2010年夏、中国・上海で開催された、上海万博を見に行ってまいりました
中国初にして、万博史上最大規模との事です
今作より6回シリーズでおおくりし、今作ではプロローグとして上海市内のプチ街ブラを、途中1作で杭州への日帰り旅もご覧頂きます。では、長めのシリーズになりますがスタートします^
梅雨も終わりかかった日本国、成田空港駅へ
↑平日にもかかわらず、賑わう成田空港
同空港おなじみの土産店、"アキハバラ"も相変わらずごった返しています
今回のエアラインは~
上海いう事で、中国東方航空に乗ります^
↑これから乗る中国東方航空・A330、青と赤のラインがシンボルカラーです。
離陸しました!
↑眼下に広がる九十九里浜、いつもの成田離陸風景です
日本積なので"中国色"は無かったんですが、デザートがどら焼きというのが面白い
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成田から約3時間、上海・浦東国際空港に着陸しました
ドでかい浦東空港
上海市の空港は元々、市街地寄りにあった虹橋空港のみでしたが、開放政策以降急激に増える需要に対応するため、同空港が1999年に開港しました
東京の成田/羽田の関係と同じで、虹橋は主に国内線、浦東は主に国際線が発着。浦東は3本の4000m滑走路(※2015年に4、5本目を増設予定)や、2つのターミナルビル(※これも2015年にもうひとつ増築予定)を開港当初から備え、まさに今急成長している中国の勢いを象徴する巨大空港です
はやくも空港に、↑上海万博のイメージキャラクター・『海宝くん』がいました
海宝くんの左奥が↑税関のゲートです。いよいよ中華人民共和国へ入国します
ターミナルビルから出て、交通機関との連絡通路を歩きます
ここらあたりは関空と似た構造です
しかし関空にはない、それどころか2010年現在"世界唯一"の交通機関が、この空港には来ています。
それとは~
↑案内板に"磁浮"とあります。
『リニアモーターカー』です
鉄道よりも少し天井が低めの車両です。ドイツの技術を導入したものだそうです。
前面の写真は後程、到着駅でご覧頂きます
天井は低めですが幅は広く、3列×2のシートが並んでいます。
なお、自由席ですが座席定員制なので、立客はいません
そして、通路の上には、↑"注目"(?)の速度インジケーターがあります(※速度の左横は時刻、秒まで表示)
中国ご自慢の、世界初・"営業運転の浮上式リニア"です
空港が遠ざかっていきます
発車して1分30秒で、↑速度計はもう200km/h越えを示しています。しかし、極めて滑らかな加速感です
並行する道路の車を、↑まさに矢のように追い越していきます
↑発車後約2分30秒で、330km/hにまでなりました
どう表現していいかわからない、これまで体験した事のないような加速感です
発車して約3分、406km/hになっています
あまりの強烈な加速に、なんかよくわからないけど笑いがこみあげてくるような感じさえします
そして~
発車後3分40秒でついに、↑最高速度と謳っている431km/hに達しました
2010年現在、地上を走る一般用の乗り物としては世界最高の速度です
しかし路線長が約30km程度のため、この最高速度が出せるのはわずか数分で、すぐ減速がかかります
ちなみに運賃は片道50元(※2010当時)、同じく空港まで乗入れている上海市営地下鉄の5倍以上です
空港から約7分余、↑終点・龍陽路駅到着
前面の"顔"は↑な感じです(※竜陽路駅で撮影)
リニアモーターカーといえば、日本では半世紀前から開発に着手、1970年の大阪万博でも既に模型を出品していたのはご存じの通りです。
しかし日本では大阪万博後、実用化への動きはスローダウン、近年ようやく名古屋~東京間での建設計画が始まっていますが、一方、大阪万博時には地下鉄さえ無かった上海が、もう実用化させています。僕が初めて上海を訪ねた1984年、虹橋空港へ出る時に阿鼻叫喚の中、日本製中古バスに押し込まれたのを思い出し、隔世の感でした。
まさに、中国の急成長ぶりを思い知らされる乗り物でした
↑路線終端部です。延伸出来る構造になっています。
僕が持参したガイドブックには"万博までには虹橋空港まで延伸される"とあり、はたまた別の本には"杭州まで延ばす計画がある"とも書かれ、いろんな計画があるようですが、僕が行ったこの日時点では工事も始まっていませんでした
竜陽路駅で、隣接している市営地下鉄に乗り換えます
↑写真左が磁浮の駅、右が地下鉄駅です。
地下鉄に乗って、まずは予約してある宿へ荷物を置きに行きます
途中で4号線に乗り換え、大連路駅で下車
駅から地上へ出ると~
庶民的な街並みが目の前に
トロリーバスも走っています
ガイドブックに載ってない大連路界隈、街ブラを兼ねて宿まで歩きます
この界隈は外国人観光客の姿は全然無く、商店街は地元の人オンリーで賑わっていました。ちなみに↑写真左側の塀は拘置所です(※門に"上海市監獄"とあった)
一角には、古い街並を保全しているとみられる通りもあり、歩いてて面白い界隈でした
↑宿に着きました
ホテル『臨トン賓館(※トンはさんずい偏に童)』
ネット予約してきた安宿ですが、安いわりに部屋の広さと雰囲気はまぁまぁでした。ここで4泊します
冷温水機まで備えてあったのはいいんですが、難儀だったのは冷蔵庫が無かった事
僕の感覚だと、冷温水機より先に冷蔵庫でしょ、という感じですがw
日没までまだ時間があったので、翌日からの万博見物に先立ち、市内中心部を少し街ブラします
再び地下鉄を乗り継いで・
ご存じ、このタワーです
円球の展望台を抱く力強いフォルム、一度見たら忘れられない姿の塔です
↑"東方明珠"の文字は、前国家主席・江沢民の揮毫だそうです。
1994年完成、高さ467.9m、2010現在のところでは、電波塔としてはアジア1の高さだそうです(※わが国の東京スカイツリーが出来たら追い越します^)
入口のところに、↑塔完成以来の、周辺の俯瞰写真がありました。
まさに、急成長する上海の姿を写していました。日進月歩の発展ぶりが写真から伝わります
これから内部へ入り、入場券を購入するんですが、3層ある展望台のうち、どこまで昇るかを最初に決めてから、それに対応するチケットを買う方式です
行列してたのに、、なぜかエレベーターが来ると↑押し合いへし合いになってしまうのは中国の定番w
あいにくの雨模様なので、ガラスの外は雲の中です
こんな悪天候でも、平日なのに大勢の観光客で賑わってます
この日外国人は少なく、ほとんどが中国の地方から上海見学に来た人と思われます。
↑隣のビルも雨でけむって見えないのに、3000km離れたウルムチを必死に望遠鏡でのぞく人w
この中層展望台は2層に分かれており、1つ下の階へ階段で下ります
この階に、この明珠塔最大の見所があるんです
↑"足元が全面シースルー"の回廊
この回廊部分だけ、展望台からせり出したような構造になっており、床は全て強化ガラス張り
高所恐怖症の人にはまず無理な構造です
僕も立ってみました(※↑右側が僕の足です^)
雨で写り悪いですが、はるか下に向かって伸びる、塔の柱です
そんなに高所恐怖でない僕でも、足元がすくんでしまって感覚が麻痺しそうでした
たくましい中国の方々もさすがに怖いらしく、↑皆、ガラス部分を避けるようにして歩いていましたw
シースルー廊下の入口には"高所恐怖症の人はご遠慮下さい"とありました
あいにくの雨模様でしたが、それ以上にいろんな発見があった、東方明珠塔でしたw
中国の人々の元気いっぱいの生態が、ここにもありました
しかしこの"中国人の方々のパワー"、次作以降の万博で、さらにいやという程味わう事になります^
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東方明珠塔を出ると、もう日没になりました
地下鉄から再び地上に出ると、↑雨が上がりました^
傘がいらなくなった事で、市街地には物凄く人が増えてきました
先程登った↑東方明珠塔が、夜景となって見えています
ちなみに↑の道、歩行者で溢れていますが、歩行者天国になっている訳ではありません。あまりに人が多いため、物理的に歩道から人が溢れ出し、車道にはみ出して歩かざるを得ないんです
雑踏をかきわけ、何とか↑黄浦江のほとりまで出てきました
いわゆる"外灘"(バンド)と呼ばれている地区です。
上海来たなら来訪必須の場所です
共産化以前の名残が残る旧租界の街並。租借国が建てた洋館が川沿いに立ち並ぶ、上海随一の景観地区です
各洋館は美しくライトアップされ、まばゆいばかりの美しさですが・
ビルの足元は、↑まともに歩けない程の物凄い人出
とてもじゃないけど、"静かに夜景を愛で、租界時代に思いを馳せる"なんて風情どころではなかったです
それでも何とか、人、人、人をかき分け、↑堤防際まできました
外灘の夜景も勿論素晴らしいんですが、人々がもっと注目しているのが川の中です。
そこには~
対岸・↑浦東地区の夜景も、又絶景です
東方明珠塔が輝き、川には多数のクルーズ船も行き交って、まさに都市の栄華ここに極れりのような光景です
"繁栄の わが世の春よ 上海の宵"という字余りの句まで浮かんでしまいましたw
外灘の洋館にしても対岸のビルにしてもですが、この"ライトアップの色合い・色彩のセンス"というのが、日本人の感覚と微妙に違うところがあって、そこが又新鮮な感じでした
それにしても↑物凄い人出、普段の平日よりは多めだったらしいんですが、後で聞いた話では万博期間中で観光客が多いのと、昼間の雨がちょうど上がったためではないかとの事です
ともあれここの夜景、世界的にも稀有な絶景である事には間違いないです
印象深い、バンドの夜景でした
激動の歴史を見つめつづけてきた戦前からの洋館、そして、片隅に立っていた革命烈士の像。
これら"歴史の証人"は、現在繁栄を極める"社会主義(?)上海"の現状をどうみているのか、そして、上海は将来どう変化していくのか?たぶん近い将来にはさらに、ドラスティックな変化を続けていくんだろうなぁと思います。
夜も更けてきたので、宿へ戻ります
今作ここまでです!
いよいよ次作から、万博会場へ入ります。
お楽しみに^
(※2022.4 2024.2 文一部修正)