こんにちは、まるこです
先日、六本木・国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」に行ってきました
展覧会を観て感じたこと、購入したグッズなど…思いつくままに書いていきたいと思います
興味ある方どうぞ最後までお付き合いくださいませ
「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
はじめに
こちらの展覧会は世紀末ウィーンに焦点を当て、美術だけでなく建築や音楽、ファッションにもわたり世紀末ウィーンの空気をまるごと感じられるような展覧会でした
世界史を少し復習してから見たらより楽しめそうです
例えば、ヨーゼフⅡ世の改革、第一次世界大戦戦後処理のウィーン会議とメッテルニヒ、フランツ・ヨーゼフⅠ世の治世とか…ね、
まるこはテレビなどでも美術の解説でおなじみ千足先生のこちらの本を図書館で借りて予習していたので、キャプションで何言ってるかはまぁまぁ分かったので読んでおいて良かったです
この本は展覧会の予習におすすめです
本で見たやついっぱい本物見られて感動でした
展覧会を通して感じたこと
展示を通して、世界情勢によって変わる国内の空気や、そうした流れの中で生まれる貴族の生活・庶民の生活から新たな文化や潮流が生まれていたのが分かりました
クリムト展とのリンク
現在、上野・東京都美術館でも「クリムト展」が開催されていますが、そちらとリンクしている作品なども随所にあって楽しめました
クリムト展とのリンク①《パラス・アテナ》
芸術と学術の庇護者パラス・アテナを描いたこちらの作品。
胸にはメデューサが描かれた黄金の鎧をまとっているのが印象的ですが、右手にご注目
クリムト展で見られる《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》が手に乗ってるの~
まるこ、午前にクリムト展行って午後にウィーンモダン行ったからね、「また、お会いしましたね」感がなんか嬉しかったよ
クリムト展とのリンク②《エミーリエ・フレーゲの肖像》
こちらの展覧会のメインとも言える肖像、エミーリエ・フレーゲ。
エミーリエはグスタフ・クリムトの弟の嫁の妹であり、生涯未婚でしたが一番のパートナーと言われている女性です。
当時ウィーンで有名なオートクチュールのサロンを三姉妹で経営していました。
彼女たちの服は従来のものとは異なり、女性たちをコルセットから解放し、機能的でデザイン性が高く、当時としては珍しく自立した女性だったようですね。
彼女は新時代のニュータイプの女性だったのです
こちらの肖像は自身に満ちた表情とたたずまい、そしてデザイン性の高い服を身にまとっているのが印象的です
しかし、本人はこの絵を気に入らず売却されているそうです悲しい
クリムト展とのリンクという点ですが、クリムト展ではエミーリエが18歳の時の肖像画の展示がありました
そちらはまだ覚醒前って感じで、清楚で控えめな印象でした。
白い服だったしねより清楚に見えるね
ちなみにウィーンモダンのこちらの肖像は彼女が28歳のときのものだそうです。
両展覧会に行けば18歳と28歳のエミーリエに会えますね
衝撃の真実
ところでそのエミーリエ・フレーゲですが、まるこ的に
「え~~~~~っ」
っと思ったエピソードがあるのでご紹介します。
エミーリエはクリムトの死後、関連資料の多くを自ら破棄してしまったため、二人の関係についての詳細は不明な点も多くあるそうなのです
いや、ちょっとショックだったよ。。。
エミーリエにとって黒歴史だったのか、大切な思い出を二人だけのものにしたかったのか…
いつの時代も女心は本人にしか分かりませんのです
ちなみに死の床のグスタフ最期の言葉は「エミーリエを呼んでくれ」だったそうです。
何か伝えなきゃいけないことがあったのかな、ただただ会いたかったのかな…
印象に残った作品
続きまして、展示の中で特に印象に残ったものについていくつか書いていきたいと思います
《ウィーンのフリーメイソンのロッジ》
秘密結社などとも言われる”友愛団体”フリーメイソンですが、この時代のウィーンを支え、かなり影響力のある存在だったそうです
ウィーンにもロッジが作られ、モーツァルトも通っていました。
オペラ『魔笛』はフリーメイソンから影響を受けて作られたと言われています
こちらの絵は、なんとフリーメイソンの入会儀式の後の懇親会の様子を描いたものだそうで…
そんなん絵に描いて記録に残しても大丈夫なのお前さん始末されないのかいと心配してしまいました
やっぱりこういう絵は非常に珍しいのだそうです
しかもね、右手前にはモーツァルトとシカネーダー(劇場支配人。魔笛をモーツァルトと一緒に作ったプロデューサー的な人)と思われる二人が描かれてるっていうから胸熱ですわ
まさかウィーンモダン展に来てフリーメイソンに会うとは思わなかったので序盤でテンション上がってしまったよ(まるこ都市伝説好きなの)
《フランツ・シューベルトの眼鏡》
なんと、シューベルトのメガネの現物の展示がありました
シューベルトの肖像画で確かにかけている丸いシルバー縁のメガネ
だけどそれが、なんか耳にかける部分がへんな形で…
あのー…なんか変な形でした
なんとシューベルトは寝てるときや寝起きすぐに良いものが浮かんだ時、すぐさま書き留めておけるように寝ている間もメガネを外さなかったのだそうで…
本当に天才とはストイックなものなんですね
…って、いやいや枕元にでも置いておけばワンアクションでかけられるでしょむしろ壊すリスクと突っ込まざるを得ませんでした
続いてクリムト作品から印象的だったものを…
《愛》『アレゴリー:新連作』のための原画
この作品、私大好きなの
幻想的で美しくて儚さがあっていつまでも見ていられます
見つめ合う男女はもちろん「愛」を表現していますが、背後には人(人ならざる者)の顔が見えます。
この「愛」の背景に描かれているのは「運命」の擬人像なのだそうです
愛の背後に運命が(それもあまり明るくなさそうな未来を暗示するような”運命”が)うごめいているんですね。
幸福に満ちた愛と、暗い世界が対照的に描かれていて惹きつけられました
また、両サイドには金箔が施され、バラが十分な余白と共に描かれていて日本画の影響をがっつり感じることが出来ました。
《グスタフ・クリムトのスモック》
もう一つ、クリムト関連で書きたいことがありますねん
クリムトが実際に着ていたスモックの展示があったのですが…
「確かにそのタイプの服にはポケットあると便利だよね」
と意外なところに共感してしまいました
まるこね、最近自分で服作ったりもするのね。
服作りに興味を抱いてからいろんな服の作りに関心があるのよ
だから今回エミーリエ三姉妹の改良服とか見るの楽しかったよ
じゃ、続きましてシーレの作品から印象的だったものについて書いていきます
《自画像》
シーレの自画像かっこいいっすねぇ~
シーレの絵は見てると不穏になるっていうか、ザワゾワする雰囲気あるけど…
でもなんか分かんないけど決して不快じゃないんですよね
(たまに不快なのもあるけど)
自画像では”手に語らせる”と言われるシーレですが、確かにこの作品も手指の動きが特徴的で印象的でした。
また、背後に描かれたポット(※見えないけどポットらしいよ)が頭の影のようでもあり、ヤヌスのような二面性を感じさせる表現にも見える、的なことがキャプションに書いてあって…
「おお、深い」と感じました
(感想は浅い)
《ひまわり》
ひまわりも超かっこよかった
チラシとかの写真で見たときは「暗い雰囲気で不吉・不穏・不安な感じ」と思っていましたが、実物を見ると、むしろ内なる生命力を感じ、スタイリッシュで、わずかな色の変化も感じられ華やかさすら覚えました
ココシュカ
あともう一人、世紀末ウィーンを代表する画家ココシュカについても少し触れたいのですが…
もうね、ただ一言。
怖いよココシュカの絵怖いよ
シーレまでは楽しめるんだけど、ココシュカまでいくと難易度高いですただただ怖かったです
そんなココシュカの私の好きなエピソードを一つご紹介します
冒頭でご紹介した千足先生の本に書いてあったことなんだけど、ココシュカはウィーン社交界の華だったアルマ・マーラー(音楽家マーラーのかなり年下の妻で、マーラーとは死別。数々の男性遍歴で知られる。)と付き合っていた時期があったのね
アルマはココシュカとの旅行にも亡き夫グスタフ・マーラーのデスマスクを持って出かけるほどで、ココシュカはデスマスクにすら激しく嫉妬したらしいです。
アルマは後年になってココシュカとの日々を回想し、その激しい愛と嫉妬について語っています。結局彼女はココシュカではなく別の男性を選んで再婚しました。
ココシュカはそれでも彼女を忘れきれなかったみたいで、人形を作る職人にアルマの等身大人形を発注しました。()
しかしその人形の出来があまりにも悪く、彼の中で何かが吹っ切れたようで、友人たちを呼んでその人形を囲んでお別れパーティーをしました
パーティーの最後に人形の首を切り、切り口に赤ワインをかけて庭に放置。
それを見た近所の人に、庭で人が死んでると勘違いされ通報されてしまいました。
警察官が家を訪れ事情を話したところ、誤解ということが分かりみんなで笑い合ったそうです
チャンチャン
(※本が手元になくて記憶で書いてるので細かいとこ怪しいけどだいたいこんなエピソードでしたなかなか面白いエピソードだったので衝撃でした)
ミュージアムショップで購入したグッズ
それでは気を取り直して()…
ミュージアムショップで購入したグッズをご紹介します
図録、書籍、クリアファイル、ポストカード…です
図録は初めから買うつもりだったので悩みもしませんでしたが、とにかく内容が充実していて(あ、まだ読んでないけどな)、写真もきれいだし、小さかった作品は細かいとこまでよく分かるし良いです
あと表紙が両A面なのも嬉しい
(裏面はシーレの自画像)
よく「表紙を2種類から選べます」な図録あるけど、両面に印刷しれくれればいいのにって思ってたからね、なんと良心的なと高評価です(←何様)
しかし、その代わりめっちゃ重い
書籍は輸入本でシーレの本です。
この先2度と私の前に現れることはないだろうと思ったら買ってしまいました
英語苦手なのに
なので気が向いたら少しずつ頑張って読んでいきたいと思います
B5サイズの両面クリアファイルは分離派展のポスターをデザインしたものですが、全然買う予定じゃなかったのにあまりにかっこよかったので買ってしまいましたこれは良いよね
美術好きとかじゃないおしゃれな友達にプレゼントしても受け入れてもらえそうな素敵デザインだと思うよ
おわりに
まるこからは以上です。
あー、書きたいこと書いてたらやっぱり長くなってしまったね
ここまで読んでくださった方、本当に嬉しいですありがとうございます
内容が絶妙にリンクしている東京都美術館「クリムト展」の感想はこちらから
最後に大切なおしらせ
最後までお読みいただきありがとうございました
「私もウィーンモダン行ったよ」
「私も展覧会行こうかしら」
「世紀末ウィーンいいね」
「まること美術館デートしてるみたいだったよ」
などなど、思ってくださった優しいあ・な・た
いいねしてってくれてもいいんだからね
あ、ごめんなさい、最後に露骨に宣伝します
まるこは「ストーリーを身にまとう」をコンセプトに、ハンドメイドアクセサリーを制作(細々と)販売しています
美術館巡りに身に着けたいシリーズもあるよ
最近の一押しは
クリムト《接吻》モチーフ
《エミーリエ・フレーゲの肖像》モチーフ
モロー/オスカー・ワイルド《サロメ》モチーフ
の耳飾りです
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いらっしゃ~~い