『駅スタンプ大図鑑』 | 日々ぶらぶぶら

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 好きな時代:古代〜現代(今は特に南北朝が好きで突然出てきます)
読む本のジャンル:節操なし

『解説付き 戦前の印影コレクション 駅スタンプ大図鑑』
2023/10/  田中比呂之:編
 
 
 
見ていて楽しい。見てるだけで楽しい。
収集家……とまでは行きませんが、昔からスタンプが好きでして……(『ミュージアムグッズのチカラ』を見た方は知ってるかもしれませんが)……お出かけするときは、スタンプ帳と称した無地のノートを持ち歩き、見つけては押し見つけては押しをしてました。
スタンプラリー以外はわざわざ探しては押してませんけど……一応。
御朱印も御城印……百名城、続百名城スタンプも集めてるので、蒐集癖があるのですよね……
……なので、最近は多いデジタルスタンプラリーはあまり好きじゃないです。(個人の見解です)
 
 
 
“戦前”の駅スタンプコレクション本。昔あった『旅』という雑誌に載っていたモノをメインに、当時掲載されていた説明付きて、スタンプを見せてくれる、好きな人にはたまらない一冊。
 
昔の…昔あったであろう建物や、今とは違う建造物(主に駅)、今と変らない姿の名称、寺社仏閣、そしてお城等々……ちゃんと図案説明……これは何です、松山城です、西郷像です……と教えてくれる、優しい仕様となっています。
 
 
東海道あたりはズラっと富士山か描かれているのが並んでて、土地柄を感じるし、名所に混じって軍事飛行機や軍艦、大砲…旧日本兵などが結構描かれ…そして目立っていることに時代を感じる。
 
スポーツ(?)はスキーが目立つ。祭よりも多い様な気がするなー。北陸/甲信越や北海道は特に多い。仕方ないけど……これもまた時代?流行り?
 
一つのもので勝負しているものもあれば、これもあれもそれも…とこれでもか!と名産名所かズラっと一つのスタンプの中に押し込まれていたり……細密画か!となるような画や特徴、味がある絵、ここまで簡略しなくても……素人絵??……と、駅によって特徴がかなりあってそれを比べて見るのも楽しい。
 
 
 
*個人的に気になった、突っ込みたい、お気に入りスタンプ。
 
「渋谷」
――と言えば、忠犬ハチ公……なんだけど、可愛くねーなこの絵。――なんて思ったけど……もしかして、まだ生きてた時の???像と違ってこっち見てるし……説明読んでも“像”とは言ってないし……開始日が昭和九年一月一日……になってるし。
生きている内に像が作られたとは聞いていたけど……スタンプまで作られてたとは……
 
 
「近江八幡」
いろんな有名所あるところだろうし、八幡神社や長命寺も描かれているけど、一番目立っているのが、軍事飛行機というのが……時代を感じさせる。
 
 
「石津川」
――が古戦場……北畠顕家が戦死した場所……という説明だけのスタンプ。これだけをスタンプにするんて凄いなー……顕家ってそんなに有名な人物だっけ?……と思ったけど、コレ“戦前”ということを考えると……納得がいくね。
天皇に敵対した……当時の極悪人足利尊氏の側近中の側近…高師直と戦い……最後まで天皇に忠義を尽くし、そしてここで戦死した北畠顕家……楠木正成が神格化したのと同じ様な時代背景――と考えると、うーん戦前だなーーと思いました。
 
同じく四国愛媛県の「石井駅」も南朝の忠臣土井、得能が戦った星の岡古戦場をモチーフとした(?)デザイン。
 
 
「犬鳴山」
不動尊の刀と犬が鳴いているスタンプ……で、もしかしなくても駅名からスタンプ作りましたか?
 
 
「松崎」
城らしき絵がバッチリ目立ってるけど、図案説明には鰻と温泉しかなく……他不明……らしい、ええぇ!?なんの城!!??
 
 
「水俣」
日本窒素肥料会社が、バッチリ描かれてて……うぇぇえ!?となる。
当時は一応、水俣を代表するものだったようで……その後も、水俣を(悪い意味で)代表するものとなってしまった。
 
 
「佐世保」
超弩級戦艦で興奮する。さすが佐世保。
私のような素人でも佐世保と言われたら……アレですねとわかるぐらいに、さすが佐世保。
他のモノを一切入れずこの戦艦をドン☆と配したスタンプなのがさすが佐世保。
 
 
「松代」
佐久間象山を山に“象山”と書くだけで表してあるの??……ええぇぇえぇ??いいんかそれで!??
幕末偉人を……雑すぎない??
*松代に象山という山がありますけど、説明には山には触れず、“佐久間象山”としか書かれていない。
この象山という山……戦争末期に作られ…そして、一度も使われることが無かった最大規模の地下壕があるのが……なんというか……戦前スタンプを見てしみじみとしてしまう……
 
 
「会津若松」
鶴ヶ城“跡”なんだ。うわーそうか、そうか、そうだよねーー天守閣が再建された状態しか知らなかったから……この時はまだ“跡”かー。
ところで、飯盛山に“ムッソリーニ寄贈記念碑”なんて、あったけ??無いよね今?さすがにムッソリーニのは敗戦後壊されたよね??どうなん??
何度か飯盛山行ったときあったはずなんだけども……白虎隊目当てで……いやー全然憶えてない。
スタンプになるくらいにには、当時は有名だったってコト……だよね?
 
 
「小岩井」
“小岩井農場”ってそんな昔からあったし、有名だったの??……と思ったら、なるほどそう言うことだったのか……またひとつおりこうになりました。
小野、岩崎、井上……か……知らんかったわ。
 
 
「錦沢」
うわースゴイ!スイッチバックをスタンプにしているんか。これはたまらん。
これぞ鉄道スタンプ!と言う感じがしていいね。
スイッチバックは乗った。一度だけ、長野で、楽しかった。
しかし、北海道なのに“新四国八十八ヶ所”と文字があるのがわからん。
 
 
「釧路」
阿寒湖が描かれているのに、有名なマリモがいないのは発見される前なのかな?
しかし、鶴に見えない丹頂鶴が描かれている。
“鶴”と説明にあって「え!?ツル!!!???」と二度見した。
 
 
「小沼」
樺太の駅です。ロシア小屋に養狐(毛皮用として飼育していた模様)とあって、金カムで見た!この光景。となった。
 
 
*個人的にデザインが好きだなーとなったもの。
 
関西「伊賀上野」
中国「松恒」
四国「角茂谷」
北陸/甲信越「横川」
東北「好摩」「釜石」「大館」
 
 
 
自分が住んでいる付近のスタンプ。今見ると何故それを選んだ??とか今そんなものねーよ、いやそれ全然近場じゃない!特産品が今と違うわ!……と、ツッコミどころが多々あっておもしろい。
 
工場地帯や炭坑、人々のスタイルなど時代を感じるものも見れてとてもよかった。
 
日本が終わると、樺太や満州や朝鮮のスタンプもチョロっと紹介している。そっちの方でもわざわざ作るなんて、日本のスタンプ熱収集熱が世界にまで飛んでいったんだなー。そして、熱心な蒐集家はそこまで行って押してきたんだろうなー……と考えてみる。
オタ心は昔から強いね。
 
 
 
1、駅スタンプ創世記
2、無言の駅スタンプが語りだす
3、本書の楽しみ方
4、関東
5、東海
6、関西
7、中国
8、四国
9、九州
10、北陸
11、東北
12、北海道
13、外地
14、駅スタンプは鉄道遺産である