神保町 共栄堂 | スパイシー丸山「カレーなる365日」Powered by Ameba

神保町 共栄堂




カレータウン神保町で最も歴史がある

 

黒く輝くカレーが人気の「共栄堂」。

 

“神保町カレー遺産”という言葉にふさわしい名店ですよね!!

 

※創業は1923年(大正13年)、昭和50年にカレー専門店になったようです。

 
 
ちょっと早めの晩御飯を食べるべく店内へ。
 
 
いつもならポークのソース大盛りですが
 
なんとなく別のカレーが食べたい気分だったので
 
チキンカレーのソース大盛り(1380円)にしてみました。
 
※通常のカレーソースの量は控えめなのでソース大盛りがオススメ。
 
 
先に運ばれてくる
 
コーンポタージュスープを口にしていると
(全てのカレーに付いてきます)
 
 
チキンカレーが運ばれてきました。
 
 
焙煎したスパイスがベースになった褐色のカレー!!
 
いまでもスパイスはお店でじっくりローストしてるそうですね。
 
で、このロースト加減が本当に難しく、
 
うまくいかない時もあるんだとか。
 
巷にある黒いカレーの多くはカラメル色素で色付けしてますが
 
ここまで丁寧に黒いカレーを作っているのは
 
他にはなかなかないと思うなー。
 
 
ポークカレーを食べることが多いので
 
ものすごく久しぶりのチキンカレー。
 
改めて対面してみるとチキンには生クリームがかかり、
 
ポークよりややトロミが付いている印象ですね。
 
※画像はカレーの1/3ほどをかけた状態。
 
 
ライスにカレーをかけ口に運ぶと
 
フワッと広がる独特のビターな香ばしさ!!
 
苦いビターではなく、
 
食をそそる香ばしい香りって感じで、
 
他のカレーにはないまさにオンリーワン美味しさがあるんですよね!!!
 
チキンカレーはポークよりまろやかな味わいで
 
具材のチキンもゴロゴロ入っていて 食べ応えも満点。
 

ポークも旨いけど
 
チキンカレーも満足感がハンパないですねーー!!!
 
神保町カレー遺産の1つ「共栄堂」。
 
お腹いっぱい、大いに楽しませていただきました。
 
 
さて、共栄堂が今から約100年も前から提供している
 
スマトラカレーなる摩訶不思議なカレー。
 
この黒いカレーはどんな経緯で生まれたのか?
 
実はメニューブックにしっかりと書かれているんですよね。
 
 
「明治の末、行き詰まった日本から脱出して南方雄飛を志した長野県伊那の伊藤友次郎は、広く東南アジアに遊び知見を広めて、南洋年鑑を著すなど、南方の風俗の紹介、通商貿易に大いに貢献しました。彼の地の風物を愛した氏は、大正の末、京橋南槙町、今の東京駅近くに「カフェ南国」という、当時としては斬新な、カレー・コーヒーの店を開きましたが、関東大震災のため瓦解しました。 氏よりスマトラ島のカレーの作り方を教わり、私どもの口に合う様アレンジしたものが、共栄堂のカレーでございます。さまざまな材料の味、スパイスの風味をソースにとかしこみながら、さらっと仕上げるのが当店の特徴でございます。 私どもの先祖のルーツの一つ、東南アジアに思いをはせながらご賞味いただければ幸せでございます。」
 
はいっ、この黒いスマトラカレーは
 
共栄堂の初代店主が考案したものではなく
 
長野県出身の南洋研究家・伊藤友次郎が東南アジアに渡り
 
氏がスマトラ島で覚えたであろうカレーがルーツ。
 
初代店主が、友次郎氏から作り方を教わり
 
日本人に合うようアレンジをしたのが共栄堂のスマトラカレーなのでした。

共栄堂はもともと洋食屋としてスタートしてますが
※創業は1923年(大正13年)
 
カレーのメニューは最初からあり、
 
昭和50年にカレーの専門店にして今日にいたるんだそうですね。
 
このスマトラカレーについての自分なりの考察は
 
過去にブログでまとめた内容がわかりやすいので、
 
改めて載せてみたいと思います。
 
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以前、雑誌の撮影の時に

今の共栄堂のご主人に話を聞く機会があったのですが

いまでもスパイスはお店でじっくりローストしてるんだそうですね。


で、このロースト加減が本当に難しく、

上手くいかない時もあるって言っていまして、ビックリ!!

何というか、

インド料理作りでのスパイスのローストっていうのは

日本語に訳すと「乾煎り」って感じなのですが

共栄堂のローストはコーヒーの「焙煎」に近いというか

インド料理的スタンスで見ると、

 

正直、やりすぎちゃっていると思うのです!!!

 

 

ここからは勝手な妄想です。

 

自分が思うに、伊藤友次郎氏が

 

スマトラ島でカレーの作り方を教わった時

現地の人に「最初にスパイスをローストするんだよ!」

 

と、教えてもらったものの、

日本人はスパイスをローストなんてしたことないから

加減がわからず、

 

コーヒーの焙煎くらいまでローストしちゃったのではないかと。


しかし、その焙煎加減が奇跡的に絶妙で、美味しく完成!!

それが正解だと思い込んでしまい、

 

以後、レシピも受け継がれていったんじゃないのかなぁー。


※繰り返しますが、あくまでも勝手な妄想です。


さて、スマトラ島ではありませんが、

 

ローストしたスパイスを使って黒っぽいカレーを作るのは

 

スリランカのカレー作りではポピュラーな手法。

 

とはいえ、スリランカ以外で

 

そのようなカレーを作るスタイルが存在するのを知りません。

 

スリランカの真上にある南インドですら

 

ローストスパイスを使った黒いグレービーのカレーは

 

“ない”と思われるのです。

(インドは多様な文化が融合する国。もしかするとどこかに存在するかもしれないので断言は避けておきます)

 


では、実際、

 

スマトラ島でそのような作り方が存在するのでしょうか??

 

英語で丁寧に調べてみると

 

スマトラ島のカレーはインドのカレーの作り方に近く、

 

レシピの違いを挙げると

 

東南アジアらしいレモングラスを入れるところだと思いました。

 

 

スマトラ島のスリランカコミュニティー情報は

 

踏ん張って調べたものの得られませんでしたが、

 

南インドがルーツのタミル人のコミュニティーはあるようです。

 

なので、やはり、氏が作り方を教わったのは

 

インドのタミル人がルーツのレシピだと思われ、

 

繰り返すようですが、最初のスパイスのローストの工程を

 

コーヒーのロースト的な“焙煎”と勘違いしたことが

 

誕生のきっかけだと思うんですよね!!!

 


伊藤友治郎(イトウ トモジロウ)氏についても調べてみました。

 

※引用元はこちら(PDF)

 

 

氏は明治の末に

 

満州、朝鮮、シンガポールで日本語新聞を発行

 

昭和の初めまで民の立場から南洋を紹介して、

 

南洋向けの人材育成に尽くした人物だったとのこと。

 

 

シンガポールには3年ほどいたようですが、

 

そのシンガポールを調べてみると

 

シンガポールにはスリランカ人のコミュニティーがあるようです。

 

強引に考えると、南洋を渡り歩きながら覚えた

 

カレーのレパートリーの1つがローストスパイスのカレーで、

 

どこかでスリランカ人に教えてもらったものが、

 

いつの間にかスマトラカレーという言葉に着地した!!

 

という可能性もあるのかもしれませんが・・

やはり、“勘違い焙煎”説が濃厚だと思うなぁー。


その真相は天国にいる本人しかわからないところですが、

 

いずれにせよ、

 

当時、洋食スタイルのカレーしかなかった日本において、

 

インドカレーに近いスタイルで提供されたスマトラカレーは、

 

間違いなく異質であり、

 

中村屋が日本初のインドカレーを出す前に、

 

このようなカレーが販売され

 

そして受け入れられた神保町という町は

 

やはり、カレー指数のポテンシャルが

 

当時から際立っていたのではないでしょうか!!!!

 


戦前から神保町にはスマトラカレーなる

黒くて香ばしい不思議なカレーがあり、

その強力かつ強烈な下地があったからそこ、

欧風カレーなる斬新なネーミングのボンディが受け入れられ

パンチある旨味で攻める“まんてん”が人気を博し、

一捻りある、個性的なカレー店が受け入れられ

神保町には、他エリアにはない、

独自のカレーカルチャーが生まれていったと思うんですよね。
 

 

伊藤友次郎(イトウ トモジロウ)氏。

 

氏が手掛けた東南アジアの様子をまとめた
 
「南洋年鑑」は現在も買うことができますが、
 
その歴史的価値から、お値段12万円とのこと!!!!

http://www.ryuukei.co.jp/sinkan/nanyounenkan.pdf

 

 

ですが、


なんと!国立図書館のデジタル版で

 

無料で見ることが可能!ということがわかりました!

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/950487

http://dl.ndl.go.jp/search/searchResult?featureCode=all&searchWord=%E5%8D%97%E6%B4%8B%E5%B9%B4%E9%91%91&viewRestricted=0

 

旅行記ではなく、資料をまとめたものなので

 

読むのにかなりの労力が必要とされますが、

 

興味のある方はぜひ、読んでみてください。

 


スマトラカレーを考案した
 
伊藤友次郎氏に思いをはせ、
 
このエントリーを終えたいと思います。

 
 
スパイシ~~♪♪♪
 
 

共栄堂
東京都千代田区神田神保町1-6神保町サンビルディングB1
03-3291-1475
[月~土]
11:00~20:00(L.O.19:45)
日曜日(祝日は不定休)
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13000596/

 

 

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