マハラシュトラ武術 マルダニケール (Mardani Khel) | スパイシー丸山「カレーなる365日」Powered by Ameba

マハラシュトラ武術 マルダニケール (Mardani Khel)

久しぶりにインド武術シリーズの新作をまとめてみました!!

 

※他のインド武術も気になる方はこちらを。

 

 

笹塚の西インド料理店「プリヤマハル東京」に行って西インド料理を堪能し


 ※感想こちらこちら


どうして西インドで西洋パンが食べられるのか

 

その謎にも迫ってみたので、

 

今回はその流れで西インド・マハラシュトラ州の武術

 

『マルダニ ケール(Mardani Khel)』をご紹介してみようと思います!!

 

※マルダニケールという発音はこちらの動画を参考にさせていただきました。

 

 

西インド・マハラシュトラ州の位置こちらになります。

 

※マハラシュトラ州には大都市ムンバイがあります。

 

 


マルダニケール(Mardani Khel)。

 

英語版Wikipediaでは以下のように紹介されています。

(詳細はこちら)

 

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Mardani Khel

 

Mardani khel is a weapon-based Indian martial art from Maharashtra. It is particularly known for its use of the uniquely Indian patta (sword) and vita (corded lance). The early history of mardani khel as a distinct system is difficult to trace prior to the 1600s, but it is said to owe its development to the particular geographic conditions of Maharashtra. A hilly region characterized by valleys and caves, the inhabitants became expert horsemen who favoured light armour and highly mobile cavalry units during war.

 

マルダニケール(Mardani Khel)は独特な形の剣(Patta)や紐が付いた槍(Vita)を使うことで知られる、武器術がベースのマハラシュトラ武術です。マルダニケールの初期の歴史を1600年代よりも前にたどることは困難ですが、その発展はマハラシュトラの地理的環境に起因すると言われています。谷と洞穴が特徴の丘陵地帯なため、軽装甲かつ機動性の高い騎兵の達士となっていったのです。

 

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マルダニケールで使われる武器は以下になります。

※訳は各自でお願いします。
Marathi weapons
Pata: sword with a hollow handle acting as a handguard
Talwar: curved single-edge sword
Bhala: short spear with a broad head, used by infantry
Barcha: heavy spear made entirely of iron and wielded by infantry
Vita: lance with a length of cord tying the weapon to the wielder’s hand
Bothati: lance used from horseback
Lathi: stick or staff
Dhala: circular shield
Madhu: a thrusting weapon inspired by deer horns
Kurhad: axe
Danda: battle-axe
Khukuri: inward-curving knife
Danushya: bow and arrow
Katyara: push-dagger with a H-shaped handle
Bagh naka: iron claw
Bichuwa / Bichawa: scorpion knife

 

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ふむふむ、なるほど。

 

拳足を多用する南インド武術とは違い武器術がベースなのですね!

 

今回は英語でもあまり有益な情報にリーチできなかったので、

 

さっそく動画を見ていただきましょう!!

 

まずはわかりやすく編集された1人演武の動画集から。

 

 

南インドの棒術“シランバム”に通じるものがありますね。

 

Wikipediaで「紐が付いた槍(corded lance)」との紹介があって

 

最初、「??」となりましたが、

 

動画の3分55秒のところを見て納得。

 

 

なるほど、そういう武器があるのですね!!

 

 

こちらは複数人での組手ならぬ組剣。

 

他エリアのインド武術にも通じる、

 

剣と小さな盾で戦うスタイルが基本にあるようです。

 

 

 

興味深いのはこの辺りから。

 

両手に剣を装着し戦うスタイルは圧巻です!!!

 

 

 

武器が多すぎて実戦の戦力としてはどうなの??

 

と思ってしまうのは、

 

自分がまだまだ未熟だからなのかもしれません。

 

 

 

木刀で打ち合う二人。

 

日本の剣道とも中国武術の武器術とも違う雰囲気がありますね。

 

 

 

地域のお祭りのようなところでのパフォーマンス。

 

 

 

目の前に立っている人に当てずに

 

棒をブンブン振り回す達人のスゴ技と

 

地面にあるレモンをジャンプしてカットする少々地味なスゴ技。

 

※スゴ技は1分25秒のところから。

 

 

 

こちらは体に乗ったバナナをカットする達人のスゴ技!!

 

切る瞬間、ソフトになるのが素敵です。

 

 

 

最後にマルダニケールの歴史や現在の様子を伝える

 

テレビの特集番組のような動画をどうぞ。

 

※英語ではないので何を言っているかわかりませんが(苦笑)

 

 

 

マルダニ ケール。

 

動画以外の情報がなかなか出てこなかったのですが、

 

久しぶりにサンガム印度武術研究所のHPを覗いてみると、

 

めちゃくちゃ情報が充実していてビックリ!!!!

 

しかも、しっかり現地取材までされているとは!!!!

 

さすがですね!!!!!!

 

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マラータ王国の残照:マルダニ・ケル(Mardani Khel)

https://indian-martial-arts.hateblo.jp/entry/mardani_khel

※URLからサンガム印度武術研究所のページへぜひ。

 

マルダニ・ケルはマハラシュトラのマラーター民族に伝わる武器技を中心とした伝統武術だ。使われる武器はラティ・カティ(lathi-kathi、竹棒)、タルワール(talwar、曲刀)、ダラ(Dhala、丸い金属の楯)、カチャール(katyar、ダガー)、 バラ(bhala、投げ槍)、 ヴィータ (veeta、コード付きの投げ槍)、ダンパッタ(dand patta、ナックルガード付き直刀)などバラエティに富む。

現在ではオリッサ州のパイカ・アカーラと同じ様に主に青少年スポーツや祭礼時のデモ・パフォーマンスという傾向が強いが、その歴史を紐解くと中々に侮りがたいものがある。

クシャトリヤを自称するマラーターが中西部インドに民族集団として顕在化するのは13世紀頃だと言われている。

彼らが拠点とした現在のマハラシュトラ州西部一帯は、西ガーツ山脈により起伏に富んだ地形を持ち、その中で生活し馬を用いた練兵をする事によって、機動力に優れた軽騎兵とゲリラ戦法の基礎が形作られた。

この頃の彼らは、戦場において特に『槍さばき』の巧みさで名を馳せていたようだ。

その武名は徐々に広まり、16世紀以降ムスリムの侵略王朝が割拠する中で傭兵として力を増していった。

17世紀の半ば、その様な傭兵武将の中からシヴァジ―が頭角を現し、マラーター民族は急速に勢力を拡大してデカン高原の覇者となっていく。

彼らはその優れた武勇と戦略によって皇帝アウラングゼーブのムガル帝国に戦いを挑み、騎兵を巧みに用いた俊敏なゲリラ戦によってこれを翻弄した。

やがてマラーター王として即位したシヴァージーはヒンドゥの復興を旗印にムガル帝国を始めとするムスリム侵略王朝に戦いを挑み、領土を拡大。

恐らくこのシヴァジーの時代までには現在のマルダニ・ケルの基礎が形作られ、その後マラーター王国の歴史と共に発展していったと思われる。

マラーター王国はシヴァジーの死後ムガル帝国に押される時代が続いたが、やがてアウラングゼーブが死去すると勢いを盛り返し、18世紀初頭にはマラーター王国を中心に周辺ヒンドゥ勢力を結集したマラーター同盟が結成される。

1720年、シヴァジーの再来と謳われるバージー・ラーオ1世がマラータ王国宰相に就くと同盟は急速に勢力を拡大、北インド一帯からついにはムガル帝国の首都デリーにも侵攻する。

このマラータ同盟の版図は一時期は北インドからベンガル湾東インドに至る広大な領域に及び、帝国と言っても良い規模に達した。それをみてもマラーター達の戦闘能力、つまりは『武術』レベルの高さがうかがい知れるだろう。

しかしその最盛期は長くは続かず、1761年、南下するアフガンのムスリム連合軍に第三次パーニーパトの戦いで大敗した結果、同盟としての統率力が失われくつかの有力諸侯家が分立する。

その後宰相マーダヴ・ラーオの力量によって何とか同盟としての面目を保つが、彼の死後同盟は混乱し、その内紛に乗じたイギリス東インド会社に付け入られ第一次マラーター戦争が勃発するが辛くも撃退。

その後も同盟内部の対立は続き、第二次マラーター戦争(1803–1805)でイギリスに敗北した同盟は多くの領土の割譲を余儀なくされ、続く第三次マラーター戦争(1817–1818)で大敗を喫し、最終的に1818年6月、同盟は解体されるに至った。

マラーターの敗因については色々と言われている。内部的なまとまりの無さは勿論致命的だったのだが、彼らが持つ伝統的な侍スピリットが銃よりも剣を尊んだ結果、銃器に即した戦術の練度が、英軍に比べて低かったのもその一因だろう。

同盟を統括する宰相府はイギリスによって解体されたが、諸侯はそれぞれ藩王国としてかろうじて存続を許された。しかしそれは完全なイギリスの支配下における屈辱的な延命に過ぎなかった。

そして1857年メーラトで勃発したセポイの反乱に呼応する形で多くの旧マラータ勢力が決起し、カーンプルのナーナー・サーヒブとその武将ターンティヤー・トーペー、ジャーンシーの女王ラクシュミー・バーイーなど、多くのマラータの戦士たちが勇名を馳せた。

やがてこの大規模な反乱も鎮圧され、以降マラータの実践的な武術はイギリス植民地政府によって徹底的な弾圧を受け武器の使用も禁止、辛うじてケル(ゲーム、スポーツ)として生き永らえたのだろう。


インド独立後、マハラシュトラでは郷土の誇りである伝統武術の見直しが急速に進み、現在の『マルダニ・ケル』としての体裁が関係者の努力によって整えられていった。

現在、マラータ王国の中心地のひとつだったコラプールなど、マハラシュトラ州各地にマルダニ・ケルの道場(タリーム)が存在し、郷土の英雄シヴァジー直伝の武術としてマラーティの間では人気が高い。

1957年のインド大反乱において名を馳せたジャンシーの女王ラクシュミバーイは、その後インド独立運動のシンボルとして称揚されマラーターの武勇を象徴するヒロインとなった。その為現在、多くのマラーター女子がマルダニ・ケルに入門し、その伝統を学んでいるという。

また、ラクシュミバーイが名誉の戦死を遂げたグワリオール城の攻防戦おいて、彼女が幼い我が子を背負いながら馬上で剣を振るい戦ったエピソードにちなんで、祭礼などでは女性戦士が赤ん坊を背負って剣を振るうパフォーマンスが演じられ、観衆の喝采を浴びている。

また、ケララ、タミル、オリッサ、西ベンガルなどと同様ここでも棒術の回転技が極めて高いレベルで伝承されており、回転技マニアとしては嬉しい限りだった。

2010年の現地取材では、Shivkalin Mardani Khel Khandoba Talim 道場の皆さんに全面的に協力して頂いた。マラータ戦士、勇者の末裔たちに、篤く御礼申し上げたい。

 

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旅行でムンバイに行った時、

 

博物館に行く機会が何度かあったのですが、

 

貴重な武器の展示がけっこうあったんですよね。

 


ただ、その時はマルダニ ケールのことを全く知らなかったので、

 

凄さと価値が全く伝わらず・・、全然楽しめなかったのでした。

 

あの時、今回まとめた情報を知っていれば・・。

 

再びムンバイに行く機会ができたら、

 

貴重なマハラシュトラ武器の数々をじっくり観察してみたいものです!!

 

※インド武術に興味のある方は他の武術もご覧になってみてください→カラリパヤットシランバムワルマカレイガッカタンタ/ヒュエンラングロンスケイマラカンブとクシュティアンガンポラ


 

スパイシ~~♪♪♪

 

 

 

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