2012麗水万博旅、最終回です
前作は、日本館に入ったところ、↓の写真まででした。
最終回の今作は、前作ラストで"テーマが予想外だった"と予告していましたが、そこから始まります。
その"日本館のテーマ"とは何だったのか・
麗水万博に出展した日本館のメインステージ、その”テーマ”は、昨年(2011)の東日本大震災でした。
概要は、東北に住む“カイ”という少年が昨年の大震災と津波に遭遇し、被災した故郷で、周囲の人々と助け合い、いたわり合いながら成長していくというストーリーです。
(※全編アニメで、実人物の出演は無しです)
主人公・カイ少年は、たくましさと優しさを兼ね備えた人物像で描かれていました。
震災直後には、台湾等とともに、隣国・韓国からも沢山の救援物資や義援金が日本へ贈られてきました。これを見た韓国の観客の心に、日本からの謝意、そして、日本人の災害に対する忍耐強さが伝わってくれればなぁ・と思いました。
ところで『カイ』という少年の名前、"海"ともとれるし、舟を漕ぐ"櫂"にもとれるし、いいネーミングだと思いました。
なお、映像や演出は上海万博の時のようなサプライズは無かったですが、専用メガネをかけなくても立体に見える3Dになっていて、さりげなく最新技術も採り入れていました
中国は上海万博でパワー尽きたとみえw、映像1ステージだけの簡素なものでした
ストーリーは中国南部の漁村の少女と沿岸にいるイルカとの交流というアニメでした。アピール性にも乏しく、大国にしてはちょっと力不足な感もしました
会場内のあちこちにある、↑タッチパネル式の案内画面
前作で紹介したバス停の案内板もそうでしたが、老若男女が当たり前のようにタッチパネルを使いこなしている光景に、IT大国の裾野の広さも感じました
日が暮れてきました
デジタルギャラリーの大屋根の巨大画面も、↑一層鮮やかに見えます
夕闇迫る会場の、中央に位置する噴水とステージのある広場では・
日没とともに始まるショーを見ようと、開演1時間前に↑観客席は満席となりました
シリーズ初回で紹介した釜山駅前の噴水も凄かったですが、ここの噴水も見応えありました
又、噴水だけでなく、韓国全土の民俗舞踊や、Kポップ等のステージもあり、宵闇の海風に吹かれながらしばし楽しみました
会場は、23時まで開いていました
でも、宿への終バスの時間があるので、最終まではいられません。そこそこに会場をあとにします
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翌朝~
泊まったのはバスターミナル近くの、↑オンドル部屋の安宿
近年では韓国へ行く時、大抵日本でネットで予約して行くんですが、麗水はネット予約できるホテルが少なく(※2012当時)、ましてや万博期間中は麗水市内でメジャーなホテルは予約が難しかったので、久々の飛び込み宿泊にしました
韓国では、質にこだわらなければ、地方ではバスターミナル近くに安宿が集まっているので、予約無でも宿の確保は大抵大丈夫です(※ソウルや釜山等の大都市では近年難しくなっています)
ソウルではあまり見かけなくなりましたが、玄関に“温泉マーク”があれば安宿のしるしです^
麗水2日目、この日で僕は麗水最終日なので、気合を入れてw朝一から、市バスに乗って会場へ向かいます
海に面した会場
この日も爽やかな天気に恵まれました^
昨日(前作)からの続きで、前日見残した企業館と、国際館関係を中心に見ていこうと思います
まずは、仲良く並ぶ財閥パビリオン、↑ヒュンダイ館&サムスン館に入ります
ヒュンダイ館は、↑1Fがオープンステージ(※ロボットやKポップのショー)、2Fで映像をやっています
映像が始まる直前、会場を「ウォ~」とどよめかせたのが↑の壁。これ、"スクリーン"です
開始のアナウンスと共に、何の変哲もなかった白いスクリーンが、突如起伏をはじめ、凸凹に!
このあと暗くなって映像の投写が始まったんですが、スクリーンも画像の動きに合わせて凹凸をつづけ、なかなか面白い演出でした^
つづいて、↑サムスン館へ
スケートリンクのようなパビリオン内の、淵に沿った通路を歩かされると、始まったのが↑バレエ
企業館は、海洋というテーマにあまり縛られない分、各館ごとにかなり独創的に仕上げてます^
サムスン館を出ると、企業館通路に、なにやら↑ドデかい木製の少年が・
後ろに付いているクレーンで動き出したんですが、これが海洋と何の関係があるのか結局わかりませんでしたw
企業館では他にも、LG館等数館入りましたが、容量の関係で割愛します
↑自販機の前で、ちょっと休憩
上海万博や愛知万博等では、環境問題やゴミ問題から缶飲料は売られてませんでしたが、麗水では↑のように、日本の街中にあるのと同様の自販機でふつ~に売っていました
前作でも、会場内コンビニにビールや焼酎が溢れていた話を書きましたが、韓国ではこういう関係は比較的おおらかなようですw^
勿論、自販機やコンビニでしか飲料は飲めない訳ではなく、↑カフェも会場内に沢山あります
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残り時間が少なくなってきました。休憩後、マキを入れて国際館を攻めます^
先程の日本館と同じ棟にある、↑アメリカ館
韓国語でアメリカは、↑"ミグッ(美国)"
米国館、プレステージの真ん中、↑意味ありげに吊ってある↑3つの玉ですが・
この玉が"スクリーン"で、↑玉の中にオバマ大統領やクリントン国務長官からの動画メッセージが投映されました
各国国際館では大抵、その国の元首からのメッセージがパネル掲示してありましたが、麗水万博で動画だったのは僕が見た限りアメリカだけで^、オバマさん、なかなか点数を稼ぎました^
ちなみに、メインステージは、普通に座って見る映像でした。
太平洋と大西洋の両岸を持つ米国が、海洋を重要視し、そして米国民が海に愛着を持っている姿を綴ったものでした
そして、アメリカ館と通路を隔てた隣の棟にある、↑ロシア館は~
ロシアで"海"といえば、北極海
パビリオン内が砕氷船の操舵室という設定で、流氷の間を進んでいく映像や、砕氷船の操舵室の機器に触れるコーナーもあり、お国柄が出ていてgoodでした
そして、ロシアの隣には何と、金融危機(※2012当時)の最中に苦しんでいたスペインが出展。そんな余裕あるんだろうか・
次は、イスラエル館へ
各国こうやって見ていくと、各々の国ごとに特徴ある海を持っている事が改めてわかります
次は、黒海と地中海を擁するトルコ館、面白かったのが↑の床
床の上を泳いでいるCGの魚、足で踏んだら逃げます^
旧ソ連の国等、中央アジアの国々は、海のない国も含め、ほとんどの国から出展していました。しかし内容は、上海万博と同様、残念ながら”名産品即売会”の域でした・
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ラストスパートに向け腹ごしらえも大事なので、昼食にしますw
フードコートは中華/洋風/日本食など多数ありましたが、せっかく韓国に来たので、↑やっぱり韓食で^
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フードコートの隣にあった、日本でもおなじみの即席麺、↑辛ラーメンPRコーナー
中に入ると、"辛ラーメン紙バッグ"をくれました
アフリカの国々からの出展は、上海万博よりやや少なめでした。アフリカは、海のない内陸国も多いので、海洋博では仕方ないとは思いますが、僕が気になったのは、今回開催地で争って敗れたモロッコが出展していなかった事。
2007年、当別荘最初の海外シリーズとして訪ねたモロッコ、地中海の入口をおさえ、大西洋に長い海岸線を持つ国ですが、負けたからって止めたといわず、出してほしかったなぁ・
会場内、午後になってだいぶ暑くなってきました
中央にある広場では連日、↑韓国各地からやってきた民俗舞踊をやっています
『スカイタワー』というこの塔、この地を万博会場に造成する前、ここにあったセメント工場の施設を改造したものです。
入口を入るとまず、その昔セメントが詰まっていた、↑巨大な筒の中へ案内されます
ここで少し説明と映像があり、その後はシースルーEVで、一番上にある展望室へ
↑展望室からは、麗水の海と会場が一望の下です
こういう高いタワーではどこでもお決まりですが、↑下が覗き込めるガラス張りになった部分もありますw
そして、タワー見学を終えEVで下に降りたところで、実はこのタワー最大のイベントが待ち構えています^
タワー内にある『海水淡水化プラント』でつくった真水を、専用マグカップに自分で入れて飲み放題でした^
市販のミネラルウォーターと同じ、クリアな味でした
しかも、↑のマグカップは持ち帰れるんです。記念品になりました
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2日間通った万博会場で、前作のアクアリウムの次に長い行列が出来ていたのが、↑『ロボット館』
この館も海洋とはあまり関係ないんですがw、展示が面白いので大人気のようでした
内部は6~7シーン位あって、萌え系の人型ロボットもあれば、大小さまざまなロボットがサッカーしたり踊ったりと、ロボットがこんな細かい動きも出来るのか、と目を見張りました
今や産業ロボットでも世界有数の生産国の韓国で、ロボットの持つ限りない可能性を改めて認識させられます。子供連れなら特に楽しめるパビリオンです
『エキスポのエキスポ館』w
興味そそるネーミングですが、何を展示しているのか?
エキスポのエキスポ館では、1851年のロンドン万博に始まる万博の歴史を、年表&写真で展示しています。いわば『万博歴史館』でした
僕の記憶の限りでは、上海万博ではこの主旨の館は無く、なかなか有意義な展示と思いました。勿論、日本で過去開かれた各万博(※大阪/沖縄/つくば/愛知)にも言及があり、“太陽の塔”の模型もありました
その隣にあった国連館では、↑"バーチャル・パンギムンさん"が出迎え^(※↑写真左)
2012時点で韓国は、国連に世界一お金を出してる日本でもやった事がない、国連事務総長を輩出しています。一方日本は、未だに"敵国条項"がそのまま残り、いつまで経っても常任理事国への途は開けず・
頑張れ、日本^
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会場の傍にあるクルーズ船専用埠頭には、↑いろんな船が係留されています。クルーズ船で世界一周の途中で万博に立寄るなんて、まさに夢の航海でしょう
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↑のベトナム館のロゴは上海の時と全く同じ、内容も各国とも上海に比べたら手抜きが目立ちw、一昨年の上海巨大万博に比べたら、やはり小ぶりな感は否めません^
夕方前、少し陽が傾いてきて、海風が涼しくなってきました
↑公式グッズショップは会場内各所にあります
釜山へ戻る高速バスの時間が迫りました
まだまだ見残した所も多いですが、後ろ髪ひかれ会場をあとにします
ゲート横にあった凄い和訳、↑“さらば行きなさい”って・
前作、ササンバスターミナルでの場面で書きましたが、帰りのバスでわかったのが、"往路のバスで運賃が安かった理由"
この麗水~釜山線は、本来2×1席のバスを使うのが標準のようで、行きは2×2席だったので割引していたようです。
帰りはしっかり定価を取られましたがw、応接間ソファーのような広いシートは、往路以上に乗り心地快適でした^
バスは快調に、↑夕闇迫る朝鮮半島南岸を突っ走ります
↑夜のとばりが降り、釜山・ササンターミナルへ戻ってきました
釜山市内で泊り、翌日の飛行機で帰国しました
2日間滞在した麗水万博、休暇が充分とれず短い日程でしたが、やっぱり万博は、世界が凝縮していて楽しかったです^
韓国の地方都市が会場となった今回の万博、本シリーズご覧の通り上海万博よりは小ぶりでした。しかし、一時程ではないにしろ、なお力強い韓国の成長力、そして我が日本ではなかなか見えにくい"国家戦略"がわかりやすいというか、日本が“失われた20年”を彷徨っているのを横目に着々と歩みつづけている隣国、そして世界各国の姿を垣間見てきました。
もうアジアでは当分万博は無いので、こういう機会はしばらくお預けですが、韓国や台湾を始め、アジア各国は今後も折に触れ、訪ねていきたいと思います
3回シリーズでおおくりした麗水万博シリーズ、これでおわります。長い間ご覧頂き有難うございました^
(※2022.7 2024.4 文一部修正)