4月21日「アイアンクロー」鑑賞 | 岩丸の携帯日記

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CinemaSoundWorksという会社で
遅延気味な日々を追いかけ記録…(かなり…)

多分、脚本家さんがオリジナル作品として、こういう話を書いたらね、「ダメダメ、こんなリアリティの無い話、書き直し書き直し!」って、言われると思います。


「Inspired by True Story」、そう言って話が始まります。実話にインスパイヤされた話。

ショーン・ダーキン監督「アイアンクロー」

プロレスを見ない人だって、知ってる。
ジャイアント馬場といえば、16文キック
アントニオ猪木といえば、延髄蹴り
大仁田厚といえば、電流爆破
フリッツ・フォン・エリックと言えば、アイアンクロー=鉄の爪

そのフリッツ・フォン・エリック一家。
父親は、80年代の偉大なプロレスラー。
そしてその妻、息子達の話。
というか、本当は次男なんだけど、長男が早くして亡くなったので長男になったケビンの話。

父親の指導の元、プロレスラーになったケビン。
弟のデビッド、ケリーもプロレスラーとしての道を選び、3兄弟レスラーとして売り出されていた。
目標は、世界チャンピオンになる事。

先に、チャンピオンシップの舞台に立ったのは、弟のデビット。しかしデビットは、日本遠征中のホテルで亡くなってしまう。次に、その舞台に立ったのはケリー。しかしケリーは、チャンピオンシップを制したのちの、バイクで事故り、片足を無くしてしまう。
1番プロレスに縁遠いと思われていたマイクだが、やがて彼もプロレスラーへの道を歩むようになるのだが、ある朝、自宅で自ら死を選んでしまう。

プロレス好きなら知ってる、フォン・エリック1家の悲劇の映画化です。

何より凄いのは、役者陣の役作りというか…、役作りの為に身に着けた、あの筋肉である。
只々…関心である。
誰が見たって、プロレスラーにしか見えない。
あの身体を作ったというだけで、主演男優賞ものである。

そして、次にプロレスファン達も唸ってしまう、彼らをとりまくプロレスラー…、彼らをも含む実在するレスラー達の再現性である。ハリー・レイス、リック・フレアー、ブルーザー・ブロディ、どれも、皆そっくりである。
そしてプロレスシーンの、上手いこと上手いこと。

そして、ラストシーンの秀悦な事。
ケビンの息子たちが、彼にかける言葉で、私は涙腺が崩壊してしまいました。

よく出来た映画です。
出来れば、プロレス好きじゃない人に見て欲しい。


かつて、私のプロレス好きを知ってるプロデューサーから、「一緒にプロレスの映画、作りましょうよ」と言われて、あれはあれで完結しているものだから映画にするのは難しいよ…と言ってしまいましたが、嘘です。
プロレスの映画、やりたいです!
そう思わせる、映画です。

同じくプロレスを扱ってる映画「家出レスラー」は、相当ハードルを上げられてしまったな…と感じました。見に行きますけどね。