるような旋律と、それに乗る歌声が、場内を魅了していくことになります。
そのあとも、最後に「あの虹をこえたら」が登場するまでは、ほんとうにしっとり路線を保ったセット。そういえば、ワンマンのはずですが、サポート陣にパーカッションも不在…。ヴァイオリンやビオラ、チェロといった弦の響きを生かした感があります。ワンマンと銘打ってはいますが、やっぱりディナーショーというほうが似合う感じです。
本編の全12曲のステージが終わると、そこからは、より感情がこもったステージを繰り出しつつ…なアンコールのお時間。まずは、弦楽四重奏だけの編成で「あの日を忘れない」。ご自身の経験に基づくうたは、毎回感情移入しながらの場面になりますが、よりクラシカルな雰囲気で奏でられたこの日は、やはり一段と重みのあるパフォーマンスになっています。そして、唄い手さんとしての駆け出しのころまでを振り返りながら、最後は「Mother」。こちらも、ひととなりが添えられると、特別な想いのこもったものになるようです。
もっとも、先ほど書いたように「…繰り出しつつ」ということは(笑)
バースデーライブではお約束の”サプライズ”。最初「ケーキないの、ゴメンネ…」というシチュエーションからのサプライズを目指したらしいのですが、途中でストーリーがバレバレに(笑)。まぁここだけは”天然さん”の主宰たるだけのことはありますな^^。ちなみに「あの日を忘れない」→「Mother」の間のタイミングで仕掛けられ、この日の空間でも、ひょっこりと”もう一つの繭お姉さま”のお姿が垣間見えました。
年末のにぎやかさも、この日の静かな雰囲気も、どちらも繭お姉さまならでは…という感を、改めて確かめた夜だったみたい。ことしも思う存分、楽しませていただこうと思います^^。