牛すじ料理とお肉の秘密をプロが語る。 -28ページ目

牛すじ肉の種類は? パート2

牛すじの種類が3種類
あるとお伝えしましたが、

これに牛肉の種類がさらに大まかにですが
3種類にわかれています。


①ホルス

乳牛で使用しているホルスタイン種というものです。
この肉は赤身肉の部分が多く
和牛のような脂があまりありません。

よく国産牛などと言われて流通しています。


②和牛

日本独自の和牛種というものです。
黒毛和牛はここの分類に入ります。

霜降り肉が特徴的でホルスに比べて
脂が多いため軟らかいです。


③交雑

ホルスと和牛をかけあわせたもので
交雑種といわれています。

和牛とホルスの中間の位置づけです。
別名F1とも言われています。


どれが美味しいかと言われると
正直人それぞれになると思います。


通常、単価は、ホルス<交雑<和牛の順
となっていますが、

それぞれの生産者が与える餌や
肥育環境によっても
肉の味が変わるため、

一概に和牛だから美味しいとはならない
というのが肉業界の常識となっています。


細かくみていけば、肥育年数や
牛それぞれの血統、性別も
影響してしまいます。


そこで生産者は、
各生産地ごとで「〇〇牛」などと名乗って、
こだわりの肥育方法などで

それぞれの種類の牛を
肥育しているのが現状です。



牛すじ肉の種類は?パート1

では牛すじは、
どんな料理や場面で使われているか?です。


①赤身すじは、
一番牛の旨みやだし出ますので、
カレーやおでん、すじ煮込みに使われます。


あとは、ハンバーグソースなどに使う
デミグラスソースを作るときの
だしとして(特にすね肉)も
使われます。


②アキレスすじは、
=無味無臭なため、煮込んだ食材のだしを
吸い込みますので、おでんなどに
入れるとおでんの旨みを吸い込むことで
美味しくなります。

コラーゲンが多いと言われています。

食感は、煮込むとグミのように
ぷにゅぷにゅとなります。

そのため、おでん屋さんなどでは、
赤身すじ串と別にアキレス串の
2種類を置いているところもあります。


③メンブレンすじは、
内臓のハラミすじのため
ホルモンのように多少味があります。

だしも出ますが、旨みも吸い込むため
ちょうと赤身すじと
アキレスすじの中間のような位置づけになります。


牛すじ=ホルモン 
と勘違いされるのはこの部分が
含まれていることで、

もつ煮込みなどに一緒に
入っていることがありますが、
実際はホルモンの位置づけには
なっておりません。


大手コンビニのおでんは、
このメンブレンすじを使って牛すじ串を出しています。


裏話をお話しますと、
メンブレンは煮込んでもそれほど小さくならない
(歩留りが良い)ため、

加工品や店頭でおでんとして
長時間煮込む場合には、
使いやすいというのがあります。

牛すじの下処理方法

牛すじ下処理方法

①.チルドの牛すじ肉に見た目で汚れなどあれば、
  水や手で取り除く。


②.大きな鍋にたっぷりの水を入れ、
  火にかけ沸騰させる。


③.沸騰した後に、牛すじ肉を入れる。
  ※調理業界では地面より上で取れるものは
   沸騰してからゆでて、下のものは水かゆでると
   教えています!

   
   今回の理由は、沸騰した中に入れることで、
   牛すじを一瞬にして縮ませ
   肉の旨みが逃げないようにするためです。


  ※牛すじの量と水の量は、どんな分量でも可能ですが、
  牛すじに対して水の割合が多ければ多いほど
  早くゆであがります。

 
④.浮いてくるアクをこまめに取りながら15分程度ゆでる。
  アクを取ることで、臭みが残らないようにします。
  落し蓋や蓋はしない。臭みや汚れを
  飛ばすための工程だからです。


⑤.鍋のお湯を捨て牛すじ肉を入れたまま流水で洗い、
  粗熱を取る。


⑥.一口大の大きさにカットする。
  ※牛すじの筋目に対して垂直に包丁入れると
   カットしやすいです。


⑦.鍋に水を入れ沸騰させてから、
  カットした牛すじを入れてゆでる。
  
目安として1時間程度ですが
  柔らかくなればOKです。
  落し蓋や蓋をして弱火でゆっくりゆでる。
  
 
 これの工程は、ダシを出し柔らかくするためです。
  臭いが気になる方は、青ねぎ(長ネギの青い部分)か
  しょうがなどを入れて下さい。
  
※和牛などはすぐ柔らかくなりますが、
   国産牛(ホルス)や輸入物は時間がかかります。


⑧.牛すじ肉とそのゆで汁は分けて取り置く。
  ゆで汁に旨みが含まれていますので、
  次の料理に使って下さい。
  
小分けにして冷凍しておけばカレーやおでん
  などどんな料理にもすぐに使えます。
   

こちらも参考にしてみて下さいね。
絶対失敗しない!牛すじ料理のはじめ方