vol.179 バスブラ2014⑤”東京2大駅を結ぶレア幹線”西武バス『宿20』&新宿歴史探訪 | 旅ブログ Wo’s別荘

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  年1回、路線バスを取り上げる『バスブラ』シリーズです^グッド!

本年は近場ですが、都内の路線ですビル

 

都内の数あるターミナル駅の中で、乗降客数1、2位を争うといえば新宿駅&池袋駅

この2大ターミナル間はJR山手線・埼京線や地下鉄副都心線等、複数の鉄道で強力に結ばれていますが・電車

 

実は、路線バスでも結ばれています。

しかも、1~2時間に1本しかない、レア路線なんです(※2014時点)バス

どんな路線なのか、乗って参りました。沿線のプチ探訪も付けます。早速スタートします^男の子

今更ながら当別荘初登場かも(?)、JR池袋駅です^ビル

↑写真は東口側です。

西武百貨店が壁のようにそびえていますが、池袋ってなぜか『東口側が西武、西口側が東武』で、僕上京当初は池袋でよく迷子になりましたwあせる

いつか池袋が作に登場する時、ネタにしたいと思ってたのが↑の標識ひらめき電球

僕が上京してきた頃、西武百貨店の前にあるのに気が付いて以来気になっていた標識。たぶん昭和の高度成長期あたりに建てられたと思われる字体なんですが、周囲の道路標識は次々と新型に更新されるのに、どういう訳か↑だけ昔のまま放置プレイwナゾの人

道路番号も街路名も距離程も一切無し!ただ一言、”川越”だけ^



そんな西武百貨店の周囲には多数のバス停が点在し、都営バス等が頻繁に発着していますが・

 

そんな中に、待つ人もなくひっそりと建つ、↑ライオンズマークのポールの停留所があります。

西武バス『宿20』、新宿西口行乗り場です。今回のバスブラはこれに乗りますグッド!

 

この系統、2014現在、午前に5本(※1時間毎)、午後3本(※2時間毎)のみの運転で、計1日8本しかない”レア路線”なんですあせる

(※この他に途中止め2本あり)

『都心のレア路線』ともいえる宿20系統ですが、↑ちょっと地味な色使いの西武バスが入ってきましたDASH!

どういう経路で新宿まで連れていってくれるのか、乗り込みます^目

定刻に発車!

壁のような西武百貨店が遠ざかりますヒツジ

始発時点では、乗客は僕を入れて3人叫び

少し南下した後、クルッと右折して・

↑目白の駅前を通り、山手線の外側に出ますリサイクル

この後バスは山手通りを南下、↑西武新宿線の中井駅前バス停に停車します。

途中から乗ってくる人もあり、この時点で車内は10人位^

この中井駅前で、途中下車してみます右下矢印

次のバスが来る1時間の間で、少し街ブラします男の子

先程のバス停、”駅前”とはいっても山手通りは街中から一段高いところを通っていて、中井駅まで歩いて5分程かかります走る人

↑中井駅が見えました。

このあたりの西武線は地平を走っていますかたつむり

↑駅舎ですが、なんか工事中みたいで、何だかよくわからない写真しか撮れませんでしたwあせる

そんな中井に、なぜ途中下車したのか・

 

アノ有名作家がこの中井にかつて旧居を構え、それを公開している資料館があるというので、見学しようと思います馬

駅から住宅地を少し歩くと、↑ひときわ緑深い一角が・霧

『林芙美子記念館』がここにあります。

我が国女流作家の代表格・林芙美子はこの中井を“終の棲家”としました。

彼女の旧居をそのまま使っているので、↑入口の門も旧家の玄関そのものドア

受付の横には、無料のロッカー(※↑木製^)と、この当時都内で流行していたデング熱対策のため、防虫スプレーが用意されていました(※受付の方に「中庭にヤブ蚊がいるので必ず使って」と言われました)

では、おじゃましますカメ

緑の庭の中に瀟洒な平屋が2棟あり、1棟は主に生活&接客等に、もう1棟は画家だった夫のアトリエと芙美子の書斎等として使われたとの事です霧

まずは生活棟から見学します。

↑は茶の間お茶

芙美子一家はここに、1941(昭和16)年~芙美子が死去した1951(昭和26)年の10年間住んでいたそうです。

少し庭にせり出した、↑小間と呼ばれた部屋。

芙美子のお母さんの居間として、また予備の客間としてや書生の寝室としても多目的に使われたそうですコーヒー

↑玄関は小ぶりで、一般の家の玄関とさして変わりません^

ただ、↑正面に見えてますが”取次の間”という3畳程のスペースが附設してあって、ここに原稿を取りに来た出版社の記者を待たせていたという事です。締切なのに原稿が出来てない時、芙美子は居留守を使う事もあったとの事wあせる

↑緑深い庭から見る、木々に隠れるような主屋霧

決して豪邸とはいえない感じですが、隅々にセンスの良さが漂い、住む家族への心遣いが感じられるような家でした^キラキラ

 

芙美子はこの家を建てるにあたって自ら建築の勉強もし、設計者や大工を連れ、京都の民家を見学に行くという力の入れようだったそうです(※現地パンフによる)

芙美子のこだわりは、文学だけではなかったようです本

↑当時としては最新型の流し台を備えた台所割り箸

芙美子は設計にあたり、客間よりもむしろ、家族が日常で使う台所や風呂・トイレ等に注力したといいます食パン



次に、↑アトリエ棟を見てみますアート

パンフによると、建築当時この地域に建坪制限があったため、芙美子名義の生活棟と、夫名義のアトリエ棟の2棟に分けて建設したそうです。いわゆる”法の抜け穴”を駆使したという事ですwしっぽフリフリ

アトリエ棟で一番僕の眼をひいたのが↑の部屋です。

『寝室』となっていましたが、当初は芙美子の書斎として設計されました。しかし芙美子は執筆にここは使わず、家族が食事したりする”居間的”な使い方をしていたようです。分割可能な↑テーブルが面白いひらめき電球

で、芙美子が執筆に使っていたのは↑の部屋だそうですメガネ

数々の名作はここで生まれました。

先程の”寝室”の隣で、ちょっと奥まった感じでした。

当初は納戸としてつくられたそうですが、奥まってちょっと狭いほうが落ち着いて執筆出来たのかなぁと^

パンフには『この部屋は家人にもさわらせなかった』とあり、“作家の聖域”だった場所ですヒミツ

↑書庫には、この家から日本中におくり出された数々の名作が収められていました本



芙美子邸ラストに、この家で一番奥にある展示室を見学します目

元々、夫が絵画制作のアトリエとしていた同家で一番広い部屋を、現在展示室として使っています。

1903(明治36)年、現在の北九州市に生まれた芙美子(※下関市、或いは鹿児島市との説あり)の波乱の生涯を、年表と映像でわかりやすく解説。ここを見学すれば15分位で芙美子通になれますグッド!

芙美子の代表作といえば、有名な『放浪記』、森光子さんの”デングリ返り”でおなじみの舞台を誰しも思い出すと思いますが、彼女は全国各地を旅(放浪)し、そして東京に定住して当初は苦労を重ねた半生の自叙伝的な作でもあるようです。

夫が画家だったという事もあり、↑芙美子自身も絵筆をとる事があったみたいですアート

↑往時の新宿繁華街地図、芙美子が上京当初、まだ駆け出しの頃勤めていたカフェーの場所まで展示(※現在の歌舞伎町辺りか)

 

昭和を代表する作家の半生に、思い馳せたひと時でしたキラキラ

 

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中井で1時間経ちました。

次のバスが来る時刻、急ぎバス停へ戻ります走る人

広々とした山手通りハチ

↑そして、都心とは思えない程閑散としたバス停あせる

でも時間になると、↑ちゃんと律儀にやってくるバスwバス

(※この便には7~8人乗ってました)



中井発車後、引続き山手通りを南下、メトロ落合駅とJR東中野駅にも接続、中野坂上交差点を左折し、青梅街道を副都心のほうへ進みますDASH!

 

この坂上交差点の下にもメトロ丸の内線の駅があり、宿20系統は、起終点の池袋と新宿を除いても、地下鉄2駅とJR1駅、西武線1駅の計4路線に接続という、便利なルートを走っています合格

 

ただ都市部の路線バスの場合、『あまり幹線道路過ぎると、かえって乗客が少ない』という法則(?)もあり、この系統もそれに当てはまるようですあせる

 

そして~

↑終点・新宿西口バスターミナル到着です。

”都心のレア便”、宿20系統の旅がおわりましたフラッグ

 

それにしても西武バス、なぜこんな乗客が乗らない赤字確実な路線を走らせ続けているのか?、僕はいくつかの理由が思い浮かびます。下記に3つ程挙げますクリップ

 

▽① 路線免許維持

元々、埼玉県南部から多摩北部にかけて多くの路線を持つ西武バスですが、23区内では池袋が中心で、同社が新宿駅へ定期的に乗り入れる路線は唯一、この線だけです(※2014現在)

各地のバス会社で散見される傾向で、路線免許維持のため、例え1日1本でもこういう路線は保っておこうという習性wがみられます^ロボット

 

▽②廃止するのも手間が大変

バス路線の変更・廃止には地元との調整がいるという事。鉄道路線と原則は同じです。他のバス会社や都営バスとの調整も必要で、路線どころかバス停1つ改廃するにも地元と協議を経るのが大抵通例です。面倒だからそのまま置いとこうか、という話もなくはないです。許認可事業っていろいろ大変ですあせる

 

▽③補助金

元々公営バスだった路線を民営に譲渡したり、廃止しようとしたら地元からの要望が強くて廃止出来ない等の事情がある路線には、自治体から維持のため補助金が出ている場合があり、その場合はバス会社の独断では廃止できませんがま口財布

 

その他、回送ついでに営業線にしている場合w等、いくつかのケースがありますが、長くなるのでこの辺にしておきますあせる

 

そんなこんなで、この”レアな西武バス”が新宿駅に現れる光景は、まだ当分の間は見られると思います^ビル

初秋の青空がスッキリと気持ちいい、この日の新宿西口晴れ

(※撮影は9月中旬です)


バスターミナルの下はご存じ、↑新宿西口地下広場わんわん
地下鉄は勿論、JR/小田急/京王各線とも、各線新宿駅には地上から直接電車に乗れる入口は無く、一旦地下に入ってから駅へ入る構造になっています。春になると地方からの受験生が右往左往する姿がよく見られる界隈wモグラ

 

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このあと東口側に移動し、新宿御苑へ行こうと思っていたんですが・

残念ながら新宿御苑は、デング熱発生の影響で閉園中汗

そこで地下鉄に乗り、四谷三丁目駅へやってきました地下鉄

靖国通りを少し歩き、路地を入って100m程の所に~

住宅地の中にポツンとある、↑新宿歴史博物館を見学します。

先程の林芙美子記念館と同じく、新宿区立ですビル

入口から↑階下に降り、半地下になった所にロビーがあります椅子

ロビーに行くといきなり、↑ボートのような模型が・

これ、電車の運転台ですあせる

新宿といえば”小田急ロマンスカーの始発駅”という事で、小田急から運転台の機器一部と座席数席を譲り受けて展示(※但し車体は本物切取でなく、模造です)

では、展示をみていきます目

 

新宿区は戦後の特別区再編時に、

旧四谷区(※新宿東口側)、淀橋区(※西口側)、牛込区(※神楽坂・市ヶ谷等)の3区が合併して発足しました。

各々の地区の歴史、特に現代史を中心に紹介していますグッド!

この博物館、撮影については珍しい独特の規則があって、”部分的に可”サーチ

館内約10ヶ所に”撮影スポット”があり、そこからの撮影ならOKとの事で、本作の写真もそこから撮ったものですカメラ

この館の基本コンセプトは、館パンフによると『まちの記憶』です。

古代からの歴史も紹介していますが、展示の主眼は、近~現代の繁華街に生きた人々の、庶民の暮らしです家

明治以降、新宿を中心として発達していった鉄道網も取り上げ、新宿が東京きっての繁華街として繁栄を築いていった経過もわかります星

↑戦前の新宿を走っていた路面電車も再現していますが、これもロビーの小田急と同じく、残念ながら模造あせる

(※運転機器の一部は本物を取り付けてありました)

僕がこの館で一番面白いと思ったのは↑の展示目

"文化住宅の生活"を再現したコーナーで、大正~昭和初期、東京はもとより全国の都市部で流行った、一戸建ての建売住宅です家

↑室内にも上がれますヒツジ

なかなかリアルに再現していて、人の家の玄関に無断侵入しているような錯覚にw

居間には、↑昭和の食卓・ちゃぶ台が実感満点に展示ラーメン

近年、全国の博物館でこうした”昭和を偲ぶ展示”をよく見かけます。

↑流し台に野菜が洗ってある等、台所も芸細かく再現オレンジ

この時期の住宅で最大の特徴、↑”和洋折衷ひらめき電球

当時の文化住宅の必須条件として”必ず洋間を1部屋設ける”という事だったそうですハロウィン

 

上展示の家には出窓のある洋間があり、中には応接セットが置かれていました。

行った日が9月中旬だったので、月見だんごとススキが出窓に飾られていましたお月見



他にも、”新宿ならでは”といえるような展示が数々ありました。

 

↑は、年代や職業別のボタンを押すと、当時のその階層の人(※例:学生or主婦orサラリーマンetc)が、新宿の繁華街で一日過ごせばお金をいくら使うのか?をシュミレーションしてくれるというもの¥

 

例えば、奥さんが新宿に出掛けて、『伊勢丹で買い物→中村屋で食事→映画を観る→高野で果物を買って帰る』といった流れを、店名もハッキリ挙げて具体的に例示。当時の生活を"消費行動"からみるという、着想が面白い展示だと思いました^プレゼント

↑は、歌舞伎町等の盛り場を通行した階層別人数の比較ですが、”奥さん”と”若奥さん”が別になっていました。年令の境目は何才なんでしょうか(?)wしっぽフリフリ

展示室はコンパクトな規模でしたが、けっこう楽しめました虹

 

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新宿歴史博物館を出て、帰りはJR四ツ谷駅から乗ろうと、靖国通りを歩いていくと・

とあるビルの1Fに入っていた、↑ペットショップわんわん

このペットショップから突然出てきた、↑『巨大な亀』カメ

思わず通行人も足を止めるw

このショップで販売されてるのか、それとも”非売品”のアイドルなのか・叫び

しかしこの亀賢くて、靖国通りギリギリまで出た所で↑ピタッと止まり、車道には出ないんです注意

 

一応店員さんが遠目に見守ってはいるんですが、何とも驚きの光景でしたあせる

ここ、迎賓館のすぐ近く、都心の一等地ですよwあせる

と、さいごに知られざる四ツ谷(?)をご覧頂いたところで、↑JR四ツ谷駅へ到着。ここでゴールとしたいと思いますパー

 

かなりとっ散らかった作になり、一体何がテーマかわからなくなりましたが(笑汗)、ラストに整理しておきますとwあせる、今作は『バスでブラブラ・西武バス&新宿歴史散歩』でございました^ガーン

 

 

 

 

 

 

(※2023.1 2024.6 文一部修正)