ここ数年、恒例になってきた感もある『秋の九州』ですが、今年も行ってまいりました^
今回は、飛行機で鹿児島を訪れました
前後編2作シリーズになります、早速スタートします^
羽田からJALエクスプレス便で、↑なにやら雲行きが怪しい鹿児島空港に着きました
前作までの高知ツーリングと同じ状況で、台風が接近していたんです
でも今回は同僚と休暇も合わせての旅行だったので、そうそう簡単には中止にも出来ず、飛行機が飛ぶ限り強行しようと(汗笑)いう事で決行しました
ちなみにこの翌日の鹿児島便は全便欠航になったようです。ホント危ないところでした
そして今回の”旅の足”は、↑レンタカー
鉄道やバス便の少ない薩摩半島を廻ろうという企画なので、2人で使えば便利でお得と判断しました。当別荘ではレアな”レンタカー旅”です^
鹿児島空港は、市内までリムジンで1時間近くかかる山の中にあります
空港前のレンタカー会社を出発、まずは九州道の溝辺鹿児島空港ICへ
当別荘創設7年目、初の鹿児島県作です^
2009年、当別荘初の九州作をupして以来、何度も来ている九州ですが、主に熊本や長崎等の中部が中心だったので、初めての"奥三州"進出です^
運転は同僚に任せて、助手席からならバイクでは撮れない↑な写真も撮り放題です^
鹿児島市内への途中にある↑桜島PAに寄ります
”最後の休憩施設です”の看板も。
青森ICから延々2000km以上繋がっているネクスコ管轄の高速道で最南端(※北海道と沖縄の高速は直接繋がっていないの除き)のPAです
PAといっても食堂/売店もあり、駐車場も広々^
いつかはWo号でも来てみたい鹿児島です
↑九州道終点、鹿児島料金所へ到着
ETCレーンは1つだけ、このあたりではまだ現金派が多い?(※2013年当時)^
市内には入らず、そのまま続いている↑指宿スカイラインを走ります
スカイラインに入るといきなり対面通行、標識も電光案内板もほとんど無くなります
指宿スカイライン、ひたすら緑の森の中です
↑途中にあった、須々原展望台に立ち寄ってみました
↑ここから望む桜島と鹿児島市内の遠望、素晴らしいものでした
この時点で、羽田を飛び立ってからまだ3時間余、飛行機ってホント早い
途中の、知覧ICで降ります
繰返しですがこの指宿スカイライン、ホント標識類が少なく(※2013当時)、カーナビ無で走る場合は要注意かも
ここもそうでしたが、地方の有料道路はETCは使えない場合が多いです。さぁ小銭小銭・w
薩摩半島中心部の内陸に位置する知覧(※平成大合併で”南九州市”となった)で、一般道に入ってまず目に付くのは、↑茶畑
薩摩半島は静岡、狭山や八女等と並ぶ、全国有数のお茶の産地なんです。鹿児島茶は、甘みがある濃厚な味が特徴で、僕は凄く美味しいと思います
そんな山あいの茶畑を見ながら走ると、突然整然と整備された街並になりました。知覧の街です
これから知覧で、"武家屋敷の街並"と"知覧特攻平和会館"を見学します
集落メイン道路と並行して、知覧きっての名所・武家屋敷の通りがあります。
武家屋敷の通りを見学するためには、各駐車場や沿道の商店等で扱う"入場券"(※500円・2013時点)を購入してから通りに入ります。
ちなみに同僚の姿が冒頭から写ってませんが、"写真に写ると魂が抜ける"と言うので写らないようにしていますw
約1km弱にわたり、↑石垣と生垣が美しい武家屋敷の通りが続いています
通りの中には、内部の一部が公開されている民家が7軒あり、入域時に支払う入場料は、これら公開民家の維持管理費用などに充てられています。
↑屋根が2つみえる古民家、”二ツ屋”というこの地域に多かった建て方だそうです。
なお、玄関も"男玄関"と"女玄関"の2つがあって、江戸時代までは男女差別が激しかった薩摩の名残もとどめています。
これら公開家屋は現在でも個人の所有のため中には上れませんが、ガラス越しに覗かせて頂くと、なにやら宴会・会合用のような準備がしてあります。↑電気ポットが席の脇に並んでいますが、現在も地元の方々が会合に使っていると思われます
裏庭も覗かせて頂くと、昔式の↑稲こき機(?)が何げに置いてあります
知覧武家屋敷群の何よりの特徴は、↑ご覧の通り、石垣と、生垣の独特の剪定様式にあります。
その美しさと落ち着いた佇まいから、”薩摩の小京都”とも呼ばれています(※国重伝建造物群保存地区)
かつて薩摩藩と深い関係にあった、琉球の影響もうけているそうです
そして、この武家通りで仰天の光景を発見w
↑通り沿いでひっくり返って、しかもイビキをグーグーかいて寝ている猫(※本当にいびきをかいていました)
さわってみましたが、少し寝返りを打っただけで起きない(驚)
路地の奥とかならともかく、↑は観光客が多数通っているメインの武家通りです、なんとも根性のすわった猫です
6月upの伊勢ツーリングで、神域の入口前で横になって寝ていた猫よりもウワテがいました
"武家通りへ入域するには、入場料が必要"と前述しましたが、でもこの通りへの入口や7軒の公開民家に、特にチケットをチェックする人はいません。入場券購入時に渡される"パンフレットを手にもって歩く"のが協力料支払いの印となるんだそうです。訪れる人の良識に任されています
そして、知覧の武家屋敷は、その家屋もさることながら、『庭園』を鑑賞するのがメインとなっています
↑どの公開民家も縁側があり、そこから見る樹木と玉砂利が見事に手入れされているお庭が美しく整備されています
そして何より素晴らしいのが、"知覧式"(※僕が勝手に命名^)と言ってもいい樹木の剪定の仕方と、絶妙のバランスで配置された石組み、庭といってもここまでくるともう“芸術”です
繰返しですが、この独特の剪定をした生垣、他では見られない現実離れした雰囲気の街並です
次の公開民家に入ります。
↑ここも、一軒目のお宅と同じく、二ツ屋です
↑“明治の居間”がそっくり現在に残っています
このお宅は↑”お土産コーナー”もありました。知覧茶やお菓子などが素朴な感じで並んでいます
↑昔よくあったタイル造りの洗面台、久々に見かけましたw
なんか、庭園の一つ一つが独立した世界のようです^
縁側のすぐそばに置かれた、↑独特の形の巨石が印象的
武家通り途中の角っこに、↑の大きな石が・
これ、沖縄に行くと三叉路の付け根でよく見かける"石敢当"と同じものです。琉球との結びつきの強かった薩摩藩、知覧の街並にもその影響が残っているとの事です。
↑のような庭園のお宅もありました。
石組みが一切なく、刈り込まれた低木だけがモッコリと
独特のボリューム感を感じる庭ですが、サツキの木だとの事で、春のシーズンにはピンクの絨毯になるそうです^
公開民家7軒全部見学し、1km弱の武家屋敷通りをあとにします
武家屋敷通りと並行している↑知覧のメイン通り、市役所や裁判所・郵便局や銀行などが並び、薩摩半島中心としての顔も持っています。道路には水車もある堀がつくられ、覗きこむとコイも泳いでいます。電柱も一部ですが地下化され、観光と地域中枢機能を両立させている、大変整備された街並でした
-*-*-
次は、もう1ヵ所の見学箇所、特攻平和会館へむかいます。
武家通りから特攻会館へは2kmほど離れており、レンタカーで移動します
かつて知覧には旧日本軍の飛行場があり、先の大戦末期に沖縄戦への前線基地として、敵の軍艦へ戦闘機で体当たりさせるための特攻隊員が飛び立ったという悲惨な歴史をもつ所です。その歴史を次代へ伝えるため、同会館が設立されました。
↑知覧特攻平和会館、玄関です。
内部は撮影禁止なので文で紹介しますが、内部には零戦や衣服、装備などの実物のほか、隊員の写真や遺品、そして出撃前に最後に家族へしたためた手紙や遺書類が大量に展示収蔵されています。
中でも、手紙や書類の多さには本当に驚きました。ガラスケースに入って展示されている資料だけでも膨大な数なのに、各ガラスケースの下は10段以上ある大きな引き出しがあり、そこを開けるとさらに多くのお手紙や遺書が閲覧できる状態になっています。
ご遺族のご協力があってこそと思いますが、よくぞこれだけ沢山の方々から収集したなぁと。
書かれていた内容はここでは割愛しますが、涙なしでは読めないものばかりでした。
そして、現地で感動したというか驚いたのが、いずれのお手紙もすごく達筆な事。戦前って、学校や家庭でどのような書道の教育をしていたんでしょうか。見事な毛筆(※又は万年筆)の鮮やかな筆致で、とても20歳前後の若者が書いたとは思えない素晴らしい筆跡、そして文章でした。
なんか、戦前の日本人の(※今の日本人もきっと潜在的に持っているはずですが)魂というか、矜持というか、心の美しさを感じ、悲惨な史料を前に不謹慎な表現ですが、大感動しました。
前述の通り館内は撮影禁止なので、外からガラス越しに↑展示されている零戦を撮らせてもらいました(※謹写)
↑は、海中に没していた零戦を引き上げたものです。腐食していますが、見る者を当時の激烈な戦闘に心馳せさしむに充分な、生々しい姿でした。
会館の外に、↑当時の兵舎が再現されていました。
故郷を遠く離れ、二度と戻ることのない片道の飛翔に向け、ここで寝食しながら訓練に励んでいた若者の心持ちとはいかばかりかと思います。
この特攻平和会館ですが、決して戦闘を美化している施設ではありません。館名にもハッキリ"平和"を冠している事からもわかりますが、館のパンフレットには「当時の真情を後世に正しく伝え、世界恒久の平和に寄与するものです」と記されています。
知覧、かなり前々から来たかった場所だったんですけど、鉄道が通じていない街というのもあってなかなか機会がなく、今回ようやく訪問実現出来ました。
ちなみに1965(昭和40)年までは、知覧へ鉄道が通じていました(※旧鹿児島交通知覧線)
県道を一路、次は薩摩半島の西端、枕崎市へ向かいます
見渡す限りの茶畑のむこうには、↑遥かに霞む開聞岳がうっすらと見えます
(※開聞岳は、この後どんどん近くなってきます)
↑枕崎市の街中に入りました
市内中心部にある、鹿児島の地元スーパー"タイヨー"
このスーパーの敷地、1984(昭和59)年までは鹿児島交通・鉄道線の枕崎駅がありました。枕崎から鹿児島本線の伊集院まで、薩摩半島西岸に鉄道が通じていたんです。
かつて枕崎駅は、鹿児島交通と国鉄の指宿枕崎線の接続駅で、昭和末期までは薩摩半島を鉄道で一周する事が出来ました。僕は学生の頃、初めて九州を周遊券で旅した時、一回乗った事があります(古)
一方、指宿枕崎線は、JR転換後も何とか存続しています。枕崎駅入口に、↑立派な看板が立っています。
入ってみます
建て替えられたばかりみたいで、↑駅舎も駅前広場もきれいでした
↑の横断幕の通り、昨年グッドデザイン賞を受けたとの事です
駅のあちこちにも大書されてたんですが、北海道・稚内から延々と繋がっているJRの線路、ここが南西端です
ちなみに、稚内から枕崎まで、約3.140kmあるとの事。狭い日本ですが、長細さはなかなかのものです
きれいに建て直され、街おこしの拠点にしようという意欲も感じさせる枕崎駅ですが、↑の通り列車本数は、1日わずか6本(※2013当時)
鹿児島中央~枕崎間を結ぶ指宿枕崎線、鹿児島口からの本数はそこそこあるんですが、大半の列車は途中の山川(※指宿駅の隣)止まりで、それより先、枕崎方面へは極端に本数が減ります
所要時間は、枕崎⇔鹿児島中央駅間は約2時間半かかり、鹿児島市へはバスの方が便利な現状です。一般の人が枕崎観光に同線を活用しているとはいえないのが、残念ながら実態です
駅前の観光案内所で教えてもらった↑のお店、枕崎名物『枕崎・鰹船人(かつおふなびと)めし』を食べさせてくれるというので、入ってみます
↑"鰹船人めし"(かつおふなびとめし)を味わいます
丼の上には、カツオの本場・枕崎で獲れた新鮮な鰹。それを、これまた枕崎の鰹で採った出汁(↑右の急須に入っている)をかけながら頂きます^
東京から約1000km、九州さいはてのこの街でしか食べられない逸品です
これ元々、枕崎の漁師さんが船の上で獲れたてを“まかない”として食べていた丼が由来なので、"船人めし"というそうです
駅から車ですぐ、↑巨大な”甕”が縁取ってある駐車場に着きました
↑の甕、焼酎を製造する工場で使われていたものです。
という事は、ここは・
枕崎で焼酎といえばご存じ、全国ブランド”さつま白波”でおなじみの、薩摩酒造(株)工場です
この工場では芋焼酎製造の様子を垣間見れるほか、仕込み甕が並ぶ発酵場にも入れ、焼酎に関する資料館や直売店も併設され、枕崎名所の一つになっています
(※仕込み場や資料館内は撮影禁止)
正式名は『花渡川蒸溜所・明治蔵』といい、サツマイモから造った地ビールが飲めるビアホールもあります
開け放たれた工場の扉から、サツマイモを切断して仕込みの準備している様子がみえます
こういう所を見学しておくと、今後都内で白波を飲む時も、なんか味わいが違ってくると思います^
この明治蔵には↑木造の"望楼"もあり、カツオ水揚げ日本一の枕崎港や、市内が一望の下
そんなに高くないわりには、眺望がきくのに驚きました
-*-*-
枕崎市を出発、薩摩半島南岸を走る国道226号を、開聞岳の方向へ走ります
東シナ海です
どんどん近くなってくる開聞岳(※標高924m)
頂上付近の雲が、↑噴火しているみたいに見えます^
既に夕方前、鹿児島市内に戻っているんですが、途中2ヶ所程寄り道していきます。↑は、JR西大山駅
先程寄った枕崎駅から続く、指宿枕崎線の途中駅です。
この駅、鉄ちゃんには有名な・
↑『JR日本最南端の駅』なんです
↑東西南北の各最端駅を案内する、真新しい看板も設置されていました。これによると、最西端駅は枕崎ではなく、佐世保駅だそうです
ちなみに↑の看板は、"JR駅での"とわざわざ書いています。というのは、JR以外の駅も含めたら、日本最西端と最南端駅は違ってくるんです
2003年開通した沖縄モノレール(※ゆいレール)の開業により、最南端(※赤嶺駅)と最西端(※那覇空港駅)が、一気に沖縄の地に移りました
又、モノレールでない通常の鉄道駅での最西端は、松浦鉄道のたびら平戸口駅だそうです
それはさておき、日本さい果ての駅である事には違いありません。
何時間も列車が来ない寂しい駅には、コスモスが風に吹かれていました
今作ここまでです!
作容量限界となりました、続きは後編で^
次作・後編では、↑西大山駅近くの”湖”と、この翌日訪ねた”パワースポット”を中心におおくりします。お楽しみに^
(※2022.12 2024.5 文一部修正)