東京大学三崎臨海実験所の本が出版されました。 | 石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

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第13代三崎臨海実験所長で東京大学動物学名誉教授の森澤正昭 著
『東京大学三崎臨海実験所〜その歴史と未来へ向けて』。
我ら地元の誇りである「三崎臨海実験所」は、
世界でも最も歴史の古い臨海実験所のひとつとして
日本における生物学の発展に大いに貢献してきました。
近代日本の幕開けから現在にいたるその歩みを丁寧に振り返りながら、
今後の海洋生物学研究・教育拠点としての実験所の展望を示します。
装丁がとても素晴らしくイラストが良くできていて、ジャケ買いもされそうです。

「東京大学三崎臨海実験所は、2036年に創立150周年を迎える長い歴史を持ち、
海産生物宝庫『三崎の海』に生息する多様な生物を用いた基礎的研究と、
それを基盤とした教育を現在にいたるまで連綿と行ってきた。
本書は、この研究・教育についての長年にわたる歩みをまとめたものである」

「(1879年来日、1881年帰国のドイツ人)デーデルラインは離日の際、
江の島から三崎海域にいたる採集の経験から、
三崎周辺の海は、海洋生物の宝庫であり、
日本で臨海実験所を作るに最適な場所であると述べている。
それ臨海実験所を三崎に創立する契機となったと考えられる。…
実験所の創立者・箕作佳吉(みつくりかきち)は15歳で渡米し、ハイスクールを卒業、
エール大学で動物学を学び、ブルックスが主催したチェサピーク湾臨海実習会を受講し、
米ジョンスホプキンス大大学院でブルックスの指導のもとで研究を始めた。…
箕作は、帰国の翌年の1882年以降、三崎を手始めに各地を訪れ臨海実習を行っている。…
1884年には三崎の地に実験所を設置することを決意し、
同時に海辺での研究教育を行う場の敷地探しに入っている。
いくつかの候補地の中から、江戸湾を出入りする船を調べた
海関(船番所)跡地を建設予定地とした」

「1896年から翌年3月までに油壺湾に面する三浦郡小網代の地名油壺の、
荒井浜に面した海浜部と本丸跡のある高台部からなる約7,200坪(入船時代の100倍強)
の新井城址敷地を購入した。…
1897年12月に、箕作は実験所の移転を敢行した。…油壺移転に伴い、実験所の陣容が大きく変わった。
初代所長と初代教員及び初代採集人が正式に就任し、充実が図られた。
新しい実験所の幕開けである。
1897年12月には土田兎四造が初代教員(助手)として実験所常駐者となり、
翌年、入船時代から鈴木龍之介とともに採集業務を行っていた青木熊吉が、
実験所初代職員(正式称号は採集人)となった」



1.明治期の三崎臨海実験所(1886–1912年)
1.1 三崎臨海実験所前史
1.2 三崎臨海実験所の創立
1.3 入船時代――三崎臨海実験所の黎明期
1.4 油壷移転――新しい実験所の幕開け
1.5 実験所の大拡張――研究教育活動の基礎の確立

2.大正期の三崎臨海実験所(1912–1926年)
2.1 実験生物学の導入
2.2 大正期の研究の動向

3.昭和期の三崎臨海実験所(1926–1989年)
3.1 実験生物学研究の進展
3.2 実験所水族館の建設
3.3 実験所本館の建設
3.4 実験所建物の消長
3.5 太平洋戦争と実験所
3.6 太平洋戦争後の実験所

4.平成期前半の三崎臨海実験所(1989–2004年)
4.1 新実験研究棟の建設
4.2 実験所で活躍した船たち
4.3 平成期前半の研究活動
4.4 実験所の教育活動――臨海実習

5.平成期後半から令和期の三崎臨海実験所(2005年~現在)
5.1 三浦真珠プロジェクトと三崎臨海実験所
5.2 21世紀における三崎臨海実験所での研究
5.3 海洋生物学100周年記念館・水族館の取り壊しと教育棟建設
5.4 マリンバイオ共同推進機構(JAMBIO)
5.5 三崎談話会の復活

6.相模湾の豊かな生物相とその保全――三崎臨海実験所周辺
6.1 実験所周辺の生物相
6.2 実験所周辺の生物の保全活動
6.3 生物保護区の設定

7.三崎臨海実験所人物記
7.1 実験所のスタッフ
7.2 実験所に足跡を残した研究者
7.3 天皇家と三崎臨海実験所

8.日本の臨海実験所の未来への歩み
8.1 国立大学理学部附属臨海実験所
8.2 日本と欧米諸国の臨海実験所
8.3 日本の臨海実験所の将来構想
8.4 国立大学臨海実験所等の再編に関する提言
8.5 臨海実験所の未来へ向けて