『宇宙のあいさつ』 | 日々ぶらぶぶら

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『宇宙のあいさつ』
(昭和52)/3/   星新一
 
 
 
著者のひとことにて、この本は1963(昭和38)年に早川書房から出た本を、新潮文庫で新たに発行した本……とのこと。
まぁ、人気の本はどの出版社でも出したいでしょうからね。
作品的には…1961、62辺りに書いたものらしい。……60年前。
 
 
 
 
「宇宙のあいさつ」
表題作。表題作がトップに来るなんて珍しいなーなんておもいつつ、なんでこのタイトルにしたのかが私には理解出来なかった。
理解出来た方教えてプリーズ。
最初の地球人の行動?
 
 
「小さな事件の大きな」
最初に値上げのニュースがあって、昔も今も値上げに苦しめられるのは変わりなくて嫌だねー……なんて思っていたけど、最後に伏線として効いてくるとは思わなかった。内容は……なんとも言えないけど(サスペンスドラマによくあるパターンだな…と)、この伏線回収が好きで、他はどうでもよくなった。
 
 
「危機」
同じく収録されている「貴重な研究」でもちょっと感じたけど、星新一作品ってキリスト教的な話が結構あるよなー?
アダムとイブが出て来たりとか(おかしな先祖収録)ノアの洪水の話とか他色々……大体天国のイメージはキリスト教的な感じだし。詳しくないので、先生が信者かどうかはわからないのけど……ふと思った。
でも、昔話(シンデラやジャックと豆の木、一寸法師……等々)を題材にして結構話書いてるから、万人にわりやすい題材、イメージの一つとして選んでるのかも??
説明不要のモノって、物語のテンポを良くする上で大事だよね。
前にもあったけど、オチで「うらめしや」とつけるだけで、大抵の日本人は「ああ、アレね」とわかるわけだし……
 
 
「ジャックと豆の木」
タイトルまんま”星新一版「ジャックと豆の木」”。
SF絡めてマジ星新一。でもそのSFよりも最後のジャックの在り方のほうが星新一を感じました。
 
そういえば、令和版『ビックリマン』こと『ビックリメン』に出てくる、ジャックって「ジャックと豆の木」のジャックだったんですねー。終わり頃になってようやく気付いた。というか、ジャックという存在すら忘れてた。
観ながらジャックって誰?何が元ネタ??……だったんですが……途中で、あーアレか……となった。
ちなみにビックリメンは本命が出るかも!?……と淡い期待を抱きながら最後の最後まで観てました。メイン中のメインキャラしか出ないとは思わなかったよ……一応幻神だから他よりは出る確率が……がッ!!……と思っていたのが何もかも懐かしい……
神帝ではフッドが好きです。ロビン・フッドが元ネタなんだろうけど、キャラはチャイナて武器は日本という、キャラデザの妙……子供の頃は全然気にしなかったけど、大人になると刺さる。(あっ魯迅も元ネタなの?だからチャイナだったのね。子供にはわからんネタぶっこんでくるね)
まぁ神帝はヤマトと一本釣りとフッドしか覚えてなかったんですけどね。
アリババと牛若はあーそういや居たねー……で、ジャックとピーターは誰?だった。
 
 
「対策」
なんか、読んでて先日あった、「デパートでやっていた黄金展の純金茶碗窃盗事件」が否応なしにおもいだされる話だった。
犯人が言っていたらしい「今なら盗めそう」も星新一作品味を感じる……けど現実のこと。
 
 
「りんご」
このタイトルで“エル”なんて出たら(バーの名前ですけど)、そらもう「えるしっているか――」が思い浮かぶしかない訳ですよ。
内容はめちゃ星新一でしたけどね。
 
 
「解決」
ちょっとした、歴史スキー講談スキーはニヤッとする話。
多分昔読んだときは木曾義仲や巴御前とか言われてもピンッと来なかったし、何も感じなかったと思う……その証拠にこの話を全く覚えてない。本を隅々まで楽しむためにも多少の知識は必要なんだなーと改めて思いました。
上記↑の「危機」でも書いたけど、今回のは万人に説明不要となるキャラかどうか微妙なもの……
 
 
「その夜」
これまたオチが今回散々言ってるものだなー。
 
 
「初夢」
あんな夢を観たからには、きっと正夢に違いない!……と思って●●●●するように(ネタバレ防止)……その作用があるような技術が……と考えるのは考えすぎだろうか?
 
今も昔と変わらず、海外旅行とスポーツカーは憧れだね。
ただ、ちょっと憧れるだけであってそれほどまででもない。行けるだけ、買うだけの金を貰っても選択肢には入らないし(無論入る人もいるだろうけど)、そのためになにかをしようとはあまり思わない……ただ、見せられたら「いいねー」と思うだけの憧れ的なモノかな?
スポーツカーなんて、乗る?とかくれるとか言われても結構ですってなるしな。(個人の見解です)
多分、海外旅行に行った証……エアラインバッグを持ってるのが一種のステータスだった時代の話かな??
 
 
「期待」
珍しく、年月日が書かれてる作品。
しかし、星新一の描いた近未来ってデストピアが多いんよ。
戦後、冷戦期、高度成長期……でもあったから仕方ないのかなー……??
 
舞台の2003年は現時点では過去。しかも20年前だよ。そんな白鳥がほぼほぼ絶滅状態で見れないとか、全自動お世話機なんてものは全く無いよ。
星新一作品の技術ってピンポイントで発展していたりするけど、あっこれはレトロなんですね……となったりしてこれもまた一つの楽しみ。
 
 
「景品」
ちょっと現在のポイント制を思い出す。
しかし、ハイテクなのに機械がデカいのは昭和だなー……と、しかも券。
上記↑の「期待」でも書いたとおり、発展してけるけど、一部はレトロのヤツ。
 
私は安くなるなら待てる派なので奥さんタイプだろうね。
しかし、本が景品じゃないと買えない世の中は嫌だなー。
しかも機械を使えるのが、基本女性だけらしいので男性は結婚してなければ本すら読めないのか……嫌な世の中だな。
 
 
「タバコ」
考えるとゾッとする話。
この本の表紙挿絵はお馴染みの和田誠先生。子供の頃はこんな単純な絵、私でも描けるわ!と思ってましたが、大人になると凄さがわかる人。
和田誠先生でタバコと言えばハイライトデザインが有名。(更にいうと、そのハイライトから新幹線の色のデザインのモデルになったことも有名)……てのを今回の話で思い出したので、ぜひこの「タバコ」の押絵描いてほしかったなーーと、まぁハイライト描くとは限りませんけど。でもこの先生で一番驚いたのは平野レミさんの旦那だったことですね。
 
 
「悪人と善良な市民」「運の悪い男」
金の無い、良い相手もいない独り者の男のアパートに銃を持った男がやって来て――と、同じ様な展開から始まって、こうも違う展開に出来るのだなーと感心する。
 
 
「繁栄の花」
一部の人にはお馴染み……なのでは?
私は中学か高校の時の……どっちか忘れた?国語の教科書に載っていた作品。
国語の授業中とか、話も聞かずに教科書を先に読み進めていた人なので……散々読んでその授業になる時は飽きていた派。
感想は……無いな……。
星新一は話の短さとキチンとまとまっていてオチが秀逸だから、教科書に入れるのにはもってこい。ただ、“この時の相手の気持ちを述べよ”には向かない話。
 
 
「泉」
めちゃくちゃ覚えてる作品。
不気味なところと、その不気味で不条理に慣れてさらに欲を出して破滅するという……実に星新一らしい話だと思っている。
……多分そこが好きで、怖さと……そこでやめておけば良かったのに!……と勝手に悔しがったのが、合わさって覚えてるのだと思われ……
 
 
「あとがき」
今まで散々、星新一作品だから「あとがき」とあっても、作品かもしれない……と思って読んできたし、書いても来ましたが……ついに来ました。
作品の「あとがき」。
今回の本がそうだったか……と、やっぱりあったか……と言う気持ちか合わさってホッとしました。(笑)
いや、これでもう他の本読んでも「あとがき」見ても身構えなくてすむね。
 
 
しかし、表紙裏のあらすじには“35編”とあるのに、何回数えても“36編”あるんですけど……??
私が3以上正確に数えられてないのか?「あとがき」が1編として数えられてないのか??それとも、その一つ多いのもワザとでその間違いも合わせて星新一作品なのか???
どうなん??
 
 
 
 
1、宇宙のあいさつ
2、願望
3、貴重な研究
4、小さくて大きな事故
5、危機
6、ジャックと豆の木
7、気まぐれな星
8、対策
9、宇宙の男たち
10、悪人と善良な市民
11、不景気
12、リンゴ
13、解決
14、その夜
15、初夢
16、羽衣
17、期待
18、反応
19、治療
20、タイムボックス
21、景品
22、窓
23、適当な方法
24、運の悪い男
25、贈り主
26、タバコ
27、初雪
28、救助
29、繁栄の花
30、泉
31、美の神
32、ひとりじめ
33、奇妙な社員
34、砂漠の星で
35、夜の流れ
36、あとがき