私が乗っていたレンタカーのカーナビが何故、鶴林寺から「星の岩屋」への最短距離を行かずに中津峰山の山頂付近まで通るという長い長い遠回りをしてしまったのか、機械ならぬ身には理解できませんが、いくつかの理由は考えられます。
その一。通った林道は婆羅尾林道というらしいのですが、単純に、このほうが最短距離の道よりも道幅があったから通りやすいと判断した。
その二。レンタカーが軽自動車か普通乗用車かトラックかなどカーナビは判断できないので、勝手に、最短距離の道では軽自動車は通れても普通乗用車は通れないと判断し、かつ、このクルマが普通型と判断して遠回りを選んだ。
その三。最短距離の道がかつて通行止めにでもなったことがあって遠回りを選んだ。
その四。川を越えてから、本来右折するタイミングで私がうせっせず、その少し先で右折してしまったためにカーナビが「この運転手は近道を取らないんだな」と判断して遠回りを選んだ。
その五。「星の岩屋」にはまともな駐車場がなく、道の山側に車一台分のスペースが何とかあるだけでしたが、そこに停めるには遠回りのほうが都合が良いから遠回りした。
こう考えられますが、どうもはっきりしません。婆羅尾林道が通りやすいといっても遠回り過ぎましたし、そこが良いというならなぜ最初からその道を選ば仮名ったのか。また、二もなんか違うような気がします。過去に、道幅の狭い道を選択されたことが何度もありからです。三もまた、関係ないような気がしますし、五もまたおかしな理由です。
ありそうなのは四ですが、地図を何度も見て振り返っても、どのタイミングで間違えたのかよく分かりません。一時的に間違えたにしても、わざわざ遠回りを選ぶでしょうか?
謎はなかなか解決しません。
もしもまた「星の岩屋」へ行くことがあったら、道路地図でよくよく確認しながら行こうかと思います。もう一度カーナビを使って、どこで間違えたか検証するのもアリだとも思います。
さて、私が「星の岩屋」を知ったきっかけですが、もう二十七年ほど前、私が初めて四国を旅した時、大学時代の同級生二人をともに三人旅でいったのですが、そのとき、幻の参加者がいました。高校時代の同級生のT氏です。
大学時代の同級生のF氏に誘われる形で四国八十八ヶ所へ行くことになり、その四国旅行に四国霊場には全く興味のないY氏が参加することになった。Y氏は高松と松山だけ一挙になってあとは別行動だった。
その旅の直前、私は高校時代の同級生のM氏とT氏とともに居酒屋へ行って飲んだが、その酒飲み話のついでに四国霊場への旅の話をした。それに食いついたのがT氏だった。
「おれも四国へ行きたい」
というので、「え?」「でも、おれに大学時代の同級生が二人もいるよ、それでもいいの?」と確認したところ、それでもいいから一緒に四国へ行きたいとのことだった。
それで、東京駅発何時何分の新幹線に乗るから、と伝えたが、当日、彼の姿は見えなかった。
一応、彼の携帯電話の留守電にもメッセージを入れたが返信は無し。
四国に上陸してからまず高松駅で降りて、高松駅の伝言板でも私たちの宿泊先を書いたが、結局、そこにも姿を見せず。
旅が終わって数週間(一か月以上だったか)経過して、T氏から連絡があった。じぶん一人で、自分にクルマで四国へ行ったと。
高速道路走りっぱなしで四国へ上陸し、徳島でガイドブックを買い、四国霊場を巡拝し、途中では車中泊もしたと。
その彼が私に「なんとかって岩屋へ行った?」と訊いたのです。
徳島県内の山奥で、岩穴があって滝があって、云々と語っていましたが、話の中身を聞くに、どうやら別格霊場の慈眼寺のことではないらしい。
で、調べてみると、鶴林寺の北に「星の岩屋」という霊場があることが分かった。
同じころかその少し後でしたか、NHKで「四国八十八か所」という番組が朝に放送されました。その中で、「星の岩屋」のことも紹介されました。
「星の岩屋」については、NHK出版の『四国八十八か所』一巻や、セルバ出版発行『四国「弘法大師の霊跡」巡り』(川崎一洋著)などで詳しく紹介されています。
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